運命のひと 姫は、三十一 6 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015902

作品紹介・あらすじ

<謎解き屋>を開業中の静湖姫にまた、奇妙な依頼が。長屋に住む八世帯が一夜にして入れ替わった謎を解いてくれというのだ。背後に大事件の気配を感じ、姫は張り切って謎に挑む。一方、恋の行方にも大きな転機が!?

感想・レビュー・書評

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  • 長屋の住人が一晩で入れ替わるという奇妙な謎に迫る。何か目的があるのか、迫っていくうちに大きな敵に結びついていく。そして、前回潮目の変わった姫の恋の行方。集まってきた、男たちが皆去っていく。その原因は、自ら恋におびえる心。

    姫の女心が切々。
    そして、去っていった男たちが、大いなる敵になる予感も芬々。
    寂しさと虚しさの募る第6巻。

    静湖は、最大の謎を前に幸せになれるのか。なって欲しい。静湖の幸せになる道に、己の幸せもありそうだから。

  • 2017.01.03.読了

    静湖の元から
    みんないなくなってしまって。
    まさか岡田まで!
    でもみんな静湖の事が嫌になったわけではないからね。

    私的に1番がっかりなのは
    田所一平太かな。
    その変わり方はないだろう
    という感じ。

    重蔵が運命の人なのかな?
    松浦静山のような頼もしい父がいると
    なかなかいい男は見つからないのかもなあ

    元気のなくなった坊城定俊に
    静湖の歌の良さがわかってもらって本当に良かったの巻

  • 今回の事件はとても奇怪なもので、八世帯ある長屋の住人が一晩のうちに全員入れ変わったというもの。
    そんなことあるのか、と面白いネタだった。
    まさか内4人は前の住人がちょっと姿を変えて居座ってたとは思わなかったし、身内7人で固められてたとは更に予想外。
    部外者は黒尻だけ。
    そんなとこに自分一人だったと後から知ってもぞっとするな。
    しかも、全員悪事を働いてる奴らだし。
    黒尻、結構斬られて虫の息に近かったけど、助かって良かった!
    看病を買って出たストーカー事件の被害者で黒尻に惚れてた美人画のおみねとイイ感じになって、祝言あげることになったし良かったな。
    ただ、静湖姫は惚れられてた相手が離れちゃって少しだけ切ないものがあるな。
    今回で結構みんな離れちゃったからなぁ。
    田所には特にがっかりしたかも。
    分かるよ?分かるけどさ、その事情。板挟みになるけどさ?男ならやっぱそこを突き抜けてほしかった。
    江戸っ子だしさ。
    同心の上の者に圧力かけられて引くとはなぁ、多歌子の予想的中したな。
    同心の身分と生活を捨てれないとなると静湖姫みたいなああいう身分差恋愛での結婚は田所には無理だな。

    春彦が綾音と駆け落ちするとはね。
    しかも、歌にいい影響を求めてって…風流過ぎか。
    春彦は前の薩摩屋の牽制で尻込みしちゃってたから綾音に傾きそうだなとは思ってたけど、駆け落ちするなんて。
    駆け落ちする必要性特に無いのに(笑)
    風流求め過ぎてるから、そういう感性だと静湖姫には合わないかもな。

    乙斗はまあしょうがないかあれは。
    静山をモデルにした戯作をお上に咎められては筆折るしかないか…。

    白鳥は渡り鳥貿易のために長崎へ行かされちゃったな、静山に。
    けど、最後に男を感じさせる熱烈な恋文を繁蔵に託して静湖姫に渡したのは偉い!
    静湖姫もちょっとぐらついてたもんな。
    でも、アヘンと絡んで来そうで心配。

    秋月も今回の事件で自信喪失気味で兄のところに引込むみたいだな。

    佐野には、静湖姫が失望しちゃったな。
    まあ、あのどこか影があってふらふらしてるところが魅力的だったもんな。
    それが、金にひかれて旗本なのを気にせず敷地内に貸し家作ろうなんて考えだしちゃうなんてな。

    岡田がまさかの多歌子と結婚!
    岡田と多歌子かぁ、そうかぁ。
    しかも、多歌子がなんか普通の会話しててびっくりした。
    静湖姫の話と前回で、結構毒舌で自分の意見ガンガン言うタイプなのに、岡田と話してると普通に相槌打って会話してる女の子…。
    岡田は婿入りするから出て行ってしまうから、ほんとに静湖姫の周りから男達がいなくなっていっちゃう。

    剛三郎と薩摩屋は、まさかのアヘンに絡んでた!!
    これはもう恋どころじゃないわ。
    まさかこの2人が関わってたとはねえ。
    薩摩屋は海産物貿易に興味あるとか言ってフラグ立ててたけど、剛三郎には驚いた。
    ただの筋肉バカじゃなかったのか…。
    薩摩屋は、今回確信犯だったよな。
    静湖姫が最初に来て是非謎を解いてほしい、説明も求めるとかさ。
    あの時すでにアヘンの密輸してたのによくも抜け抜けと。
    静湖姫の聡明さ知ってる上で言ったあたり、悟らせようとしたのかな?
    それとも見破られまいと高を括ってたのか…。
    どちらにせよ静湖姫はそれを見破った上に、配慮をして説明したから凄い。
    アヘンのこと匂わせつつ確信はつかない説明をして、且つ、自分はこれ以上踏み込まないっていう線引きも明確にしてたのは見事だった。

    次が最終巻か。
    アヘンはどう片がつくのかな。

  • 初めて「松」の評価が出て、自分自身が一番驚いた静湖姫だった。まさに狂歌の類だった。「夜遊びは禁じられてもやめないの 遊びが駄目なら火の用心でも」

  • 6巻め。
    いつものノリですが、謎が小ぶりでした。
    岡田がいなくなっちゃったのが残念です。
    終りが近いのでしょうか。

  • おいおいおい岡田?!
    …まさかそう来るとは。
    黒尻さんとか田所さんとか他のみんなはともかくとして
    岡田だけは違うと思ってたのに。
    きっと続刊で多歌子と破談になって松浦家へ帰ってくるんだ。
    そうだ。そうにちがいない(号泣)。
    つーか岡田じゃないと納得しない読者が結構いるんじゃないか?!
    少なくともここにひとりσ( ̄∇ ̄;)

    ちょっと冷静に考えてみるに
    静湖と岡田の関係性を脳内で勝手に
    オスカル様とアンドレに変換していたみたいだ。
    アンドレがオスカルを放っぽって他の女に行くわけがない
    てなことを思ってるから納得いかないんだろうなーなんて。

    降って湧いたような長屋の入れ替わりが
    実は前作の事件と繋がっていて
    しかもまだ全部は解決してないという。
    あれだけモテていた静湖の周りからみんないなくなったってのもそうだけど
    静湖に好意を寄せていた見開き2ページのみなさんの中に
    悪党も交じっていた、というのがちょっとショックだった。
    最近やってた『妻は、くノ一』のドラマ続編でも
    やっぱりなんというか静湖姫は不憫で
    この人にはホントに幸せになってほしいと思ったから尚更。

    決めつけてかかるのはあれだけど
    チャーリー・チャンの正体は筋肉野郎だぞ、きっと。
    今回みんな(岡田までもが)いなくなっちゃったことで
    先行きが更にわかんなくなってきつつあるのがちょっと不安。
    ラスト1行の繁蔵の意味深な言葉も気になるし。
    静湖のことはちゃんと幸せにしてくれるんだよね?
    作者という名の神様は。

    …あっ。秋月さんがいたぞ。忘れてた。
    でもやっぱり岡田じゃないと~(ノД`)・゜・。 ←しつこい

  • ラストの繁蔵の語りにグッときちまった・・。

  • ほぼ惰性で読んでいる・・・。
    クライマックスに向けて、少しだけ盛り上がってきたが・・・。

  • 静湖が運命の人に出会うんだとばかり思っていたら、まさかの岡田が多歌子姫がくっつくとは!!次の、護衛には誰が付くのでしょう?秋月丈四郎とか??札差の薩摩又右衛門と筋肉若殿 松平剛三郎の動きが怪しいですね。静山と敵対するのでしょうか?気になります。

  • 岡田や他の皆がこんなことになるなんて、淋しい。次巻がいったいどうなるのか、楽しみでならない。

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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