安堂ロイド I (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010570

感想・レビュー・書評

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  • 「すごく残念感があるんですけど」「いやいや、そこそこ見られますよ」という相反する感想を友人知人から聞いているロボキムタクドラマ、『安堂ロイド』。ロボキムタクには興味があるようなないようななんだけれども、この感想を書いている時点で今までの放送(4回)を全部見忘れているわけだし、ここから追いつく方法はなんとかないものかと思っているところに、意表をついたノベライズ本刊行ということで、早速、第1巻を買ってみた。

    SF界で王道のモチーフ、「未来からきた暗殺者 vs. キーパーソンを守る勢力」なドラマ展開である。ネットで話題のとおり、『ターミネーター』を彷彿とさせるプロット。アンドロイドは立体プリンターで生成されるし、損傷を受けたアンドロイドを修理するスタッフは『ドラえもん』的な入退場をするしで、いろいろなモチーフをサンプリングしているのだろう。うーん、でも映像的な小ネタは小説に入れこむと、読んでいてちょっと寒いかもしれない。

    読んでいて気になったのは、ドラマや映画のノベライズ版というのは、映像をすでに見た人向けのものなの?ということ。台本のト書を文章化して台詞をそのままはさんで仕上げました!という文体で、多少なりとも映像を先に見ていないと、ものすごく状況がつかみにくいような気がする。ヘンなところで平板すぎて、何を、誰を書いているのか「?」となってしまい、理解が止まってしまうこともしばしば。小説にするなら、くどくない程度の状況説明をまじえた地の文と、登場人物の描き分けという技術は最低限必須のスキルだと、素人の私でも思うんですが。

    ちなみに、同じ日に買ったSF小説(第44回星雲賞受賞作)をぱらりとめくると、不親切さも説明臭さもなく、何が始まるかわからない、物語へするっと入っていく仕掛け感が効いているような気がする。それに、同じノベライズ本でも、『サマーウォーズ(岩井恭平、角川文庫)』なんかは、映画のシーンとキャラ描写をうまくさばいて、しかも映画よりもメリハリが効いていて面白かった。そこは書き手の個性というか、シンプルに力量だと思う。

    以下続刊なんですが、ストーリーは結構面白いから(麻陽とレイジの甘々シーンは取ってつけたようで、あってもなくてもどちらでもいいんだけど)、どうしようかな…って、その前に1回くらいドラマ本編を見ろよ、私!

  • 小説版はもっとディテールがしっかりしていることを期待して購入。

著者プロフィール

脚本家。代表作に「ケイゾク」ほか

「2020年 『SICK'S 厩乃抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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