- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040694092
作品紹介・あらすじ
大秘宝と化していた前世の職員証が示した扉――そこは、ファルマの前世・薬谷完治が最期を迎えることとなった大学の研究室へとつながっていた。
この世界が夢などではなく、全く別の世界へと転生してしまった現実を突き付けられたファルマは、現世で新たに生まれた“人との繋がり”を思い出し、この世界で人々のために生きていく決意を新たにするのだった。
そして迎えた帝国医薬大学校の新学期。ファルマも自身の持つ現代薬学知識を伝えるため学部長兼教授として教壇に立つこととなる。巷で話題の異世界薬局店主、そして女帝の命を救った宮廷薬師として名を馳せていたファルマだったが、すべての学生が彼に好意を寄せるわけではなかった。事実、一人の学生がファルマの元を訪れ、こう告げる。
「退学申請の受理をお願いしたく、まいりました――」
感想・レビュー・書評
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今回のでかい話は遺伝子治療。遺伝性の病気の治療ですね。小さいのは、1型糖尿病とDNA検査と寄生虫ですね。
そして、いつもどおり大神殿の刺客が来るのですが…今回の刺客はゆるいです。
遺伝子治療の子は、学生で今後レギュラーになって、強力な右腕になってくれる子なんですよね。…いや、本人は治療してないけども。理由もちゃんとあるけどね。
スラスラ読めるのが良いんですよね。
ファンタジーと現代医学で楽しい限り。クスリとくるネタも多いですし。
楽しかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファルマが神術を利用し始めた一方で、異世界の人々もまた、ファルマの薬学を取り込むという相互作用が生まれていた。
「少しずつ、変わっていってるよな。この世界の人々も、俺も」
「ファルマ君も“この世界の人”じゃない」
エレンは笑った。
(P.304) -
ファルマの教授としての業務がスタート。
多大な実績の持ち主が少年だったこと知った学生たちの動揺は想定内だったが、入学当日に退学届を提出され、神術試合を申し込まれ。
現代で言えば、大学教授が小学生。
ざわつくのも無理もない。
どんな状況でも変わらないファルマの姿勢というか、揺らがない意志がやっぱりすごい。