- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040824062
作品紹介・あらすじ
太平洋戦争末期、1944(昭和19)年2月に松本百五十連隊はトラック島に上陸した。
本書は、松本を出営し、トラック島まで辛くもたどりつき、そこで敗戦をむかえる翌45年8月までの戦記である。
太平洋における日本海軍の最大の根拠地トラック島防衛のため派遣されるも、連隊の主力はトラック島到着直前の二月十七日、
米機動部隊のトラック島攻撃に遭遇し、その乗船を撃沈されて多数の人員と装備の全部を失うこととなる。
その後、戦線が硫黄島などに進み、トラック島は補給の途絶したまま、とり残された。
身一つで救助されてトラック島に到着した連隊主力は、その後の一年半を、空襲にさらされながら、陣地構築と飢餓との戦いを生き抜くことになる。
生存者に徹底取材し、克明にして膨大なメモからまとめられた無名兵士たちの哀史。末端から見た戦争の実態!
「この作品は「戦争という巨大な人間の奔流を、特定の個人の小さな私見でなく、多くの生き残り兵を取材して、その生きざまに取組んでみよう」としたものです。
それがどれくらいかなえられたかはともかくとして、今にして思うとこの時の体験が次の作品『あゝ野麦峠』の手法を身につける為に、決定的だったということです」
(山本茂実)
※本書は、1978年に小社より刊行された作品を復刊したものです。故藤原彰氏(1932-2003)の解説も再掲しました。底本には1979年の5刷を使用しました。
感想・レビュー・書評
-
野麦峠で著名な筆者が丹念な取材を通じて明かした松本連隊の悲劇。市井の人々がいつの間に戦争に巻き込まれ悲惨な最期をとげる恐ろしい実話。
昔の軍隊の本籍地ごとの徴兵。歴戦の連隊旗を象徴とした連隊の悲しい最期を丹念に描く。戦死というよりほとんどが餓死、病死という事実が胸に来る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20220728 購入