- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033032504
感想・レビュー・書評
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アンデルセンの 人魚姫 とても好きな物語です。
……海の底に住む人魚姫は、人間の王子に恋をしたため、水の泡となってしまいます。
、、、最後のページ、美しい絵に、救いのある文章ですが、私は、曽野綾子さんの、最後の文に、違和感を感じました。この文です。
にんぎょひめは、あさひの ひかりのなかで、あわに なって しずかに きえていきました。かなしみでは なく、ひとを あいした よろこびに つつまれながら、たかい たかい そらへ
のぼっていきました。
、、、美しい文章ですが、アンデルセンの原作では、人魚姫が泡になってから、もっと 納得できる、具体的な、救いがあります。
…人魚姫は、空気の娘たちの一人になるために、そらにあがっていきます。300年ほどかけて、良いことをしようとして、一生懸命つとめたら、永遠の魂をもらって、人間の永遠の幸せをともにあじわうことになります。すきとおった 美しいものの声がします。…かわいそうな、かわいい人魚さん、あなたも、わたしたちと同じで、心の底から一生懸命つとめてきたのですね。わたしたちと同じように、あなたも苦しみ、たえて、空気の精の世界にのぼってきたのですね。ですから、300年たったら、良いおこないのおかげで、不滅の魂をもらうことができるでしょう。
小さい人魚姫は、すきとおった両腕を神なる太陽のほうにさしだした。すると、生まれてはじめて涙がわいてくるのがわかった。
、、、まだ続きますが、省きます。
悲しんで 身を投げた 人魚姫が、 ひとをあいしたよろこびに つつまれながら…… という言葉は なんだか唐突に 思いました。
、、、いわさきちひろさんの しんみりした きれいな絵が、とても良かったです。
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ひだまりトマトさんの本棚を見ていて、私がいわさきちひろの絵が好きだったことを思い出した。そこで、まずは曽野綾子の文にいわさきちひろの絵という絵本、にんぎょひめを読んでみた。すこし物悲しいちひろの絵に子供にわかりやすく書かれた曽野綾子の文。読むのは簡単だが、なんともいえない余韻があって時には絵本も良いなと感じました。
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小さい頃に、何度も何度も、読んだ大好きな人魚姫。
いわさきちひろさんの、挿絵の絵本が、ある事は、今回知りました。すぐに購入!
淡い美しい絵が、儚げな人魚姫にぴったり!
最後の3行が、ん?
と、ひっかかりましたが、他の方の感想を読み、又、最後のページの、曽根綾子さんの解説と重ねて、自分なりに、納得する事にします。笑。
子供の頃、読んだイメージは、人魚姫は、泡になってしまった!それだけが、大きくて、ショックで…
改めて、この本に出逢える事が、出来て、とても嬉しく思っています!(^^)
満月の夜、海が、キラキラ光っているのを見ると、大人になった今でも、人魚が、現れるのではないかと、
思ってしまいます。
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あまりにも有名なこの童話が私は昔から大好きで、絵本も数冊持っているけれど、いわさきちひろさんが絵を描いているこの絵本はその中でも一番好きです。
切なすぎる悲恋の物語が、ちひろさんによる淡い色づかいの絵によってさらに切なさを増します。
飾っておきたいような絵本です。 -
アンデルセン・曽野綾子・いわさきちひろ、最高の組み合わせじゃないだろうか。アンデルセンの詩的な世界を、曽野綾子がわかりやすく美しい言葉で表現、それを彩るいわさきちひろの絵は文句なく素晴らしい。曽野綾子による、キリスト教的視点から見た解説もよかった。
つくづく、アンデルセンはいくつになっても読み返す価値のある作家だと思うのだ。年齢によって、様々な解釈ができるだろう。絵によっても訳によっても印象は変わる。
この年になるまでいろんな姿の「人魚姫」に出会ってきたけど、その中でもこの一冊は印象に残るものかもしれない。 -
曽根綾子さんといわさきちひろさんが創る淡く美しい世界
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姫が可愛かった 5歳0か月
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図書館 閉架。2歳0ヶ月。ちひろさん絵の昔話絵本が読みたくて。娘は花には反応したけれど、あとはいまいち。まだ難しいか。淡い色遣いの美しい水彩画。ちひろさんの他の昔話絵本も読みたい。1冊は手元に置きたいなあ。2017/6/13
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お嫁さんにしてくれないのに優しくする王子様。他の女の人と結婚をしてしまっても王子様から離れることのできない人魚姫。
人魚姫が王子に短剣と突き立てようとするシーンで、王子様の心には人魚姫はいないんだと分かってしまいます。
小さいときは何で死ぬんだろうと思っていましたが、今読むとめっちゃ感情移入してしまいました…
そんな恋はしたことないけど笑
いわさきちひろさんの絵と曽野綾子さんの訳が素敵です。
コメントも読ませていただきました。
深い読み方ですね。
たしかに、泡になって消えてしまうのでは、終わり方としては...
コメントも読ませていただきました。
深い読み方ですね。
たしかに、泡になって消えてしまうのでは、終わり方としては納得がいかないような気がしてきました。
絵本の最後に、曽野綾子さんが、この絵本について、解説しています。
にんぎょひめは、王子と結婚することもできずに、空気...
絵本の最後に、曽野綾子さんが、この絵本について、解説しています。
にんぎょひめは、王子と結婚することもできずに、空気のあわになって、永遠の生命を得るために天空たかくのぼっていきます。これは、キリスト教における煉獄(天国と地獄の間にあり、死者が天国に入る前に、その霊が罪を浄化されるといわれる場所)の思想でありましょう。そこには、終生独身ですごし、恋を成就できなかったといわれる作者アンデルセンの、やや破滅的な、絶望的な姿勢も感じられるのです。
わたくしは、子どもには、かなり早くから、人生のあらゆる姿を見せるのが好きです。よろこびも強く、かなしみも深く感じられてこそ、ゆたかな生きかたといえるでしょう。その思いの深さをわたくしたちにあたえてくれる、という点では、アンデルセンという人は、やはり最高の作家だと思います。
最初にレビューを書いてから、ずいぶん経ちます。
今回、もう一度この絵本を読んで、曽野綾子さんの、この終わり方も、ありなのかもしれない、と、思うように、なりました。
でもやっぱり、泡になって、消えてしまうのは、可哀そう…。
いろいろ考えてしまいました。
コメントありがとうございます。
丁寧なお返事、ありがとうございます。
丁寧なお返事、ありがとうございます。