望郷 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.60
  • (10)
  • (21)
  • (26)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 202
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013366

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 朝ドラの関連本とは知らないで、本屋で平積みになってるのを見て、面白そうと手に取りました。

    物語は、感受性が豊かだけど内気で引っ込み思案な17歳のリタが春の訪れを感じるとこから始まる。
    そして、彼女の人生の様々な局面が、短いシーンを切り出すように描かれる。
    その行間から、いつまでも暮れない夏のスコットランドの夕方の光や父親との絆や年の近い姉妹との微妙な関係や伝統的な家庭の暖かさが伝わってくる。そして、いつの間にか、恋心や自分の道を歩こうとする強い意思や、別離や、祖国を離れた先で出会うぶしつけな視線や、戦争の兆しや、家族への思いや、すれ違いや・・・いろんなものが描かれる。

    彼女の周りの人が、彼女のことをちょっぴり批判的に見てるとこも挟み込まれてて、確かに、そんなふうに思われるのも無理ないなぁって感じたりもする。でも、かえって、そのせいで、彼女のことが血の通った一人の人間として浮かび上がってくる。

    森瑤子さんの作品をもっと読んでみたいなぁと思いました。
    それと、この小説は英訳されているのかなぁ。スコットランドの人がこれを読んでどんな感想を持つのか、ちょっと聞いてみたいな。

  • 旅先の本屋でふらりと出会ってしまうような本があります。
    なんとなく立ち読みをしたら吸い込まれてしまったような…。
    大好きなニッカウヰスキーの父、竹鶴政孝氏の妻リタさんの物語。NHKの朝ドラにもなるそうです。
    なかなか波乱に満ちた人生。異国の地で彼女は何を思い暮らしていたのか、それを感じてみたい。

  • 久しぶりにぐんぐん引き込まれる物語に出会った!リタがどんどん強くなっていくところが良かった。強くなりすぎたリタが最後には丸くなるところも○。どうしたら、あんなに強くなれるのか。。。

全30件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

森瑤子(もり ようこ)
1940年11月4日 - 1993年7月6日
静岡県伊東市生まれの小説家。本名、伊藤雅代。
幼い頃からヴァイオリンを習い始め、東京藝術大学器楽科入学。この時フランス文学にのめりこんだうえ、様々な人々と積極的に交流し、卒業後に就職。結婚と育児に追われる。1977年に池田満寿夫が『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞したことを機に、初の作品『情事』を書き、すばる文学賞を受賞しデビュー。
37歳でデビューしてから52歳で没するまで、小説、エッセイ、翻訳など100冊を超える著作を生んだ。作品の多くがテレビドラマ化されている。代表作に、『スカーレット』『夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場』など。

森瑤子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×