野性の証明 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 113
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027141

作品紹介・あらすじ

山村で起こった大量殺人事件の三日後、集落唯一の生存者の少女が発見された。少女は両親を目前で殺されたショックで“青い服を着た男の人”以外の記憶を失っていたが、事件はやがて意外な様相を見せ!?

感想・レビュー・書評

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  • 2019年2月2日、読み始め。
    2019年2月5日、読了。

    以前に読んだ作品のようだ。


    以下は、ネタバレです。





    読み進めるうちに、犯人を思い出してきた。
    途中までは、すべての村民を虐殺したのは味沢としか思えないのだが、最後には孫市が真の犯人だとわかる。
    そして、味沢は犯人の孫市だけを仕方なく殺害したということもわかる。

  •  1977(昭和52)年刊。
     私たちの世代は、あの「お父さん、怖いよ。何か来るよ。大勢でお父さんを殺しに来るよ」という台詞のTVCMが脳裏に焼き付けられていて懐かしい。角川映画の方は1978年公開、佐藤純彌監督、高倉健、薬師丸ひろ子主演。
     映画の方は遙か昔にテレビで2回くらい見たような気がするが、ストーリーはほぼ覚えておらず、何カ所かのシーンが漠然と記憶にある。
     ウィキペディアの記事によると、本作は映画化を前提に作家に依頼したものらしい。森村誠一さんと言えば昭和のベストセラー作家であり、高校生の頃やたらと書店を漁りまくっていた私は、みんなに受けている人気作にはあまり手を出さない天の邪鬼だったので、ついにこの作家を読むことがなかった。しかし、最近は松本清張、横溝正史、江戸川乱歩など、日本のやや古い時代の推理小説をも読むようにしているので、やはり昭和に売れた小説なら読んでおこう、と思った。
     読んでみると、意外と面白いのである。どんどんサスペンスフルになり、はまっていく感じがして、一気に読んだ。楽しめたので満足している。
     ただし、難を言うなら結末部分はもうちょっとラスボスとの壮絶バトルなどやってほしかったなあ、と後から思う。
     さて、懐かしい1978年の角川映画を、読了後にアマゾンプライムで見てみた。のっけから自衛隊の特殊部隊のシーンが展開され、原作とは全然違う。さらに見ていると、なんと話の前半の方でこのミステリの結末、真相解明はあっさりと終わってしまうので腰が抜けた。そして映画の後半は、原作とはまるで違う、自衛隊バトルな話になる。うーん、せっかく作家に原作をお願いしておきながら、ここまでストーリーをごっそり作りかえてしまうとは。
     主人公(味沢/高倉健さん)は前歴が自衛隊の特殊部隊で、鍛え抜かれた殺人のプロという設定である。まるで映画「ランボー」みたいだが、「ランボー」の方が1982年と後なので、真似ではない。
     少女頼子を演じた薬師丸ひろ子さんは、このとき14歳。うーん、若い・・・というか、子どもだ。
     映画の最後の方で流れる主題歌、町田義人さんの「戦士の休息」を聴いた時、「あ、これかー」とひときわ懐かしかった。
     ともあれ、映画と小説では話が全く違うので、両方楽しめるものである。ただし、映画の方を先に見ると、小説の種明かし部分が途中であっさり出てきてしまうので、小説を先に読んだ方が良い。

  • こんな内容だったっけか。
    映像用の書き下ろしのようだが、登場人物の危機意識が薄すぎじゃあるまいか。
    でも、それなりに満足できるのが著者の筆力だろう。

  • 贖罪しようと奔走した結果がこれかあ。救いがないなぁ

  • 3.5というところ。最後の最後まで一切結末が予想できなかった。そんな一番はじめのはじめの白菜が元だなんて…!
    頼子はさすがにお義父ちゃんのこと思い出したってくれや。。。救世主やぞ、可哀想過ぎるやろ。。。

  • 展開がゾクゾする。
    最後は少し切なかった。
    確かにそうなんだけど、でもそれはないよ……。
    割り切れる解決で仕方ないけれど、などと考えてしまうのは、それだけ主人公に肩入れしてたのだろう。

  • なんで悲しいんだろう。
    呆然。

  • 無理矢理な複雑すぎる設定に、無駄に思わせぶりな書き方に、ちぐはぐなキャラ設定に、ご都合主義な証拠物件に、唖然とするしかない結末に、すべてにがっかりした。
    森村誠一ともあろう人がこれ?こんなことってあるのかな。わざと面白くないように書いたとしか思えなかった。
    映画「野生の証明」は見てみたい。
    きっとこの原作とは違っているはずだと思う。

  • 昭和、カドカワハルキが映画で話題を盛り上げた頃の作品。映画は主人公・高倉健が自衛隊とー戦を交えるところが売りだったと記憶している。原作にはそのような派手なシ―ンはない。
    原作は主人公の人間性を真面目に描写しようとしたように思う。
    ただしもう一歩描ききれていない部分が、腑に落ちずに終わってしまった。特に過去の事件の原因の種明かしが。
    また、気になったのが、この頃よく用いられたノンフィクション風の語りロ。すべての人物の気持ちと行動を明確に、かつ簡単に説明しすぎる。もし現代の読者に受け入れやすい形でリライトとすると、どうなるんだろう、、、なんてことを考えた。
    まあ、そんな必要は全然ないんですけどね。こういう話を書きたくなったらどうするかな と思っただけです。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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