超限戦 21世紀の「新しい戦争」 (角川新書)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822402

感想・レビュー・書評

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  • 戦争は新しい時代に入っており、その領域は非軍事的領域に及んでいるが、そのことに気づけず、軍事的領域に固執するものも多い。非国家的組織は、国家に対して正面から軍事的にぶつかるのではなく、非軍事領域などの側面から攻撃をしている。手段の組み合わせが大切であり、有限の目標に対して無限の手段を用いて、あらゆる領域、段階で戦争をしていかなければ、負けることになる。

    軍事的領域だけが戦争ではないことがわかった。ロシアに対する経済制裁も、超国家的な戦策であり、さまざまな段階、領域の手段を組み合わせて、軍事侵略に対抗していると言える。

  • くどくて読みづらくて、途中で投げ出し。

    今となっては当たり前というか。
    巷で言われているような、シナが、旧来の戦争とは違う分野で、世界に戦争を仕掛けなければならない、的な内容ではないようだった。

    それくらい。

  • (メモ)
    ①超限戦の解説。超限戦とは、軍事領域の境界や限度を超えた戦争を行うことをいう。それは、非職業軍人が非通常兵器を用いて非軍事的意義を持つ戦場で行われる。
    前半は、知と教養の力作だ。てっきり人民解放軍によるナショナリスティックで視野の狭い戦略書かと思ってたが、欧米またはグローバル時代の知を結集した、現代という時代そのものの考察ともいえるものだった。主権国家とそれが排他的に有する軍事力だけでなく、多様なアクターの相互関係(と多様なパワー)を想定するリベラリズム的な世界観を、冷厳なリアリズム(マキャヴェリズム?)をもって考察している。例えば、ソロスによるアジア金融危機のようなものを、国ぐるみで計画的・人為的に引き起こしたらどうなるか・・・など未来の戦争を予言している。
    ②湾岸戦争・その後の米軍の考察
    米国は技術力に比して思想の成長度合いが低い。超限戦はおろか、(保守派のせいで)非軍事の戦争行動の考え方にすら至らなかった。
    ③必勝法は、幅広く自在な組み合わせ。陸海空のみならず、そこからも越えて軍事・超軍事・非軍事の混合を図ること。
    戦争の法則について→黄金比の話はこじつけっぽい感じがしなくもない。名詞・修飾語の関係性からの考察(修飾語が主導する)は大変興味深い。後半~終盤は今までの主張が繰り返されている部分が多かった。

    個人的には、レビューとしては★4.5を付けたいところだ。特に前半の才気煥発ぶりが素晴らしい。

  • よく研究しているなぁ…。
    とは思っても、ここに出てこない更に深いものもあるはず。
    敵、情勢、情報、その他何でも関連する事項を知り尽くす事が己の最大の戦力になる。
    益々、実感する事が出来たかと。

  • 2020.5.16読了。
    企業経営理論、マーケティング、生産管理の知識と被る。戦争資源も経営資源の読み替えのような気がする。
    9.11を予言したと言われる記述も読める。あらゆる手段が「戦争」の概念に含まれるなら、尖閣諸島の領海侵入は、確信犯か?

  • とても嫌な恐ろしくて重苦しい、大変な危機感、緊張感を持たざるを得ない本の内容。

    ただそれが現実の国際社会で世界情勢。

    日本で戦争反対とか言っている人達は、昔だって今現在だって常に日本は戦時下だったという現実を自覚し、日本人として自分がどうしたら日本のために生きられるかを問うてみる必要があると思います。

    楽観的に能天気にのうのうと自堕落になんか生きていける世の中、時代ではないということを痛感せざるを得ない内容。

    戦争の平民化、すべての国民が兵士であり、この世の中は軍事・非軍事含めたすべてが戦争行動。

    国の動員できる戦争資源のすべての力を協力して組み合わせて配置していくこと。

    われわれが今なさねばならないこと、できることは、いかにして戦争に勝つかである。

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著者プロフィール

中国人民解放軍国防大学教授、空軍少将。魯迅文学院、北京大学卒業。文学作品や軍事・経済理論の著作は600万字を超え、代表作は長編小説『末日の門』、中編小説『霊旗』、理論書『帝国のカーブ』など。

「2020年 『超限戦 21世紀の「新しい戦争」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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