- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041014271
作品紹介・あらすじ
ロースカツ、角煮、生ハム……。何だかお母さんが煩わしいときも、年をとって格好悪かったりするときも、お肉を食べて前を向けばちょっぴり変わっていけるはず。心とお腹にしみる、おいしくてあたたかな短編集。
感想・レビュー・書評
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おいしいお肉料理にまつわるお話…かと思いきや、あまり食べたくなくなるような描写があったり、意外と「アンチ肉」なお話が多かった。
分厚いトンカツも、トロトロの角煮も、一緒に食べる人や食べる状況によって、こんなに不味そうになるのか….と、思ってたのと逆の方向で、食の奥深さを知った。
読み終わった後に、ゾクっとするお話あり、希望が見えるお話あり、その短編バリエーションの豊富さは、さすが坂木さん。
この本を読んで、肉料理を食べたい気持ちにはならないけど、短編の面白さは保証します!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2014年刊。クチコミがイマイチだったので警戒しながら?読んだのだが、自分とは相性が良い作品だった。
豚の部位毎の小編が6つだが、それぞれに変化もありつつリズム感良く楽しく読めた。文芸作品が読みたい人には向かないか。高齢の方、特に「最近の若い者の言葉使いは!」と憤っている方も、読まないが吉。疲れていても軽く楽しく読めて、かと言って軽過ぎて時間の無駄感にゲンナリするような事も無い。良かった。 -
読書リハビリに。
いい意味で軽めの文章で読みやすく、あっという間に読了。
テーマがユニークでいい。
魚のヒレが雰囲気があって好き。 -
「周りとは違うぜ」というオレ様感覚な主人公が好きになれずモヤモヤ。「アメリカ人の王様」は人との付き合い方の勉強になったかな。
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短編集だからすごく読みやすい本!
「肉小説集??」題名に引き込まれて借りたけど
思った以上に面白かった☺︎☆
出てくる人たちが個性豊かで見てても
全く飽きない!!
文章の始まりは必ず「どういう人なの?」て
思うことが多いけれど段々と見えてくる人なりに
ほっこりしたり、びっくりしたり…(笑)
このシリーズまだあったから読んでみたいな♫ -
軽く読み終えられる本。短編だけど、人物の心の動きがおもしろい
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表紙がかわいい。好評だったのか、鳥バージョンもあるみたい。
アメリカ人の王様、というロースカツのお話がいちばん好みだった。分かりやすいしほのぼの。自分とは真逆のタイプを、別世界の人と割り切るのは納得。
肩の荷+9は、自分も老化しているんだろうなと…と、話そのものより歳をとっていく自分にしょんぼりしながら読んだ。
歯ぐきが下がって歯に物が詰まりやすくなった、とか…ねえ。 -
表紙の豚のイラストが可愛い。この部位表が目次なんですね、おもしろい。どの話もそれぞれ違う良さがあったけど、違う価値観を持っている者同士がお互いを分かり合おうとする「アメリカ人の王様」が特に好みでした。それにしてもお腹いっぱいになる本ですね。
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豚肉の色々な部位にちなんで、美味しかったりちょっとグロかったりエロかったりする六篇をおさめた短編集。
どれも面白かったけど、「アメリカ人の王様」「魚のヒレ」が好み。
気が合う友人とか、一緒に暮らそうと思うようなパートナーとは、味覚のセンスと笑いのセンスが合うのが重要と常々考えている私には、面白かった。そうか、異文化コミュニケーションと思えば…
…とはいえ、昆虫食の国の人と恋に落ちたりしなくて良かった。
巻頭の「武闘派の爪先」を読んだら、豚足を食べてみようと思う読者はいないかも…
そんな人は、『コウノトリ』を読もう。
近藤史恵さんの解説も美味しいオマケ。
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「武闘派の爪先」
落とし前を付け損ねた末。
あの様な職に安易な気持ちで飛び込んだ事と組織について全くというほど理解していなかったからこそ、あの場で間違いを選択してしまったのだろうな。
その後も簡単に素性を明かし、見ず知らずの人間に話をするから追われる羽目になったのでは。
「アメリカ人の王様」
王様と王子様が見ている。
上品と下品で物事を全て分けていたら知らぬ内に周りを見下す様になり、自分の中のルールが正解で他は間違いと思う様になるのだろうな。
好みや暮らしの違いはあれど、自分の言う事が一番と言うあたりはそっくりかもしれないな。
「君の好きなバラ」
全てに反抗する息子には。
幼い頃の事を覚えていてくれるのは嬉しいが、流石に何年も経っているのに好みなどが同じというのは珍しいだろうし似た様な物を毎日食べてると飽きそうだよな。
発達の速度は人それぞれであり、単純な事で親は天才かと思う事もあるかもしれないが基本は平凡なんだよな。
「肩の荷(+9)」
気付かぬ内に歳はとる物。
まだまだ大丈夫と思っていても、知らぬ間にどんどんと身体は衰えていき自分でも驚くぐらいに若者との差が出来てきてしまうのだろうな。
真面目にやってきたからこそ、その背中を見て育った後輩達も彼の事を慕って着いてくるのだろうな。
「魚のヒレ」
簡単に信じてしまう彼の。
法螺話にしては設定が余りにしっかりとしているうえに、実際にそれっぽい物を見せられたら彼じゃなくとも信じてしまいそうな話が何個かあったな。
正直だけが取り柄と言うが、彼は少しでも勝算があると思ったからこそ素直に欲を口に出したのだろうな。
「ほんの一部」
少食だった彼がハマった。
添加物やら何やら身体に悪いと言う人も居るだろうが、それ以前に自分の料理のレベルを知らなければ下手すると市販の物よりも身体に悪いのでは。
不審者から逃げる同級生を自ら助けるだなんて、いくら目の前で起きた出来事だとしても簡単には出来ないよな。