- Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
- / ISBN・EAN: 9784034394403
作品紹介・あらすじ
なんでもあつめるのがすきな
ミッチがある日、ひろったのは
クジラのかたちをした 木のかけら。
それが、ふしぎな夏の はじまりだった。
ミッチは、花の種やきれいな石ころなど、道ばたでひろったものをコレクションしている男の子。いまはセミのぬけがらを集めています。
ある日ミッチは、クジラのかたちをした木のかけらをひろって、家に持ちかえりますが、うっかり麦茶をかけてしまいます。すると、それはちいさなちいさなクジラになったのです!
セミのぬけがらを食べて、「ミーンミン」と鳴くので、<セミクジラ>と名付け、ミッチはお父さんといっしょにそのクジラを飼いはじめます。でも、クジラはだんだん、元気が無くなってしまい……。
考えたミッチは、セミクジラのために、あるものを探すことにします。
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たからばこの なかには、ぼくが 道ばたでひろった、いろんなものが はいっている。
宝石みたいに キラキラしたビーズ、しまもようの 石ころ、
ドクロマークの 絵がかいてある ビンのふたに、みかづきがたの 花のたね、
ほかにも たくさんたくさん。
どれもみんな たいせつな、ぼくの 道ばたコレクションだ! (本文より)
感想・レビュー・書評
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とても開放感があって、いいなぁいいなぁ。
ファンタジーに大人も参加できているのも、大人としては嬉しい。
1ページ1ページ、言葉も絵も愛おしかった。
シリーズの他の作品も読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
低学年にぜひ手にとって欲しい作品。
誰でも一度は通るであろう?セミのぬけがら集め。宝箱の中の「道ばたコレクション」。生き物を育てている時の気持ち。子供達の共感要素が散りばめられていて、本の苦手な子でも飽きずに読み通せるだろう。
物語はどんどん奇想天外な方向へと進んでいき、爽快感あり「そんなバカな」の笑いありの壮大なクライマックス。想像力をかきたてられる終わり方も見事。
ミッチの気持ちに寄り添う、文化系お父さんとのやりとりが安心感を与えてくれる。
コマツシンヤさんのイラストと色使いが、この物語世界にピッタリ。全編カラーにせずに、所々入るカラーページが作品の魅力を何倍にも増している。
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ミッチが ひろったのは、クジラみたいな かたちをした 木のかけら。
むぎ茶を こぼして ぬらしてしまったら、
木のかけらが むくむくと ふくらみだして、ほんものの クジラに なった。
セミのぬけがらが すきだから、
「わかった! このクジラ、きっと セミクジラだよ!」
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道ばたでひろったものをコレクションしているミッチが、ひろったものをきっかけにふしぎなともだちと出会う創作童話シリーズの1作目
たからばこに入っているのは、宝石みたいにキラキラしたビーズ、しまもようの石ころ、ドクロマークの絵がかいてあるビンのふた、みかづきがたの花のたね……
「なんでこんなものをひろってくるの」とついつい言ってしまいそうになるけれど、子どもにとってはとくべつなもの、魔法によって世界が広がるもの、そしてあこがれとときめきと勇気をもたらすもの
1、2年生におすすめ
“ミッチの道ばたコレクション”シリーズは既刊3冊
『セミクジラのぬけがら』2019年7月=本書
『ドラねこまじんのボタン』2020年10月
『うたうラッパ貝がら』2021年8月 -
コマツシンヤさんの絵はいつ見ても、、、、、
夏という季節、こういう不思議なことが起こってもおかしくない -
児童書の入門に最適。
1年生の娘はとっても気に入って、他のシリーズも読んでみたい!と張り切っていました。
いいとこで終わっちゃって、続きは??とヤキモキしている姿に読書を楽しんでいるなぁと嬉しくなりました。 -
図書館本。2023読売こども新聞イチオシ100冊から。長女の面白いが出た本。木肌かと思っていたら、水にふやけたらクジラに変身。ファンタジーの児童書。余韻がいいです。
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夏休み真っ最中のプールの帰り道、道端でセミの抜け殻を拾っていたミッチは、手のひらに乗るくらいの、平べったくて黒っぽい、クジラに似た形の木のかけらを拾います。持って帰って道ばたコレクションに加えるミッチでしたが、コレクションを机の上に並べている時に、誤って麦茶を机にこぼしてしまいます。
タオルを取りに行き、へやに戻ったミッチが見たものは…?
麦茶のかかった木の欠片は、むくむくと膨らみだし、小さなクジラになって動き出したのです。小説家で、いつも家にいる仲良しのお父さんと一緒に、ミッチは小さなクジラを飼うために色々な食べものを与えてみますが…?
ミッチことミチルのうちは、お父さんが小説家で家にいて家事をやっていて、お母さんが外で働いているおうち。今っぽくてよいですね。ミッチとお父さんが仲良しなのもほっこり。小さな動くクジラを見ても、ミッチと同じ目線で驚いたり考えたりしてくれるお父さんに癒やされます。
ミッチ命名の“セミクジラ”が、セミの抜け殻を食べるというのも面白い。
ミッチの、セミの抜け殻をひたすら集めるという趣味が生きてよかったですね。
最後はあっけなかったけれど、なんだか壮大な終わりのような気もします。
そして、お父さんが子供の頃に拾って、ずっとおじいちゃんの家にあったゾウみたいな形の木の欠片…。ロマンを残して終わる終わり方もよきです。
とにかくミッチとお父さんのやりとりが癒やしの物語でした。
小学校2年~4年くらい。 -
自分だけの宝箱に自分だけのみちばたコレクション。自分にとっては特別なものたち。それが楽しい。お父さんも少年に戻ったね。男の子はいくつになっても男の子。