- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033328805
作品紹介・あらすじ
ひとりで帰るいつもの道で、女の子が不思議ないきものをみつけます。どうやら、自分にしか見えていないみたいです。ある日、思いきって声をかけると、その〝くろいの〟は、台の上からおりてきて、とことこ歩きだしました。ついていくと、へいの穴からもぐりこんだのは、ほどよく古びた日本家屋。そこは、くろいのの家でした。
おしゃべりはしないまま、居心地のいい居間でお茶を飲んだあと、くろいのは女の子を、押し入れの中から屋根裏につれていってくれました。そこに広がっていたのは、暗闇の中にキノコやコケが光る幻想的な世界。ブランコやすべり台で思いきり遊んだあと、ふたりは大きな生きものの柔らかな毛なみにつつまれてぐっすり眠りました。お母さんの夢を見た女の子は、また、くろいのとともに居間にもどってきます。
わかれぎわ、くろいのは一輪の花をくれました。帰り道のとちゅうで、お父さんとばったり会った女の子は、ふたりでなかよく家にむかいます。
ひとりでいるときの子どもの心に優しく寄り添ってくれる不思議な生きもの、くろいの。そのくろいのとわたしの愛おしくなる出会いを描いたあたたかな絵本。
感想・レビュー・書評
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くろいのがいる。
このくらいのがとても気になる。
女の子とくろいの どうする どうなるのかドキドキしながらページをめくる。
モノトーンの世界が広がる。
動きや表情、絵の細かさにも目をうばわれる。
くろいのは、いろんなところにいる。
えっ、こんなところにも。
だけど女の子しか見えてないのかな。
くろい あとに着いて行くと…。
お家の屋根裏へ。
未知の世界へ。
くろいのといっしょに楽しい冒険。
こわさを感じないこんなひとときを過ごしてみたい。
ちょっと違う気分になって、ちょっと嬉しくなって。
招待してくれて ありがとうなのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〝ひとりで帰るいつもの道、塀の上に “くろいの” がいた。 次に見た時は、バス停に坐っていた。 「ねえ、何してるの?」 おもいきって声をかけたら、コトコトコトッと降りてきて、とことことこっと歩き出した ••●●●〟陽だまりの縁側、押し入れの暗闇、草花の匂い、屋根裏で眠るふかふかな生き物…ジブリの “まっくろ黒すけ” を連想させる、キメ細かな銅版画で描かれた不思議なくつろぎの世界。
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とても良かった。
どうしようもなく削れてしまっているときに、息をふきかえせるのは、こんなふうな奥の世界。たやすく誰もが入ってこられることのない世界なら、壁をゆるめて息をつける。それをこんなふうに描いてくれて、とてもうれしかった。 -
子どもだけの友達と、屋根裏の夢のような世界。
独特の筆致。 -
トトロみたいな感じ、、かな!?むすこ②は、くろいのはなんだかわからなかったけど、話はおもしろかったよー、だって。
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不気味だし知らないものについて行くのはちょっと控えたい。
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課題で取り上げた。
銅版画の作画は現実感のないような、心に忍び込むような、遠い記憶の様な感覚になる。
日常で気がつくとそばにいる、意識の隙間で一緒に戯れる、気持ちを満たしてまた日常に戻る。
その境界線の曖昧なこと。 -
くろいの。
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なんとなく昔風の感じです、シロクロですし。建物も今風ではありませんよね。そこにこの少女にしか見えないくろいのが現れます。すこしこわいはずなのにこの少女は、楽しそうなんですよね。