- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040820828
感想・レビュー・書評
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家ではなく、町をみるという視点が、斬新でした。1番は家だと思っていたのですが、同じような家はどこにでもあるので、現在ではなく20年、40年後もその町が栄えているのか、新陳代謝がいいのかという観点で見ないと、老後不便な町になり、買い手が見つからずそのまま住むということも考えなければならないと思いました。
日本で空き家が増加している最中、次々にタワーマンションが建つ異様な光景という表記にうなづきます。新興住宅街は子育てにいい環境で選ぼうとしていましたが、先々のことを考えて住む場所を選びたいと思います。
別の本の「家を買いたくなったら」でも言っていた、家を買うことを目的にせず、どんな生活をしたいのかという観点で家を選ぶ。
というメッセージが、とても勉強になりました!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな街に「家」を買ってはいけない
はじめに――子供の声が消えた首都圏郊外住宅地
ということで始まるこの本ですが、要は、戦後の高度成長経済時代、都会で住宅が不足し、社会全体の価値観として、とにかく我が家を所有したいという一心で、自分自身が置かれている時代の一瞬を切り取り、買ってしまった「財産としての家」が、数十年の年月を経て、不良資産と化してしまっている。
そのような事態になってしまった日本の戦後の歴史、そして過去、現在、未来のデータ分析予想、今後日本社会が課題解決に向けての処方箋が書かれた本でした。
内容は
第1章 住宅街が崩壊する日
第2章 全国に2000もあるニュータウンという厄介者
第3章 戸建ての維持に悲鳴を上げる人たち
第4章 人気が上昇し続ける住宅地の条件とは
第5章 相続が「負の財産」になるとき
第6章 戸建て住宅街に将来性はあるのか
第7章 戸建て住宅街からの脱出法
第8章 住宅を賢く買うには
第9章 不動産に対する考え方を変えるとき
おわりに――マイホームという蜃気楼
今後、我々が考え方として持っておかなければならないこと、「不動産が財産である、という幻想」「不動産はバランスシートの考え方で所有」「本当に必要なのは人生の舞台としての不動産」ということ。
それと、私がこの頃つくづく思っていることですが、物件を市場化する場合、売りたい人と買いたい人を丁寧につなぐビジネスモデルがいいと思っています。
結局、両者の間に存在する「情報の非対称性」を解消するため、物件情報をあらゆる角度で分析・評価する「知見」を公共化する、そのため、その分野を構築するについては税金が投入されてもいいのではないかと思います。
とにかく、社会的な課題解決に向け、日本社会が培ってきた「知見の総合化」、そして、新たに発生した「市場」は丁寧なプロセスが構築されている。
このことの社会的システムが構築されていけば、そのノウハウは、どういう分野でも適応可能ではないかというのが私が現在到達している知的限界であります(笑)。