作品紹介・あらすじ
夢を読みとく者が人々を導く国で、少女は災いをよぶ腕輪を手に旅立つ! ひとりの少女が国をゆるがす陰謀にたちむかうファンタジー。
感想・レビュー・書評
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ファナは、夢とき師になりたいと願う15歳の少女。メッシナ王国では、夢は女神アラリム=カーがさずけてくれるものとされ、さずかった夢の意味を読みとく夢とき師が尊敬を集めていた。しかし、アラリム=カーが夢にあらわれ「夢とき師になりなさい」と命じてくれなければ、夢とき師にはなれない。
祖母の形見の白いスカーフをして、アラリム=カーの祠を訪れたファナは、アマンさんにあることを頼まれる。
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読みやすくて先が気になる展開。
ファナの勇気と優しさが共感できる。
一部ストーリー展開に、イザナギ・イザナミの神話と似ているところがあった。
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大陸の東の国メッシナ王国では「夢は見るものではなく、さずかるもの」と信じられてきた。夢をさずけるのは七色の羽をもつ女神アラリム・カー。夢のおつげをは神のお告げに等しかった。
そして夢の意味を知るために夢とき師という仕事が尊敬を集めていた。
タジ村のファナは夢とき師になりたいと願っていた。霊夢を見て夢都に行きたいと思っていた。
けれど、ファナには夢のお告げがない。亡くなった祖母の白いスカーフをつけていると、声をかけられた。
アナンさんは、1年前にタジ村に越してきた綺麗な女の人だ。アナンさんは、ファナにある頼みごとをする。実は夢のお告げでタジ村にやってきたのだ、祠の前で白いスカーフをつけた人間に金色の腕輪を託しなさいと。ラルーサのシバハーンに腕輪を渡すようにと。
ファナをそれをだれにも言わないとの誓をたて、ラルーサに向かう。アナンさんはファナに腕輪を託すと、赤い鎧の騎士たちに襲われ亡くなった。
ファナの託された腕輪は死者の国に行くことができる力を持つもので、ファナは国を揺るがす陰謀にたちむかうことになるのだった。
著者プロフィール
東京都に生まれる。『ニコルの塔』でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「青の読み手」シリーズ、「歴史探偵アン&リック」シリーズ、『夢とき師ファナ』『時知らずの庭』『ウパーラは眠る』など、翻訳に『リスベート・ツヴェルガーの聖書物語』などがある。
「2023年 『黒の皇子』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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