軽装版 神の守り人 上 来訪編 (軽装版 偕成社ポッシュ)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037500603

作品紹介・あらすじ

女用心棒バルサが人買いから助けたのは、美少女アスラ。ロタ王国をゆるがす"力"を秘めたアスラをめぐり、王家の隠密カシャルたちが動きだす。せまりくる追手から、アスラを連れバルサは逃げる。小学館児童出版文化賞受賞。『精霊の守り人』からさらに広がる世界・守り人シリーズ、軽装版第五弾。

感想・レビュー・書評

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  • 上橋さんの頭の中はいったいどうなっているのか。
    新ヨゴ皇国、サンガル王国、カンバル王国と出てきて、今度はロタ王国という国がでてきた。
    どの国にも独自の王家の歴史と伝統、そして伝説や伝承があり、同じ(かどうかも定かではないけれど)異界を、「ナユグ」、「ナユーグル」、「ノユーク」とそれぞれの言葉で表わす、などという、見事にリアルな世界観で物語が成り立っている。一体どうしてひとりの人が、こんな壮大な世界を考え出せるのだろう。

    冒頭のシンタダン牢獄の惨劇や、スファルが鷹に魂を乗せて空からバルサを追うシーンなどからは、「鹿の王」を少し思い起こした。

    本作でバルサが守ることになる、アスラ、チキサ達「タルの民」がロタの人たちから疎まれ、ひっそりと暮らしてきた過去・・・
    ロタ王に使える呪術師スファルが語る伝説と「タルの民」チキサが語る伝説の相違・・・
    現実世界でも、色々な国、民族においても似たり寄ったりのことが史実としてありそうで、どんどん物語の中に引き込まれていく。

    これからアスラ、チキサに待ち受ける未来は辛そうで、読み進みるほどに胸が痛くなるけれど、この上巻最後のマーサの言葉が温かく、安堵した。マーサのように、物事を先入観や偏見からではなく、フラットに見ることができて、仕事ができて、情に厚く、困った人には恩着せがましくなく手を差し伸べることができる人って、本当に尊敬する。あ、私、マーサがすごく好きかも(笑)

    しかし、シハナよ。やっぱり大人しくスファルの言う通りに動くとは思っていなかった。やはり、お前か、シハナ・・・という感じで、下巻(帰還編)へ続く。

  • 2人の兄妹を助けたバルサが追われる。しかし、続いてしまう。

  • やめられないとまらない守り人シリーズ。
    しかし、巻を追うごとに、これは本当に児童文学なのだろうかと思う。この「神の守り人」なぞは、あのトロッコ問題のような話であり、正解がない道を歩いていく感じ。
    精霊の守り人と同じように、思わぬ運命を背負ってしまったこどもをバルサが守っていく話なのに、精霊の守り人が「最初は敵だったものたちと味方になって強大な敵から庇護者を守り抜く」的なわかりやすい話だったのに比べて、この話は最初から庇護者を守ることが果たして正解なのか分からない状態で進んでいく。敵対する側も、単に敵になったり味方になったりするのではなく、それぞれの正義で動いていく。
    虚空の旅人のときもそうだったが、本当に考えさせられるストーリーになっている。だんだんと深まっていく話に、こちらも深みにはまっていき、だからやめられない止まらない(笑)

  • (2015年1月8日 再読)

  • 久しぶりに守り人シリーズ読んだ!ヨゴ、カンバル、サンガルときてついに物語の舞台は、ロタ王国へ。バルサの戦いは言わずもがな、様々な人物の視点から描かれる物語がこのシリーズの魅力だ。それは王国の成り立ちから、この世界の風習にまでおよび、まるでこんな世界が実際にあるかのように思える。

    お話はまだ途中で、これからバルサとアスラはどんな逃亡生活を送るのか、タンダとチキサは無事でいられるのか、ロタ王国はどのような未来へ向かっていくのか。まだまだ、バルサとアスラは逃げ続けなければならないけど、地獄のような逃亡劇があるから、マーサの家での日常がとても幸せなことに感じられる。二人の兄妹がヨゴで暮らしていける未来が訪れますように。続きが楽しみ。

  • 小さい頃の母親の存在って大きいから、周りともほぼ関わり合っていないのであれば、そこを強く信じてしまうのは仕方ないことかもしれない。

    お花を織った布って素敵だな、もうどこかにそういった宣伝文句の布が売られているかもしれないけれど。

    マーサ良いな。ジャージの二人の校歌を作詞だったか、作曲だったかをした「かのう小」を教えてくれた女性に似たものを感じる。刺繍したくなるな。
    「織物頭は、いつだってわたしを探しているのよ。」と言うセリフが印象深くて何だかすきだ。

  • 2021.01.読了

    今度の舞台はロタ王国
    バルサとタンダ
    ロタに住むタルの民の
    アスラと兄チキサ
    ロタの呪術師 スファルと娘のシハナ
    そして畏ろしき神 タルハマヤ

  • ロタ王国での物語。
    人買いからチキサとアスラの兄妹を救ったバルサとタンダ。
    妹のアスラは、ロタ王国の伝説に登場する恐ろしき神にまつわる少女で、ロタ王国内に渦巻く民族争いに巻き込まれていく。
    バルサの死闘が、凄みを増していく。
    でも、かっこいい~
    邪悪な神から心守ったアスラに、安らかな日々が訪れるといいなあ。

  • 軽装版軽くていい〜*\(^o^)/* 王様だからって無条件に国動かせないのね。なんかちゃんとやろうとすると、足引っ張られるような気がする(−_−;)

  • 面白い。映像化の難しい本ですね。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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