ガドルフの百合

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 57
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (30ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039636805

感想・レビュー・書評

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  • ある時まで、私にとって宮澤賢治の言葉は冷たく澄まされた水であり、硬質な小宇宙だった。
    〈われひとり ねむられずねむられず まよなかの窓にかゝるは 赭焦げの月〉
    恋心を抱いている時に詠んだという歌を知ってからは、金属質の塊を胸の中で燃やしている人なのだと思うようになった。
    『おれの恋は、いまあの百合なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕けるなよ。』
    白百合とガドルフと著者の姿が重なって見える。百合の群れは激しい雷雨にも屈しない。厳めしく咲き誇るのだ。一瞬の閃光によって瞼の裏に焼きつけられたその姿がしばらく消えなかった。

  • 分からない……。
    解説が欲しいと思った。

    雨宿りに入った建物の中に百合があって、その百合の一本が折れて他がそのまま無事だった……さて、雨もやんだし隣町まで行くか……と思ったというのは分かった。

    色々抜いたけど、物語はこんな感じ。百合が『恋』に繋がっているけど、分からない。
    宮沢賢治の事を調べてから読む本だったかな。

    それとももっと簡単に『雨宿りの話の絵本』と受け取っていいのだろうか?
    百合が恋愛の数か何かと絡んでいるのだろうか?
    争う豹人間と黒い鳥人間は何かを表してるのだろうか?


    もっと「文章だけを楽しむ」ものなのだろうか?
    読み方がわからない。

    百合の絵が素敵で借りてみたけど、中身は「わからない」
    もう少し簡単に読めるかと思ったけど、何とも言えない「?」しか出てこなかった。

  • 宮沢賢治の原作「ガドルフの百合」の絵本版。
    嵐の中を歩いている男が、雨宿りした先で、
    白い百合をみつけ、恋する話?

    さすがに、子どもには難しいかと。
    「宮沢賢治」の文章にふれると言う感じで読めば、なんとか。

  • とにかく難しいの一言、絵本なのに!!
    でも、とにかくこの作品は
    宮沢賢治の語彙の豊富さと
    卓越した比喩表現が楽しめる。
    それ故、日本人に生まれてよかったと思える作品。
    そして、作品の内容は
    色々調べて、ああそうだったのかと納得。
    その角度から読み直すとまた味わい深い。
    何度読んでもいい。

  • ささめやゆきさんが描く百合の絵が、とてもとてもすてきな、宮澤賢治の童話絵本。嵐の夜に、稲妻に照らし出された白い百合の姿に恋をした旅人ガドルフ。びしょぬれのガドルフはその夜不思議な夢をみる…
    恋に落ちる一瞬の強い感情や、人生が戦いの連続なのだということをおぼろに感じる…美しい絵本です。(笑) 小さなお子さんへの読み聞かせにもぴったり。

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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