城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.42
  • (14)
  • (24)
  • (37)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 389
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003343

作品紹介・あらすじ

秤屋ではたらく小僧の仙吉は、番頭たちの噂話を聞いて、屋台の鮨屋にむかったもののお金が足りず、お鮨は食べられなかった上に恥をかく。ところが数日後。仙吉のお店にやってきた紳士が、お鮨をたらふくご馳走してくれたのだった!はたしてこの紳士の正体は…?小僧の体験をユーモアたっぷりに描く「小僧の神様」、作者自身の経験をもとに綴られた「城の崎にて」など、作者のもっとも実り多き時期に描かれた充実の作品集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 今年5月に初めて城崎温泉に行った。

    翌日帰る間際に、1軒ある小さな書店でこれを見つけて購入。
    ひさしぶりに角川文庫手にしたかも。
    この表紙はとても風情があってかわいい。

    こんなに有名な作家さんなのに、
    実はこれまで読んだことがなく、
    なのであの名作の「暗夜行路」なんかも残念ながら読んだことがなく、
    全くもっていい齢してお恥ずかしい限りですが、
    きっかけはともあれ、この時代の文学に触れ直すきっかけをもらった1冊。

    印象的だったのは「城崎にて」もさることながら、
    「母の死と新しい母」
    「小僧の神様」
    そして「雨蛙」

    追記
    志賀直哉が城崎を訪れてから、今年がちょうど100周年とのこと。わたしにとってもタイムリー。

  • 盆の送りも過ぎたころに城崎温泉へと行く。なぜか「城の崎にて」を梶井基次郎だと思い込んでいた。あの鬱々とした感じが梶井っぽいと思っていた。
    城崎温泉は川沿いに柳並木の情緒ある町並みの温泉街だった。串刺しの鼠もイモリも見つからなかったけど。
    ちょっと外れにある城崎文学館で本文庫を手に入れる。そういえばナオヤってほとんど読んでなかったっけ。

    なかなかよいです。ナオヤ。どうしようもない夫ばかりで。

    「オイ、一月半、旅行に行ってくる!」
    「あなた、浮気はしないでね」
    「じゃあ行かない!」

    という「好人物の夫婦」とか

    「あなた、愛人がいたのね」
    「いいじゃん、本気なんだから」

    という「山科の記憶』とか身勝手な男の言い分が楽しいくらい。これってこのころの「浮気は男の甲斐性」という時代には普通なのだろうか。

    しかも妙に艶っぽい。
    愛人がバレ、喧嘩したあと、

    …興奮に疲れ、疲れながらなお興奮している彼の妻が入って来た。

    で次の日、愛人に別れ話をしにいって

    …女の口は涙で塩からかった。彼は前夜矢張り妻の口の塩からかったこと
    を想い…、

    とほんのりとエロス。

    あと、妻が寝とれたと知り「堪らなく可愛いィ!」という変態な的な夫とかなんだかなぁ~。

    そう、この「なんだかなぁ~」という感じが志賀直哉の小説のテーマ。
    男の感じるこのアンビバレントな感情をはじめ、「小僧の神様」「のいいことをしたのに感じるイヤ~な感じとか「正義派」の空回り感とか、「城の崎にて」の偶然、イモリを殺したあとのやるせなさ、とかの「なんだかなぁ~」という「どうしようもない感情」を書かせたら本当に上手い。

    この感じが誰かに似ていると思ったら、「不貞の季節」とかの団鬼六でした。

  • 城崎文芸館での立ち(座り)読み、「城の崎にて」のみ拝見させていただくことに。結果は上々、まんまと万城目学著「城崎裁判」と湊かなえ著「城崎へかえる」を手にとってその場を後にすることになった。

    こうした形の様々な伝染性をもつ志賀直哉作品、残りの短編も含めた本品に再会できる日を積極的に探ってゆこう。それまでは評価欄を空に、読書状況も「読書中」に…。

    2018年2月追記:
    無事読了。巻末の解説に自己の体験に基づいた作品と創作作品とを分類していてくれたので志賀直哉というその人本人を知るにはどの作品をよりどころとすればよいのかが容易に分かりちゃんと二度美味しい短編集となった。

    現代の世では目くじらを立てる人も多くなった情事に絡む作品群については意外とココロを落ち着けて読み進めていられる自分がいたことに気づき、それはそれであらたな発見となった次第。

    さて、もっと探検継続!

  • 2018.1.3読了
    白樺派の代表、志賀直哉の短編小説。
    淡々とした文体、自己中心ともいえるこれらの小説が、日本文学の主流だった時があるんですね。
    その中では、紳士にお寿司を奢ってもらった
    「小僧の神様」がほのぼのとして一番よかったかな。

  • 『城の崎にて』
    短編小説でした。内容があまり入ってこなかった。

  • 「清兵衛と瓢箪」を読みたくて志賀直哉の短編集を読み直しました。暗夜行路を執筆した志賀直哉旧居は尾道にあります。志賀直哉は尾道に2年住んだそうです。尾道は大好きな町です。千光寺公園の山頂から続く文学の小道を文学碑を見ながらの散歩、そして、眼下に広がる尾道の市街地、尾道水道の絶景は瞼に焼き付いています。林芙美子の「風琴と魚の町」は尾道の様子をよく描いていますね。志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」は、なんとなくですが尾道だなという感じが漂ってます。(^-^)

  • 「近代小説の神様」と呼ばれているらしい。そして、私の大好きな谷崎純一郎が「文章読本」にて、彼の「城の崎にて」を絶賛しているので、読んでみた。

    でも、私には合わなかった。「母の死と新しい母」では、近しい人の死も人間は簡単に忘れてしまうこと、「正義派」では、義憤に囚われた人たちが、職を失うとなると、急に弱気になる話など、谷崎さんと同じで、人の認めたくない部分を扱っているのは類似しているが、より性質が悪い本質をさぐっている気がする。

    それらをウンザリとし始めながら読み始めていて、「城の崎にて」に遭遇。これは、やはり有名になるだけあって、なかなか含蓄があった。

    だけど、「好人物の夫婦」→「山科の記憶」→「痴情」→「瑣事」と続く自身の不倫話をもとにした話にはうんざりした。この人の作品は、女性を馬鹿にしていると思った。若干、不愉快である。

  • 短編集なので読みづらいものがあってもなんとか進む。
    割と夫婦の話か多かったような気がするけどいまいち記憶に残りづらい。何気ない昔の日常という感じでのっぺりしている印象。城の崎にてがやはり一番面白いし心に残りますね。

  • 「城の崎にて」を初めて読んだのが小四の時で、偶然九死に一生を得て精神的に弱っている時だった
    小四ながら、弱った人間の感傷的な様子に何となく共感できて、印象に残った

  • ちょっとした、キッカケで思い出した…。

全38件中 1 - 10件を表示

城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)のその他の作品

志賀直哉の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
ヘミングウェイ
三浦 しをん
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする