災厄

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016893

感想・レビュー・書評

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  • 高知県の過疎村から起こる集団死事件。これがテロなのかパンデミックなのか。

    災厄の原因を突き止める過程よりも、斯波と宮野との友情や歩美との関係よりも、官房長官室で繰り広げられる政治家と官僚のやりとりの方が印象に残った。楡と伊野塚にはイライラしっぱなしだったし、金平と田崎の姿勢には感極まるものがあったし、こうした危機的状況で金平のような対応を見せる政治家いたらどれだけ信頼できるか、今の時政を見ると、そう感じずにはいられない…。

    で、この災厄は自然が引き起こしたものなのか、はたまたやっぱり人的に引き起こされたものなのか、いつか似たようなことが実際に起こらないとは限らない可能性を言及して終わるのが考えさせられた。

  • 謎の感染症が広がって人々が恐怖で逃げ惑う!的なストーリーを期待してたけど、人々の描写はほとんどなかった。ないけどバタバタ大量に死んでいく。
    結末は予想外だったので楽しめたと思う。けど奥さんが帰省した理由は他のことでもよかったのでは?家出して昔の男に会いに行って夫とのことを相談って…感染したけど回復してきたし帰って夫を支えていきたいって言われても素直に応援できないわ。

  • 高知県発の謎の大量死事件、テロか感染症か、官僚と政治家のせめぎ合い。堂シリーズの作者としてお馴染みですが、作風は全然違います。ただこの人理系なんだなと感じ、理論的に理解できないとこもありますが、それはそれとして楽しく読めます。ちょっと社会風刺的な部分には蛇足感がありましたが。

  • これは本当に『堂』シリーズの周木律なのだろうか…?
    なんて疑問が浮かんでくるくらいに作風が違う。

    とことん本格ミステリであろうとする『堂』シリーズとは180度方向転換している。本作は未知の感染症か、はたまたバイオテロかにより四国全域が死の国と化し、日本国中が恐怖に怯えるサスペンスものとなっている。

    意外や意外(失礼か)
    これがかなり面白い!
    息もつかせぬ展開でラストまでぐいぐい引っ張っていき、意外な真相まで用意してくれる。
    不審死の原因は、張り巡らされた伏線を回収しながら突き止めらるため本格ミステリ好きな方でも十分楽しめるかと。

    周木律の才能を垣間見れた一冊でした。

  • 検体採取なら、病院で亡くなった人からすればいいのでは。

著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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