会社に使われる人 会社を使う人 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 84
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822549

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『定年後』の著者が贈る「日本版ライフシフト」。自身も50代でサラリーマンから作家という「もう一人の自分」をつくった著者が、「働き方改革」が叫ばれるいま、真のワークライフバランスを伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 楠木新さんの書籍な読みやすく、ほぼ50歳の今の自分には納得感が高く、なんとなく考えていること、思っていることをうまく言語化してくれる。
    会社、個人双方にとってWin-Winとなる為に、「もう一人の自分」を作りましょう、そうすれば本業(サラリーマン)、「もう一人の自分」が。”ピンクレディー効果”としてうまくいく、定年後に向けて、「いい顔」で生きられる。
    また、会社として間接的に社会につながるだけでなく、個人として直接的に社会につながる手段として「もう一人の自分」を持つことによって、「いい顔」で生きられる、ということらしい。
    なお、自分のようなあまり社交的でなく、内向的な人でも社会とつながることを求める、特に会社が無い生活だととそうなるというのはよくわかる。
    書籍内で、「楠木新はこうしてつくられた」章では、著者の経験、体験、精神状態の推移を含め、赤裸々に語っており、とても引き込まれた。
    著者の楠木新さんはとても優秀なサラリーマンだったのだろうと想像するが、作家という「もう一人の自分」を通じて、社会にも大きな影響を与え、貢献できる生き方は素晴らしいと感じた。分野は異なるかもしれないが、見倣いたいと思った。

  • 『定年後』の著者が満を持して贈る、“もう一人の自分”をつくるという新しい日本人の人生戦略。会社に使われる人ではなく、会社を使い倒す人になれ!【目次】
    第1章 『LIFE SHIFT』の実践は難しい――“人生百年時代”の生き方・働き方
    第2章 「パワハラ」と「同期入社」の根っこは同じ――日本型組織の本質を考える
    第3章 会社に使われる人たちの末路――変化する女性、変化できない男性
    第4章 会社を使って“もう一人の自分”をつくる――サラリーマンの新しい人生戦略
    第5章 “楠木新”はこうしてつくられた――うつを経て平社員から作家へ
    第6章 七つの転身パターンが教えること――キャリアチェンジの勘所を聞く
    終章 なぜ会社にとってもメリットか――主体性をもった社員の力を活かせ

  • もう一人の部分を育てて、「いい顔」で過ごしたい

  • 「定年後」参照。

    以下、引用

    ●ここで大事な人生戦略になるのが、”もう一人の自分”をつくっておくということだ。主体的な生き方は、その”もう一人の自分”に任せればよい。そうすれば、定年後の人生を積極的にチョイスすることにつながっていく。
    ●なぜなら日本の会社の給料は、能力や成果に対してではなく、共同体の一員である「人」に対して支払われる面があるからである。また、「能力がない」といって無慈悲に社員を解雇することもない。非正規雇用者が不利益を被る状況が生まれているのは―もちろん、それでよいとは思わないが―多くの日本の会社が正社員を、”共同体の内側にいる仲間”と見なしている裏返しといってよい。
    ●私自信の体験と実感も交えていえば、会社という共有の場でサラリーマンが仕事を円滑に進めるための態度要件は、「お任せする」と「空気を読む」の二つに集約される。「お任せする」というのは、自分の主義主張をあえて前面に押し出さないことだ。上司などに物事の決定を委ね、自分の主義主張にあえてこだわらない。これは会議などの場だけでなく、たとえば些細なことだが、職場の人同士で食事をするような場面でも同様である。「おれは魚が食べたいから寿司屋に行こう」といってもよいのは、全員の勘定を自分が自腹で支払うときだけだ。個別会計だったり、部内の経費で落としたりするときは、味や値段よりも「みなが納得できる」ことが優先されなければならない。空気が読めない人たちを”KY"と呼び始めたのは、かつての女子高生たちだった。これはとりもなおさず空気を読むという能力が、日本では学校生活のうちから集団を維持するうえで求めれていることを物語っている。とくに相手が自分に対して大きな影響力を有しているときこそ、その相手の意図や意向を読み取ろうとする姿勢は強くなる。その基本スタイルは”受け身”である。そして、この共有の場の均衡状態を確保するために、入社年次や役職の上下といった序列が効力を発揮する。それが日本の組織で年功が重視される根拠の一つになっているのだ。同時に、年功序列の慣習は個々の社員の自由と主体性を封じ込める。言い換えれば、社員同士が黙示的に、会社の中で「個」が自立しないように歯止めをかけているのである。日本型雇用システムは、自立した個人ではなく、共同体の一員として各々の役割を担うことを求める。したがって、社員は共同体のなかに自分の居場所がなくなってしまうことを恐れる。
    ●現役サラリーマンの読者の皆さんも、胸に手を当てて考えてみてほしい。会社の仕事にやりがいや生きがいを感じられるか?自分に対する会社の評価に満足しているか?ひょっとして、会社に行くことがストレスになっていないか?自分の行動に喜びや満足感が得られるのは、主体性をもって動いている部分があるからだ。会社に使われるだけの人は「やらされている」という意識だけが充満し、ストレスも大きくなる。そういうサラリーマンが定年後に雇用延長しても、不本意な状態が継続するだけではないか。
    ●サラリーマンという立場の限界
    第一条 努力したぶん自分に返ってこない(略)
    第二条 自己実現はめざせない(略)
    第三条 取り換え可能な仕事である(略)
    第四条 根回し、調整が必要(略)

  • ライフシフトを読んだ時になるほど〜!!って思ってたけど、この本を読んでも確かにそうだよね、ってなる
    まだまだ自分の意思を持って本読めてないんだな、と思った。

    理解できる考え方が多くて私はもうどっぷり日本のサラリーマンの思考回路なんだろうなと思う
    40〜50代向けの人への本だった

  • 前作、定年後が面白かったので、手にしましたが本作は、少しくどく、流し読みとなりました

  • 自らうつ経験者ということで、以前うつをテーマにした本を読んでこの人の生き方に興味を持っていた。サラリーマンでありながら、様々な人物へインタビューを重ねて執筆業を行っているスーパーサラリーマン。すごく精力的で見習いたいと思っていた。一般的な定年年齢である60歳から75歳までが黄金の15年間であるという考え方。これには目から鱗が落ちる思いだった。その準備のために、定年までにどう会社を使って過ごすか、がテーマ。そんな黄金の15年間を考えると、楽しみになってきた。ベストセラーの「定年後」もぜひ読みたいと思った。

  • 作品紹介にもあるように、ガッツリ『サラリーマン』やってる人が、このまま日本式に合わせつつ『LIFE SHIFT』していくための処世術だ。

  • 【神戸松蔭女子学院大学 人間科学部/都市生活学科】
     楠木新先生は語る
     http://ksw.shoin.ac.jp/lib/pubpdf/2020/kusunoki_202006.pdf

    【神戸松蔭女子学院大学OPAC】
     http://libopac.shoin.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SB00049438

  • 日本型組織の本質を理解した上で、会社を最大限に利用しながら複数のキャリア形成の準備を行って定年後を楽しく暮らすことを説いた本。

    人生100年時代を迎える中で、1つのキャリアに固執するのはとても危険なこと。会社員時代から複数のキャリアを形成する下準備をしておく必要があります。会社を最大限に利用してキャリア形成をしていくことを、本書は説いています。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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