団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013885

感想・レビュー・書評

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  • かつての「ニュータウン」が住民の高齢化
    により、「オールドタウン」化している
    ことは、あちこちで報道されています。

    一方で、中国人などが移り住み、治安が
    脅かされている団地などがあるとも聞き
    ます。

    本当はどうなのでしょうか。

    本書では、とにかく現地での様子をルポ
    することにより真実をあぶり出します。

    高齢化は致し方なしとしても、外国人
    移民との分断は果たしてあるのか、事実
    を丁寧に取材しています。

    また、海外の例も押さえています。

    治安が悪化しているのが本当であるなら
    ば、本格的に移民を受け入れているフラ
    ンスなどはどうなのでしょうか。

    テロの温床とまで言われているパリの
    郊外の「団地」を訪れて、現状をルポ
    します。

    田舎でもない、都会でもない「郊外」の
    現状を詳細にレポートしている迫真の
    ノンフィクションです。

  • 読み終わった。住居は生きていくために欠かせないけれど、人は排除を簡単に選ぶし、無知すぎる。

  • 昭和の文化の象徴的存在の団地。時が過ぎ高齢者ばかりが暮らす限界集落と化している。一方空室に居住する外国人。文化間の摩擦など移民に関する多くのトラブル。ありのままの現実と解決策を模索する人々を記録したルポルタージュ。

    団地に限らず数十年前に若い世代が多く暮らした当時のニュータウンの高齢化は時にマスコミの話題となり知っていた。だが本書に描かれるような移民の現実は今まで知らなかった。

    高齢化と虫食いのように増える空室。比較的低価格な条件と一般の不動産屋のように国籍で避けられることがないことから、外国人の居住者が増えていく。それは日本だけではない現実。

    本書ではパリ郊外の団地が移民居住者が占めることとなりヘイトなどのトラブルになっているということを紹介。日本でも同様の問題が起きつつある。

    庶民の憧れの場から高齢者のみが暮らし時に孤独死の場所ともなる現実。若い外国人居住者との良好な関係を模索する人たちを描いた作品。豊富な取材力の力か良質なルポルタージュ。

  • 団地出身者として興味深く読みました。
    私は埼玉の武里団地に幼少時にいましたが、おそらく同じような課題を抱えているのではないかと。
    団地に限らず、これからの日本で解決していくべき課題なのでしょう。

  • エコノミスト掲載201957
    日経新聞掲載2019511

著者プロフィール

1964年生まれ。産湯は伊東温泉(静岡県)。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。『ネットと愛国』(講談社+α文庫)で講談社ノンフィクション賞、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(月刊「G2」記事)で大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ヘイトスピーチ』(文春新書)、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(皓星社) 、『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)、 『団地と移民』(KADOKAWA)、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日文庫)他、著書多数。
取材の合間にひとっ風呂、が基本動作。お気に入りは炭酸泉。

「2021年 『戦争とバスタオル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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