深泥丘奇談・続 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020623

作品紹介・あらすじ

激しい眩暈が古都に蠢くものたちとの邂逅へ作家を誘う。廃神社に響く“鈴”、閏年に狂い咲く“桜”、神社で起きた“死体切断事件“。ミステリ作家の「私」が遭遇する怪異は、読むものの現実を揺さぶる――。

感想・レビュー・書評

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  • 続編です。
    連作なので、話が繋がっています。

    京都の架空の地域、深泥丘での奇妙なエピソード。
    本当にありそうな所から入りこんで、曖昧で不気味な体験の数々。

    個人的には「心の闇」が好きです。
    「Q大学付属病院精神科の真佐木教授」って、絶対「ドグラ・マグラ」の正木教授ですよね。笑
    「ヒトの(心)は脳のみ宿るものにあらず」って言ってるし。
    「心の闇」が肝臓にできるというのも思わず笑ってしまいました。
    心がとろけそうに美味、、、やめられないし必要だし本能で欲しているからでしょうか。黒い部分は取り出せない。

    「ソウ」もおふざけなお話で、かわいかったです。
    笑いました。

    実在するなら深泥丘に住みたい。
    生の「コネコメガニ」も食べたい。

    ーように思う。

  • 「深泥丘奇談」の続編とのことで...
    またこの何とも言えない妖しげな感じの話が良かったです。
    ゆるーいホラーのようで楽しませて貰いました。

  • 2020.9.13再読
    自分も夢うつつで(昼寝の合間とかに)読むからか、その話はあったんだっけ? こんな夢をみた…で始まってたっけ? と頭の中でグニャリと歪んでいるような気分で読み進めた。
    ソウはダジャレだけど、こんな話を別のどこかで読んだような…気がする。

  • 十編の短編集。
    ホラーっぽかったりミステリーっぽかったりファンタジーぽかったり、イロイロ楽しめる十編。
    前回の方が怪奇小説さがありましたが、今回は色んな感じが楽しめてこれはこれで面白かった。

  • ホラー風味の幻想小説のよう 前作よりも幅が広がってホラー度がちょっと増したかな。

  • ホラー映画に見立てた連続殺人事件の話やソウの話など、一瞬バカミスか?と思うくらい楽しいです。

  • なんかこのもやーっとした、ゆるいホラーってかんじがくせになる…
    「心の闇」手術で取り出せるものならいいよねえ…食べたら美味しいのか…

  • 深泥丘シリーズの続編。
    綾辻版クトゥルフと言う感じでホラー好きには楽しい短編集。
    軽く読めるけどグロ描写はさすが。

  • 鈴:ホラーとしてはあっさりした印象の話。
    コネコメガニ:コネコメガニという単語が読みにくくて秀逸。巨大な蟹のイメージはバカバカしくも不気味でおもしろい。
    狂い桜:オチがきっちりついている。その場にいない人を死んでいることにするという不気味さが良い。
    心の闇:これもきれいなオチ。
    ホはホラー映画のホ:主人公が別人というのは同じシリーズにするには無理がある気がするが…ほんと何でもありだな。ミステリ的なオチがついていて納得。でも死んだふりをする必然性がちょっと弱いかな?
    深泥丘三地蔵:ちゃんとしたオチがなく曖昧な印象。二つ目、三つ目は良いが一つ目は怖いな。夢の中の風景の意味付けが不明なところが多いが、不気味で殺伐とした雰囲気は良く出ている。
    ソウ:これはさすがに遊びすぎでは…!?でも象というホラー感のあまりない動物を出してきたのは新鮮でちょっとおもしろい。
    切断:ミステリ的なオチ。殺された生き物の姿の不気味さがいい。
    夜蠢く:あっさりした話。
    ラジオ塔:終盤の幻想的な展開が好き。唐突感はあるのだが、異形の馬が駆けていく情景が魅力的。
    露悪的な不気味さだけでなく、象とか馬とかの出てくるシーンは物寂しいけど幻想的な雰囲気があって、よかった。

  • 怪奇幻想譚。怪奇の色よりも幻想の色合いが濃い。
    幻想譚はそれでなくても曖昧模糊とした話が多い上に夢の話が描かれるのには興をそがれた。何でもありだとねぇ。
    もう少し土地にまつわる様な話、因習、因縁譚を読みたい。

    深泥丘三地蔵が好み。

  • 「もう一つの、ありうべからざる京都」の連作。
    なんでもありな、ごちゃまぜのおもちゃ箱みたいでおもしろかった。
    ホラー好きの綾辻行人全開で、楽しんで描いたような。

  • かの有名な映画作品の名前だったりそれを思わせる展開があったりと、とても面白かったです。

    前回の深泥丘奇談を読んでなくても「続」を読んでも大丈夫なのでは? と思うんですけど、やはり1作目から読んで欲しいです。

    綾辻行人先生曰く、いきなり「続」や「続々」を読んでも平気とのこと。
    しかし、どうせなら最初から読んで頂きたいですね。

    読みやすいですし、1つ1つの短編が面白く不思議ですね。

  • 2巻も不可思議な深泥丘。ここで無事に生き延びられる気がしません。
    相変わらず、作家の「私」はひたすら具合が悪いし、石倉(一)(二)(三)な医師たちも肝心な事はなんにも教えてくれない。面白かったです。
    夢十夜も綾辻さんにかかれば名作ホラー映画の世界に。
    「心の闇」「切断」が特に好きでした。体全体に散らばってる心の闇が肝臓に溜まるのは妙に納得できます。
    切断も、お〜50回切断したら51個のパーツになりますね“普通”は……とこちらも納得です。問題は元の形、か。あれに遭遇して動転しても殺すかなぁ…と思いましたがそれ程冒涜的ななにかなのかもしれないです。
    地蔵盆もどうして。。

    綾辻さんの深泥丘と、北野勇作さんの人面町は、どちらも生き延びられる気がしません。となり町なのかな。
    両方とも、主人公の作家さんはなんにも覚えてないし、奥さんは「なんで知らないの?」という態度です。
    ミステリとSFという畑違いだけれど、ホラーはこうなるのか…となってどちらも好きです。

  • すっかり深泥丘世界に溶け込んでしまったようで終始楽しく読めた。
    中でも、コネコメガニと心の闇、切断が非常に良かった。続々も早く読みたい。

  • 深泥丘奇談の正統な続編と言った感じで、前作から話もつながっているし、本作の持つ不可思議な雰囲気もそのまま。
    前作同様、何とも言えない怪しい雰囲気が良かった。

  • モヤモヤとか、不安とか、イライラを楽しむ本だというのは分かっているのだけれど。

  • 再読。深泥丘シリーズ第二弾。連作短編集。今作でも曖昧な不安や幻想的な雰囲気を漂わせつつも「私」は緩やかな日常を送っていく。不思議なことが起こったりもするし、よくわからない食べ物もあったりするが、それでも日常は揺るがない。―――ような気がする。

  • 前作の深泥丘奇談の話と緩やかにつながつまている。
    やはり夢十夜のような不思議な世界観。でも、作者が後書きで書いてある通り、難しく考えて読まなくていい。
    作中の「私」のように、そんな気がする。でその世界を楽しむ。
    〜な私なのだった。の表現がなんとも面白みのある空気に変えてくれる。
    友達が話すヘンテコな夢の話を思いながら私は読んでいた。
    自分だけが知らないモヤモヤ、いまいち通じない怪異、でも誰も不思議に思っていない。そんな怪異と現実感の境目がぼやけている感じが感覚として現実にありそうな気持ちにさせてくる。

    ソウのオチは面白かった

  • 「京都市某区深泥丘界隈逍遥」と併せて読むために、何度目かの再読。何度読んでも絶品。
    今回もやっぱりダメだ、「夜蠢く」。ほんっとうにこれだけは嫌! しかしアレがとんでもなく嫌いなだけであって、作品自体が嫌いなわけではないのですよ。「怖い」という意味ではこれが一番だし、リアリティという面では絶品なのかもしれません。
    そして何度読んでも「ホはホラー映画のホ」と「ソウ」が楽しいんだよねえ。
    そして今回、「京都市某区深泥丘界隈逍遥」を読んだら、「ラジオ塔」がどういうものなのかリアルに分かったので。よりいっそう雰囲気に浸りこめました。

  • ますます嫌いではない。
    とてもよい暇つぶしに

  • 1つの完結した世界の中を自由に探索しているような気分に浸れて、気づけば1冊読み終えてしまいます。
    何回読んでも新鮮に感じ飽きません。

  • 安定のほのぼのホラー。ソウには笑っちゃった。

  • がん汁はモクズガニだと思います!(笑。
    あとがきではモズクガニになってましたが。
    ホラー映画テーマ2作、私は好きです。
    ソウは2くらいまでしか見てませんけどね~。
    猫もそうだけど、犬もあらぬ方向を見つめたり吠えたりしますよ。ふふ。

  • ホラー嫌いでも読めるホラーから最も遠いホラー。心理的にじわじわとくる。語り口が穏やかなのもすごく好き。

  • 一作目の方が訳わかんないなりにドグラ・マグラ風味とはいえ、それなりに独特の世界が確立してた気がする。ちょっと無理が過ぎる感じになった。基本的にオチがなさすぎできつい話が多いんだけど、狂い桜は逆にきっちりオチつけすぎで(しかもお約束な方向性で)前半の感じが良かっただけにもったいなかった。

  • 読了。

  •  <夢>シリーズが入ってきてから、なんでもあり感が増してちょっと興ざめ。著者も解説者もそこが気に入っているようだけれど…。<夢>なしで読みたいなぁ。

  • 2015年1月9日読了。作者自身の投影と思しき小説家の主人公が、「深泥丘」で発生する奇怪なあるいは些細な事件に次々に遭遇する。綾辻行人の幻想ホラーミステリ連作短編集、借りてから「続」であることに気付いた。…最初は「なんじゃこれ!なんでもありじゃん!」と腹立ちを覚えるが、読み進むうちにこのムードとある意味理不尽・バカミス的なトリックにも慣れ、面白くなってくる。なるほどこれは舞台設定の勝利だな。「切断」のムードとこの設定ならではの真相や、カニの話の気持ち悪さが好み。前作を読んでからのほうが入りやすかったかもしれない、こちらも読んでみたい。

  • 狂い桜が良かった。
    ホラー映画好きなので楽しめました。

  • 『鈴』
    散歩中に見つけた廃神社。誰もいないはずなのに聞こえてくる鈴の音。

    『コネコメガニ』
    お向かいに住む森月夫妻とカニを食べに来た作家。カニを食べることに抵抗がある作家。小さい頃のトラウマか。甲殻類の呪い。石倉医師、咲谷看護師とコネコメガニを獲るカンタ。

    『狂い桜』
    早く咲く桜。同窓会に参加した作家。誰かが席を離れるたびにその人が死んだことになる会話。友人の朱雀との会話。厄除けと言う石倉医師の話。

    『心の闇』
    定期検診のエコー検査で見つかった肝臓の黒い影。石倉医師によると心の闇との事。手術で心の闇を取りだし心の闇を確認するが。

    『ホはホラー映画のホ』
    ホラー映画の見立て殺人。第5の殺人は「13日の金曜日」。それまでは被害者の殺された現場の見立てだったが今回はホッケーマスクをした死体が。

    『深泥丘三地蔵』
    地蔵盆を見学中に赤い地蔵をみて倒れた作家。石倉医師から三地蔵の話を聞く。消えてしまった「一つ目」の地蔵。その地蔵の目が開くのを目撃しおかしくなった男の話。男の書く地図。

    『ソウ』
    マンションから転落死した女性のダイイングメッセージ「ソウ」。映画『ソウ』の犯人ジグソウのコピーキャットか?夜中に騒ぐ少年たちを殺害した犯人。押し潰されたような遺体。残された足跡。

    『切断』
    洞窟の中で蠢く謎の生き物の夢を見た翌日、深泥丘病院で聞かされたバラバラ殺人事件。50個のパーツに切断された被害者。犯人は50回切断したと供述。51個目のパーツの行方。被害者は人間ではなく「******」ではないかとの刑事の話。

    『夜蠢く』
    飼い猫が見つめるさきにムカデを見つけた作家。妻には見えないムカデ。噛まれながらもムカデを退治するが消えてしまったムカデ。深泥丘病院で治療中に聞かされたネコメムカデの話。宝月夫妻と食事に向かう途中満月に見たもの。

    『ラジオ搭』
    古いラジオ搭で遊ぶ子供たち。子供たちには何かが聞こえるらしく笑っている。なにも聞こえない作家は看護師・咲谷とラジオ搭へ。またも気を失い病室で石倉医師の話を聞く事に。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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