もののけ物語 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 135
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011911

作品紹介・あらすじ

「なんでこんなもの、買っちゃったんだろう」人形、酒器、水晶ギツネ、掛け軸、銅鏡、香筒、幸運を呼ぶ猫。オカルト好き、骨董好きが嵩じて、ひと目惚れだったはずが、気付けば妖しいものたちに魅入られ、なぜか頼られ、囲まれる日々。怪談専門誌『幽』に連載し話題を呼んだ視える日々を赤裸々に綴った「怪談徒然日記」も収録。あとがきとして、「お狐さん」との再会を果たした後日談も収録。驚異と笑いに満ちたエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 霊感強し作家、加門七海さんの不可思議体験を集めた物語。
    加門さんの講演を一度聞いたことがありますが、なんというか、『この人は絶対視える人だな』と感じる人でした。
    不思議系の話かほとんどなので、怖くはありません。
    ただ、作中に挟んである「怪談徒然日記」は日々の(!)リアルな霊体験が綴られているのでわりと怖いです。数ページで挫折しました…。
    私自身には霊感は全く無い(と信じている)ので、良かったです…。

  • 加門さんのこの手のエッセイは大好きで必ず読んでいるが、文句なしで面白かった!

    怖いのは嫌だけど、非日常に触れることができるのはうらやましかったりもする。
    心霊スポットはできるだけ避けたいし、曰くつきのものからもできるだけ縁遠いといいなと思うけど、こういう話を読むのは好きだ。
    うん、楽しい時間だった!

  • すでに何度か読んでいるけど、やっぱり好きな本。
    もののけの物語・・・人形やお酒器など人以外の物で起こる不思議な話。表紙の招き猫さんも作中で加門さんに修復をお願いした猫さん。
    怪談徒然日記・・・加門さんの日常で起こる不思議というか怖い話。でも加門さんが書くと怖さ半減(笑)。だって、座布団に現れた男の首をとうっ!て蹴っちゃうんだもん(笑)。またある時は「助けてください」って男の声に「嫌です」って言っちゃうし(笑)怪談読んでるのに毎回吹き出す。
    ほんとだよ・・・加門さん曰く「怪談馬鹿話」だそうです。充分怖いんだけど、結局説明のつかない不思議な話。特に好きなのは加門さんのお友達のTさんの話。旧家で感じる気配。こんな家には私は住めない。
    加門さんの建物にまつわる話も怖かったな~。また読みたくなったな。

  • 書き方を変えればたいそう恐ろしい怪談集になるところを、日常の一コマとしてむしろ楽しげに書いている加門さん。怪談徒然日記なんて霊的なものに対し、虫か小動物のような扱いをしてる気がする。怖い…。

  • 怖い!という感じはなく、加門さんの見えないもの達への愛情が感じられるエッセイです。

  • 全てではないけれど、古いものって持ち主を選んだり主張したりするんですねぇ。
    私は骨董やアンティークに興味はないんですが、もし何かの流れで手にすることがあったら気をつけようと思いました(良いものばかりじゃないから)。

    第2章の『怪談徒然日記』では、「幽霊が見えている人の日常ってこんな感じなんだー」と驚きました。某月某日、と書かれているため間隔はわかりませんが、「毎日のように(怪に)遭遇してるんじゃないのこれ?」と思う量。
    加門さんは慣れたもので、失礼な霊には怒るレベルに達しているようですが、普通の人だったら相当怖ろしいと思います。
    私、零感で良かった・・・。

  • 相変わらず、見えてる世界が違う感じで、楽しい読み物。
    明るい調子のエッセイ主体なのでそんなに怖くはない…と言いつつ、静かな真夜中に一人で読んでいるとぞわっとするエピソードもちらほら。
    三種の雑誌連載をまとめた本で、三部構成みたいになっています。三部?の「ほんとだよ」が特に面白かった。

  •  まず表紙の双眸に引き込まれる。可愛らしいとか愛嬌があるという形容詞ではなく、井戸底を覗き込むような酩酊感がある。つまり「怖いもの見たさ」。
     中を読むと案の定だったが。
     著者のエッセイは、オカルティズム溢れる事象が詰まっているが、軽いタッチですんなり読むことが出来るので嬉しい。だが、表現を冷静に想起すると恐れ慄くこと筆舌に尽くし難い。
     私は「この世の不可思議」を感知しない人間で良かった、とつくづく思う。知らぬ世界の話は、書籍を媒介に俯瞰するくらいでちょうど良い。
     それにしても、著者よりどうも上手なのが御母堂様。切り返しが、いちいち秀逸で脱帽。

  • 「見えない」側でよかったなぁと思う。あなたの知らない世界ってやっぱりあるよ、たぶん。

  • 視える人には視える。
    物に取り憑いたもの、部屋にいるもの。
    そんな見えない「もの」との日々を赤裸々に綴った驚異と笑いのエッセイ。
    中でも面白いのが「怪談徒然日記」。ンな事起こるかよ……と思いながらもつい後ろを振り向きたくなったのはここだけの話である。

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著者プロフィール

加門七海
<プロフィール>
東京都生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』でデビュー。伝奇小説・ホラー小説を執筆するかたわら、オカルト・風水・民俗学などへの造詣を生かしたノンフィクションも発表。自身の心霊体験をもとにした怪談実話でも人気を博す。小説に『203号室』『祝山』など、ノンフィクション・エッセイに『大江戸魔方陣』『お咒い日和』『墨東地霊散歩』『加門七海の鬼神伝説』など、怪談実話に『怪談徒然草』『怪のはなし』など多数。

「2023年 『神を創った男 大江匡房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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