いいたいことがあります!

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037272906

作品紹介・あらすじ

陽菜子は、中学受験をひかえた小学6年生。勉強も家の手伝いもするよういわれているが、いそがしい兄は家事をしなくていいらしい。
もやもやした気持ちをかかえてすごすある日、ふしぎな女の子と出会って……!?
あたらしいガール・ミーツ・ガール!

 親は、自分が絶対に正しいと思いこんでいる。
 自分の子どもだから、絶対にわかりあえると信じている。
 でも、正しさはひとつじゃない。
 わかりあえるのも、相手の気持ちを大事にしたときだけだ。それは他人同士のときと同じだ。
 わたしは、親に支配されたくない。わたしは、わたしの道を行きたい。
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 中学受験を控えた陽菜子が、お母さんに言いたいことがある…という思いがとても伝わった。


    子ども時代を経験して大人になり、自分はこういう親になろうと思っていて…だけど結局上手く伝わらない母親の気持ちもわかる。

    あなたのためを思っているのに。とか
    あなたと話すと悲しくなる。で会話を終わらすのは子どもに負担だろう。
    まあ、すべての親がこんなふうに言ってはいないだろうけど。

    親は、自分が絶対に正しいと思いこんでいる。
    と子どもに思わせたらだめだよなぁ…と。

    大人になると自分は間違ってない気がするだけで、けっこう間違っている。
    それを誤魔化すのが子どもより上手いだけかもしれない。




  • 中学受験は親のため?自分のため?
    6年生の主人公が親に反発しながらも、なぞの少女スージーとの出会いをきっかけに自分と向き合い始める。
    子を持つ親として、ドキッとさせられた一冊。
    親の思いを子どもに上手く伝えるにはどうしたらいいのでしょう。

  • 朝日小学生新聞「中学入試で取り上げられた本」より。(ちなみに、近畿大学附属中ほか)

    あるある...
    言ってるこのセリフ...
    これ、わが家のドキュメンタリーか??
    夏休みということもあり、毎日ムスメにくどくど言ってるセリフが、そのまま書かれてて苦笑い(笑)

    「大人ってけっこうまちがうの」
    「大人になると自分はまちがってない気がするの」p181

    そんな大人に反発しながら、考えるんだ。自分は本当は何をしたいのか。何になりたいのか。アンタはまちがってる、と大人に言うために。

  • 日々母親に不満を持っている主人公のひなこが、不思議な中学2年生の女の子(スージー)に会って、その子が自分の思った事を文にして書いたメモ帳をひなこに渡しました。その手帳を開く度スージーに会えるという・・・・・。ひなこは、スージーに会えたことで、気持ちが前向きなれる元気が出るストーリーです。
    私も、『何で私だけ?』『お母さんなんて・・・・』と思う事がありました。この本は、とても共感できて、友達関係やお母さんとのトラブルなど、人生をサポートしてくれそうな本でした。

  • 小3娘が読んでいたので借りて読んだ。娘には自分で選択する強さを持って生きていってほしいと常々思っているので、わかるけど自分とは重ならなかった。これから受験する娘がどう思ったかわからないけど、とりあえず洗濯物を畳むのが丁寧になった気がするのでそこは好影響。よかった。

  • 娘と母、どちらの気持ちもわかるような、、、

  • 女の子が主人公で、私の気持ちを理解出来る友達のような、感覚でこの本を読めました。

  • 中学生向けの本かなと思いますが、子を持つ親として読んで、なかなかグッと来る話でした。
    これが普通の家庭かなぁとも思うし、これを読んで言動を変えた方がいいとも思うし悩ましいですね。
    サラッと読めるし子育て世代にオススメです。

  • 小学校6年生、塾に行って受験することになっているが、成績も上がらなくて、そもそも兄が受験したので塾にも同じように行ったが、地元の中学校でもいいかも?そして、なんでお母さんは私には洗濯物を取り入れて畳めとか家事の分担があるのに、兄には日曜日に風呂掃除をするくらいでやらなくて良いのか?色々な事を自分でしっかり出来ない自分が悪いのはわかっているが、凄くモヤモヤして納得がいかない。お父さんは味方してくれるが、単身赴任中でお母さんと言い合いになっても口では必ず負けてしまう。そして、納得がいかない繰り返し…。そんな時、とても不思議なお姉さんに出会う。そして、手帳を拾う。そのことから変わっていく主人公がいい。
    文章も読みやすく、高学年のモヤモヤしている女子や、大人のずるさを感じる頃に読むとスッキリするかも?おすすめです。
    続巻に兄が主人公の物語、「考えたことなかった」あり。

  • 家族内での男女の役割の違い、男女でなく同性でも上の子下の子で異なる役割、そこから感じる不公平感、たいていの家庭では多かれ少なかれあることだと思います。
    私自身、高校生まで家が嫌だと思ったことをバネに県外国立大学に入って自由を満喫、でも今振り返ると、両親、姉に感謝していることばかりです。

    親が子どもを思って言う、というのは本当だと思う。
    よその子がどんなに悪いことをしてもなんとも思わないけど、自分の子はやっぱり悲しい。それが親のエゴと言われても。

    言いたいことはほとんどすべて言っている今の私には共感できるところよりモヤモヤの方が多かったけど、言いたいことを我慢している子どもには読んでもらってもいいかな。

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著者プロフィール

1966年生まれ。広島大学教育学部心理学科卒業。『非・バランス』で第36回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。『Two Trains』で第57回小学館児童出版文化賞、『園芸少年』で第50回日本児童文学者協会賞を受賞。作品に『いいたいことがあります!』『超・ハーモニー』『クマのあたりまえ』『だいじょうぶくん』などがある。

「2022年 『考えたことなかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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