吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (角川文庫 や 54-2)
- KADOKAWA (2014年8月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041026069
作品紹介・あらすじ
みんなの頼れる図書委員長・ワンちゃん。彼の憧れは、いつものほほんと穏やかに見守ってくれる司書の牧田先生。高2の冬、進路のことで家族ともめたワンちゃんは、安らぎを求め司書室へ。だけどそこで出会った牧田先生の、普段とは異なる意外な素顔に動揺して…。憧れから初恋へと変わっていく、高校生の甘酸っぱい葛藤を描いたシリーズ第2弾。委員仲間のかずらへの恋心と将来の進路に悩む藤枝のパート「希望の星」を併録。
感想・レビュー・書評
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中高生のころって、人間関係、人に好意を抱く気持ち、将来のこと、成績のこと、いろいろなことに悩んだりするよねえ、と思いつつ、自分はその時代どうだったかなあと、過去の記憶を思い出すきっかけになりました。
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何やのこの本は!! あまずっぱすぎるわ!! 著者は高校生か!? そうなのか!? 笑
ここんとこ、ハイリスクハイリターンな本ばかり読んでいたので、こういうほのぼの青春キラキラ系小説は大変大変楽しめました。
正直、この話は好みのキャラがまったく登場しないのに、なんかもう読んでしまうねん。
不器用な子たちが不器用にすごす高校生活・・・。
「あるある!!」
ちゅう具合が詰まっていて、たまらんねやろうね。
表題作じゃなくて短編で藤枝がいうていたように、「未熟なやつが未熟なりにいろいろ考える」と、いうことが許されるのは、確かに高校生なのかも。
もちろん、中学でも小学校でもそれは同じやけど、「考える」と、いう幅が最大限に広いのは高校やわ。
社会人になったら、3年も同じところにおって「未熟」やったらちょっとあかんやん。
でも、高校生は3年間ずっと「未熟」でもええねん。それでもあれこれ考えながら日々過ごすことが、高校生の仕事やから・・・。
そうか・・・。そうかー。
友だちとわいわい騒いだり、人や物に憧れたり嫉妬したりして、自分で持て余すぐらいの情熱と向き合う期間なのね。
私自身、高校時代をそうやってすごしてきているので、後悔することなんてひとつもない。
彼らにおける「図書委員会」のような仲間にも恵まれたし、ほんとうに楽しかった。
うらやましいなって思う友だちの視点から見たら、やっぱり向こうもうらやましいって思ってるんやねえ。
お互いに尊重しあってるから、こんな素敵な関係が築けるんやろうな。
次は大地の話かな?
かずらといいワンちゃんといい、大地といい、みんな優等生なので、これ以上この面子の話は広げられるんかしら。
そろそろ後輩の話も読みたいかも。
「自分がどうしたいか」よりも、「がっかりさせたくない選択肢を選びたい」と、思うワンちゃんの気持ちは、痛いほどわかるよ~!!
ほんで、結局自分がどうしたいかを見失って、「自分って中身空っぽなんかな」と、まで悩みそうになるのも、わかる、わかる!!
ただ、私の場合は、高校生のころは自分でバンバン選択できた。
第三者の意見よりも自分の意見を優先していたし、そんな自分が嫌いじゃなかったのに、どうしてか大人になってから、そういう瞬発力がまったくなくなってるのよね~。なんでやろうねこれ。
やっぱり、若いころにこうやって失敗(?)しとかないとあかんのかな。
大人になってからの失敗は、ほんま、あとを引きすぎるわ。やるべきことはやるべきときにやっとかないと、こじらしたらややこしいだけやな!
彼らにとっては、穴を掘って二、三日埋まっていたいぐらいの出来事でも、こうやってみたら「全然たいしたことない」ねんな。
それはたぶん、今の私も同じやろうし(笑)、「なんでも受け止めてくれるいい人」が、たまに自分の意見をドーンと出したり、グルグル悩みすぎてどうしようもなくなっても、
「あ、受け止めてくれないんやったら、距離を置こう」
なんて去って行ったりなんか、せえへんねやろうね。ちゅうか、去るような人とは今とりつくろっても、結局いつか別れるときがくるんかも。
私も、期待されてる自分とは違う自分になってみようかな。
いやいや、期待されてるんかな。そもそもそこか。(;^ω^)
今回のワンちゃんといい、藤枝といい、恋愛感情を認識はするけれど特に発展はしないっていうのも、
「あー、高校生!!」
っていう感じやんね。
好きとか嫌いとか、付き合うとかどうとかよりも、思わず目で追ってしまう相手が話す言葉とか、しぐさとか、持ち物を思うだけで、数日は悩める。
そういう日々も、ほんま、大事よね~。
この本は現役の中高生が読んでも、そこまでグッとこないのかもな。
あと、川本さんが読む本が気になる。今回は「トムは真夜中の庭で」らしい。聞いたことがあるなー・・・。
前回は吉本ばななを読んでみたくなったけど、今回はこのタイトルかな。
「獣の奏者」も、「そうか、読んだのか・・・」と、ちょっと思ってしまった。笑
ああ・・・、本について話せる友だちがいるなんて、うらやましい・・・。
それにしても、ワンちゃんの、牧田先生への恋心はすごいな。純粋すぎるわ。ちゅうか、乙女フィルターかかりすぎやろ(笑)。
牧田先生は結構シビアっぽいよー(と、思うのは私がオバチャンやからか。笑)。
まあまあ、フィルターがかかる恋心も、高校生ならではってことでね!
(この時期にフィルターをかけておかねば、二十代になってからフィルターをかけるとほんま大変なことになる)
(2017.05.12) -
ワンちゃんがしっかりした長男くんで泣ける!(いや、なくお話しではないが…)
こんな息子がいたら頼もしいね♪
ってことで、読み手がおばさんだから星5つ(笑) -
そういうことを勉強する猶予を僕に下さい。
その後、絶対に田んぼを継げるんかって言われたら
もしかしたら『絶対継がん!』ってなって帰ってくる
かも知れんのやけど
その時はじいちゃんとちゃんとやりあうけん。
今の僕ではじいちゃんとやりあう資格もないと思うん
よ。
「岸本 一」 -
シリーズ第二作。図書委員長ワンちゃんの恋と藤枝の恋の続編。はっきり決着をつけない、あるいは決着をつけられない恋心。青春ですね。
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ワンちゃんにとっては初恋だったんだぁ。なんでもそつなくこなせて、妹の変化にも気がついて。完璧そうに見える委員長、お兄ちゃんであってもかわいらしい一面があった。みんなもそんなワンちゃんを見て、びっくりしたとは思うけど、安心した部分もあったと思う。
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ワンちゃんが「好き」という自分の気持ちに戸惑うところに、純粋さと青春らしさを感じた。3巻も期待してしまう。
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少しずつ大人になろうといる姿(本人達はそんなことは思ってないだろうけど)に甘酸っぱさを感じた。思い描いていたイメージと違う姿を見てショックを受けてしまう感じ、とても共感した。勝手にイメージしたことが違って裏切られた!って、自己中が過ぎるよね。一歩も自分の世界から出ていない。自分のことのように恥ずかしくなってしまった。ワンちゃんはそこから相手を知ろうとしてて偉い。
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進路のこと、恋のこと…高校生の悩みは尽きない。
本巻では、「委員長の初恋」、「希望の星」を収録。
「委員長の初恋」はワンちゃんの話、「希望の星」は藤枝くんの話。
前作で、司書の牧田先生の話をもっと読みたい!と思っていたので、今回は登場回数が多くて嬉しかった。
ワンちゃんが進路や恋に悩んでいるのと同時進行で、藤枝くんも色々と考え、何をすべきかを探している。
大人が立てた道筋に従うことから、自分の頭で考えて歩きはじめることを求められる。
そのギャップに戸惑いながらも、しっかりと現実と向き合う二人を、応援したくなる。