霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008485

感想・レビュー・書評

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  • 初期の作品ということもあり、館シリーズや囁きシリーズと比べると個人的にはいまいちだった。
    驚きのトリックという訳でもないし動機も結末もミステリにはよくある流れかなと…
    数々の不可思議な現象も説明あるかと思ってたら「偶然」とか「この家の不思議な力」で片付けられてちょっと拍子抜け…^^;
    霧越邸の方々がとんでもない迷惑被ってて気の毒。

  • 幻想と本格ミステリの見事な融合!

  • 吹雪の山荘、謎の住人、奇妙な現象、見立て殺人、謎の暗合?……と、盛りだくさん。満足!

  • 全ての謎がしっかり明かされて他作と同様に爽快感がある。霧越邸自体が持つ意思が物語に神秘的な情景を与えていた。彰がとても魅力的!

  • ずっと読みたかったのですが、借りられてばかりで悔しくて予約して読みました。
    なんとも言えない幻想的な雰囲気がとても良かったです。ありそうでなさそうでありそうな館…好きです❥

    今回は犯人を想像とかしないで、没頭しようと決めて読んだので犯人は全然わかりませんでした。推理を聞いて「あぁ…確かにそんな反応してた…」ってなりました。
    幼少より演劇をやってきましたが、動機はあまり好きにはなれなかったかなぁ( まぁ演劇は関係ないですもんね )

    あと霧越邸の不思議な力のお話がとても面白かったです。最後に名前のアナグラムとか…たまたまにしてもすごい…と思わずその場にいるような感想に。笑
    4年後訪れた時には見ることが出来なかったそうですが、そこもまたいい…❥

    久々の綾辻ワールド。しっかり堪能したら余韻で次に進めないです。笑
    王道ミステリもっと読みたくなりましたが、現在入院中で持ってきてないのでもう少し我慢します。

    話変わりますが『清』という字を『さや』と読むのが素敵すぎて、嬉しかったです。

  • 最後まで不思議な感覚が拭えないままのお話でした。

    何に突き動かされていたのでしょう?

    霧越邸は皆んなを何の為に迷い込ませたのでしょう?

    不思議なお話でした。

  • 見立て殺人、良くミステリーで見かけるけれども、こうきたか!とひねり具合に感心。
    あの人にはもっと早くご登場いただきたかった。
    結局、あの邸は何だったのか。そこの余韻が好き。

  • 立て続けに発生する殺人。そこには二重三重の構造を持った真相が隠されてており…しかしそれもまた館に予め啓示されていたのか…
    この館の持つ(と思われる)超常的な力の事件への関与の仕方が、物語が破綻しないギリギリにコントロールされてるところが凄い。
    ど定番のラーメンだと思ってたらありえない食材で出汁取ってた、みたいなミステリー。

  • 雪山で閉ざされた荘厳な邸で起こる連続殺人。
    話が長いので伏線とか見落としてたが、犯人の動機というか性格はユニーク。

  • 上巻の表紙を捲ると、まず舞台となる館「霧越邸」の見取り図があります。
    湖に張り出した広大な館の見取り図を眺めるだけで、これからここで何が起こるのか期待で胸が高鳴るというもの。

    隅々まで豪華絢爛な館の描写は謎めいていてとても美しいです。
    吹雪で閉ざされた館で起こる連続殺人といういかにもな設定ですが、この館の神秘さがありきたりなストーリーにさせていません。

    館を訪れる人々の運命を暗示するかのように「動き出す」館、その意志に沿うように起こる事件。ファンタジーかSFかと読者を惑わせますが、非論理的な現象を論理的な解釈に取り入れて幻想的な雰囲気のまま本格ミステリとして終着していくのが見事。

    豪華な調度品が並び不思議なバランスで調和している霧越邸と同じように、非現実と現実が上手く調和された素晴らしい1冊でした。


    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・














    最初に間取り図を見た時に「これは館を使った壮大な物理トリックがあるに違いない」と勝手にワクワクしたのですが、意外に理詰めの堅実な展開で、良い意味で予想外でした。
    「館」をこういう風に使うのは新鮮。

    予言するかのような現象が堅実か?という話もありますが、これはもう一人の犯人である槍中が現象の中に何かを見出したということが重要であり、館の現象が事実かどうかは関係ないのでこのあたりも上手く出来ていると思います。

    4度の事件で、途中から槍中が便乗したことにより事件が重層的になっているところがおもしろいのですが、4度目の事件で介入し逆に槍中を惑わせたのが真の探偵役だったという事件の展開にはニヤリとします。

    第一の事件の死亡推定時刻のごまかしがあそこまで上手くいくかは疑問ですが、見立て殺人の理由には納得です。
    見立て殺人はちょっと無理があるんじゃ?という事が多いですが、その違和感が「雨」殺人事件→実は「童謡」殺人事件という真相に繋がっていくのもすごい。

    登場人物一覧に丁寧に本名まで書いてあるので何かあるのだろうとは思っていましたが、槍中の名前には気づきませんでした。
    作中内で名前が変わる、しかも霧越邸で変わることで槍中へも影響を与えるというのが憎い演出。
    吹雪に閉じ込められた幻想的な館が、槍中の心理的な動揺に説得力を持たせています。

    霧越邸の人々にとっては本当に迷惑な話だと思いました。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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