- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040006581
作品紹介・あらすじ
是枝裕和監督と坂元裕二がタッグを組んで贈る、圧巻のヒューマンドラマ『怪物』。第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、稀代のストーリーテラー・坂元裕二のシナリオに世界が注目を寄せています。安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子ら実力派キャストが勢揃いし、映画初出演となった黒川想矢と柊木陽太が二人の少年をみずみずしく情感豊かに演じました。
その魅力の核心には、家族のあり方や子どもならではの揺らぎなど、是枝裕和監督と共通するモチーフに取り組んできた坂元裕二が紡ぐ物語にあります。このシナリオブックでは、本作の"決定稿"を完全収録。映画鑑賞後に読むと、また味わい深い、坂元裕二脚本の妙ともいえる、軽妙なセリフまわしや、すれ違う登場人物の繊細な描写。
複数の視点で描かれた物語だからこそ、読み返すたび発見のある『怪物』オリジナルシナリオブックは映画ファン必携アイテムです。
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大きな湖のある郊外の町。ある嵐の朝、子供たちが忽然と姿を消した…。
息子を愛するシングルマザー、生徒思いの教師、無邪気な子供たち。
それぞれの視点から描かれる「怪物」探しの果てに、明らかになる正体とは。
映画『怪物』
2023年6月2日公開
監督・編集:是枝裕和(『万引き家族』)
脚本:坂元裕二(『花束みたいな恋をした』)
音楽:坂本龍一(『ラストエンペラー』)
キャスト:安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太 / 高畑充希 角田晃広 中村獅童 / 田中裕子
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感想・レビュー・書評
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映画には描かれていない部分、あえて有耶無耶にしていた部分も描かれていて解釈が変わった。映画では少し坂元裕二っぽさが緩和された台詞回しだったように感じたけど、文字で読むとこれぞ坂元裕二の言葉に触れられた。最高の一冊。
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映画の方がサラッとしてたけどこっちはこっちで好き。映像だけだと汲み取れなかった部分がどういう意図なのかわかったので満足。
ラストへの理解度も深まるかなと思ったけど難しくてこれ読んだら余計に混乱した。結局2人は生きててどっかに逃げたってことなのかな… -
映画を観て気になった部分やよく分からなかったシーンを確認したく読破。
あと坂元さんのファンなので一度脚本を読んでみたかった。
言葉が面白いし、綺麗だし、怖い。
映画にない部分もあり思った以上に良かった。
自分にも怪物な部分があると思う。 -
映画は視聴済み。
ラストあのふたりは死んでしまったのか否か、映画ではどっちにもとれたので確認したくて。
生きてるよね。遠くで先生とママに声が聞こえてるってなったつんだもの。
僕たちは何も変わらない、世界が変わったんだよ。
この意味深なセリフも持ってうまれた性癖を無理に変えることはない、世界が変わればいいことだと受け止められるし。
「怪物だーれだ」とは世間ともいえるというのがこの小説を読んで感じたこと。 -
「小学校の先生の名前なんて覚えてる?〜どうせ忘れちゃうんだからさ、適当でいいんだよ」って台詞。僕は全部覚えてる。幼稚園は片岡先生、小1佐古先生、小2島津先生、小3原田先生、小4−6島津先生、中1渡辺先生、中2豊浦先生、中3唐谷先生、高1谷口先生、高2大賀先生、高3谷口先生、大学安保先生。なんでこんなに覚えてるんやろ。坂元さんは、ほんまに小学校の時の先生の名前は覚えてないんやろか。
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映画を観たあと読んだ。シナリオブックを読むのは初めてだったけど、映画で難しかったところが理解できたり、本編にはなかったシナリオが読めてよかった。同時に、このシーン入れてほしかったなって思うところもあった(特に湊と美青のところ)。映画を観た方には読むのを薦めたい。
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羅生門形式という複数の人物の視点から一つの物語を語るやり方をとった『怪物』だが、映画を観て若干違和を感じた部分があった。それがシナリオでどう表現されているのか見たかった。それがシナリオ段階からあるものなのか、撮影段階で追加されたものなのか気になっていたのだが、自分が気になっていた部分はほとんどがシナリオ段階で書かれていたものだった。
飴を口に入れるシーンや、校長や保利の言動への違和感、他にもいくつかあるのだが、このあたりの奇妙さは何なのだろうか。
恐らくこの違和感はわざと残してあるものな気がした。
羅生門形式という三者三様の視点から語られることで事実が実際はどうであったのか、その幅が語りによって広がっていくという見せ方を使っていながら、それでわかった気になるなよ、という観客への挑戦のようにも感じた。
個人的にはあまり上手くいってるとは感じないけれども……。
それとシナリオにはないシーンや映画にはないシーンがシナリオにはあるのだが、映画のほうがやはり断然に良かった。削られているシーンもここはないほうが良いと思えるシーンであったし、映画の見せ方でシナリオのシーンがよりよくなっているところもある。
ラストシーンなんかは映画のほうが断然良くて、あのエモーションはシナリオでは若干説教臭く思えたから変更されていて良かった。