映画大好きポンポさん the Omnibus (ジーンピクシブシリーズ)
- KADOKAWA (2021年4月26日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040646374
作品紹介・あらすじ
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんが行きつけのダイナー。そこには風変わりで有能な映画人たちのたまり場。女優業のかたわらここで働きはじめたナタリーも交えて、いつも映画の話に花が咲く。ある日ポンポさんのスタジオの倉庫整理をしているとき、「ペーターゼン」と書かれたディレクターズチェアが出てきた。ポンポさんの祖父ペーターゼンは伝説のプロデューサー、しかし一度だけ映画の監督をしたことがあるという。ペーターゼンフィルム設立となったニャリウッド“伝説”の物語がポンポさんの口から語られはじめる――。
感想・レビュー・書評
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『映画大好きポンポさん』番外編といった感じの短編集。ダイナーを舞台にしたガールズトークのスタイルで、『ポンポさん』本編の舞台裏や「じいちゃん」ペーターゼンさんやブラドックさん(そして第三の男…)の青春時代が語られていきます。ストーリー的にはおとなしめながら、本編の世界観や登場人物たちのバックががっつり厚みを増し、本編の今後への期待もアップ!
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ダイナーでポンポさんが料理する話(うまそう!!)とペーターゼンの若い頃の話
昔話は爺ちゃん格好良いし、マーティンさんの若い頃も格好良いし、ヘディ姉さんの格好良いし……
面白かった
【内容:アマゾンから転記】
むかしむかし映画の街ニャリウッドには、のちに伝説と呼ばれる男たちがいた
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんが行きつけのダイナー。そこは風変わりで有能な映画人たちのたまり場。女優業のかたわらここで働きはじめたナタリーも交えて、いつも映画の話に花が咲く。ある日ポンポさんのスタジオの倉庫整理をしているとき、「ペーターゼン」と書かれたディレクターズチェアが出てきた。ポンポさんの祖父ペーターゼンは伝説のプロデューサー、しかし一度だけ映画の監督をしたことがあるという。ペーターゼンフィルム設立となったニャリウッド“伝説”の物語がポンポさんの口から語られはじめる――。 -
いつの間にかに、映画大好きポンポさんシリーズの新作が発売されていてびっくりした。ということで、早速読みました。今回は、ポンポさんのおじいちゃんペーターゼンさんが活躍した時代のお話。じいちゃんから孫へ職人技が引き継がれた経緯もわかるお話もあり、今回も楽しみました。
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天才が羨ましい、というよりも。
天才ならば、「世界を猥雑に埋め尽くす既存の価値観を何一つ障害とせず、ただひたすら自分の望みを叶えるために突き進める」事が羨ましい。
今回のポンポさんはサイドストーリー。
これまで登場したサブキャラクターにスポットを当てたお話です。
映画・映像を作るという面白さ、役者やカメラマン、映画に関わる人達の矜持…そういったものがダイナーでの雑談という形式で語られていきます。
ナタリーの可愛…ダイナーに集う常連たちの他愛もないやり取りは楽しいし、まだ何も知らない少女達の純粋な映像への憧れは美しい。しかし、やはり何と言っても「じいちゃんの思い出編」が白眉でしょうか。
ニャリウッドを代表する名プロデューサーであるペーターゼンさんの過去を語るという体の物語なので、結末は分かっています。ペーターゼンさんは成功し、栄光を掴むのです。
が、例え先の分かっている話であっても、その瞬間に賭けていた情熱は間違いなくドラマティックで、否応なしに読んでいるこちらも盛り上がってきます。
定番ですが、路傍の石のように散らばっていた一人では輝けない宝石達が一つに集まり、大きな輝きになる展開。良いですよねぇ。
しかもそれぞれの輝き方がまた個性的かつ魅力的なので更に素晴らしい。
中でもヘディ姉さん…と、彼女を正しく(技術だけじゃなくメンタルでも)評価したペーターゼンさんが良い。もちろんそれを凄いと断じるロッシオも。
全体を通じて、皆野望に燃えているのですが単に成り上りたいというだけではなく、自分が作りたいもの、大切にしたい譲れないものが軸にあって、それを叶えるために必死になっているのがかっこいい。
「金持ちになりたい」と嘯く若き日のクズヒモ野郎(マーティン)さえも、自分なりの美学を貫くからこそうだつの上がらない日々を過ごし、理想の作品に全力を注ぐわけで。
…「あんただけはそういう奴じゃなかっただろ!」とかニヤニヤしちゃいますよねぇ…ハフンハフン。
そんな凄い人達が歩んだ道の端に自分達がいる。
ポンポさんは、そして今回お休み(ちょっといたけど)のジーン君はどんな映画を作り、残していくのか…楽しみですね。
ちなみに「ナタリーの芸術」はガツンときましたね。爆笑しました(笑 -
記録
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最高の一言。特にペーターゼンさんのストーリーが良かった。この人の作品は読後感や作品の後味にすごく拘っているような気がする。1冊終わったあとの満足感では他を寄せつけない魅力がある。