13の幻視鏡 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 73
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007112

作品紹介・あらすじ

純子が体験した"血の凍るような恐怖"。それが起こったのは、深夜のタクシー乗り場だった。残業後、ひとりタクシーを待っていると背後から…(「HEY!TAXI!」)、ヨセミテ国立公園の断崖から身を投げようと決意した城島は、意外なものに遭遇し…(「グレイシャー・ポイント・ホテル」)など、これまで書籍化されていなかった幻の12作を1冊に収録。奇妙な世界に迷い込んでしまった人々を描く、ファン必読の貴重な作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 吉村達也先生の未発表作を集めた短編集。先生亡き今、担当編集者の方がまとめれら発売されたとの事。先生ならどんなタイトルを付けるだろう…と熟考されたうえで付けられた「13の幻視鏡」、本の雰囲気に合っていて素敵です。

    お気に入りは、復讐なのにどことなくスッキリする「恋するジェラート」、自分の生き方を考え直したくなる(^^;)「着陸」、じんわりくる「大原 不断桜の誓い」、サラリーマン社会の怖さを痛感する「敵は本能寺にあり」

  • 吉村さんが亡くなってたことが一番衝撃的だった…。
    短編集でさらっと読める、ホラーファンタジーな感じ。

  • じわじわ来る「少し不思議」な怖さあり、心温まるオチあり、味わいのある短編集だった。

  • (収録作品)オニキスのチョーカーー幻視鏡1/危険なふたりー幻視鏡2/HEY!TAXI!-幻視鏡3/YES,WE’RE OPEN-幻視鏡4/晩秋のクラヴィアー幻視鏡5/恋するジェラートー幻視鏡6/着陸ー幻視鏡7/大原不断桜の誓い/宇治川花散らしの霧/敵は本能寺にあり/グレイシャー・ポイント・ホテル/レイク・クレセントの風

  • 単行本未収録を集めたホラー&ミステリ短編集。
    著者亡き後、担当編集者がまとめて発売。
    前半はショートショートに近く、ラスト2編の中編は心温まり系。悪趣味や後味が悪い話はなく、編集者の思いが伝わってくる。
    ラストの「レイク・クレセントの風」は「シアトルの魔神殺人事件」の前段部分。
    (図書館)

  • ショートショート集

     新しい文庫だけに文字も大きくて読みやすい。うれしい。ホラーかなと思ったら、いろんな作品が12編。非常に楽しめたファンタジックな短編集だ。作者さんはすでに亡くなっておられるが、ほかの作品も読んでみようと思う

    作品は以下の通り
     ホラーだが、そんな美女なら幽霊でもいいと思う「オニキスのチョーカー」、ショートホラーが続く「危険なふたり」「HEY!TAXI!」「YES,WE’RE OPEN」「晩秋のクラヴィア」「恋するジェラート」。

     味わいある「着陸」、ユーモアたっぷりの「大原不断桜の誓い」、ほろりとくる人情話「宇治川花散らしの霧」、楽しめるショートミステリー「「敵は本能寺にあり」、これまた味わい深い「グレイシャー・ポイント・ホテル」、そしてとても切なく美しい「レイク・クレセントの風」で締める。いい感じだったな。

  • 単行本未収録策を集めたホラー&ミステリ短編集。まだまだシリーズになりそうなものもあって、残念です。
    お気に入りは「YES,WE’RE OPEN」。あの奇妙な事象も怖いといえば怖いけど。何が怖いって、ラストの一言が……あまりに恐ろしすぎますってば!
    「恋するジェラート」も好きだなあ。なんとも言えず皮肉です。

  • 13の幻視鏡というタイトルなのに収められている短編は12編。
    このタイトルは編集の方が作者ならばどうつけるだろうと思いつけたということ。
    作者がもし生きていたらどんな題名をつけたのかも知りたいが、このタイトルも捨てがたい。

    個人的に一番ぞっと来たのは「着陸」
    わき目もふらず必死で働いてきた日本の父親たち、その最後。
    最近では若者の離職、終身雇用制度の破壊などがまるで悪であるかのようにニュースで取りざたされているが、本当にそれが駄目なのかと首をかしげたくなる。

  • 読了、80点。

    **
    ブラックユーモアたっぷりな少し不思議な物語を詰め込んだ未発表短編収録の短編集。
    かつて職場に勤めた魅力的な女性から届いた年賀状がある事態を巻き起こす「恋するジェラート」、
    8年越しの再会を期して約束の場所に訪れた男性の身に起こった出来事を描いた「レイク・クレセントの風」など12編収録。
    **

    各短編が非常に短く、それでいて良く出来ている作品が多く楽しく読むことが出来ました。
    会話ベースで話が進む短編は読み進め易く、一方で個人的な好みにはあまり合いませんでしたが後半の短編は土地の描写が深く良く描けていたと思います。

    お話として好みなのは、作品紹介で挙げた2つの短編、それに加えて地元が舞台の「宇治川 花散らしの霧」です。

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著者プロフィール

東京生まれ。一橋大学卒業後、ニッポン放送ディレクター、編成プロデューサー、 扶桑社書籍編集長を経て1990年より専業作家。
1986年扶桑社在籍中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。2009年10月発売の『蛍坂』が200冊目の著作。
2011年9月ライフワークの『魔界百物語』がスタート。100本の書き下ろしミステリーに挑む。

「2012年 『幻影城の奇術師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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