蒼天見ゆ

著者 :
制作 : - 
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029589

作品紹介・あらすじ

元秋月藩士の父、そして母までも惨殺された臼井六郎は、固く仇討ちを誓う。しかし武士の世では美風とされた仇討ちが、明治に入ると禁じられてしまう。おのれは何をなすべきなのか。六郎が下した決断とは?

感想・レビュー・書評

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  • 最後の仇討ち 

  • 仇討ちから少しずつ面白くなる。幕末明治の有名人どころをちょこちょこ出してきて、という風味はわざとらしいところもあったが。

  • 2018.2.9

  • 幕末から明治への移り変わりは、とても大変な時代だったのだと、歴史音痴の私でも感じることができます。
    歴史背景が難しく、挫折しそうになりましたが、後半興味深く読めました。
    自分の生きる道を探しながら成長していく六郎の姿が清々しく思えました。
    最後がちょっとバタバタした感じで終わってしまったのが残念です。

  • 理不尽にも両親を斬殺された臼井六郎が、明治政府の高官として出世している判事を、見事に仇討ちするまでの物語
    山岡鉄太郎の支援を受けて、鍛練する様は見事

  • 7月-3。3.5点。
    幕末、九州の藩である武士が寝込みを襲われ、殺害される。
    息子である臼井六郎が、仇討ちを決めるが、明治になり
    仇討ち禁止令が。
    仇討ち相手を見つけ、東京に出る六郎。
    面白い。歴史に即しながら、時代の変わり目と武士の本懐のせめぎ合い。
    題名も、その意味も非常に良い。

  • 実話、なのかな。幕末から明治にかけてのお話。
    父の仇討ちを果たそうとする若者。しかし、時代が変わり、仇討ちは禁止される。

  • 明治初期において、日本史上“最後の仇討ち”をした人物として知られる「臼井六郎」の物語。

    作品の中で彼はそれほど魅力的な人物として描かれている訳ではないし、史実としても当時世間で騒がれたほどには、面白みのある人物ではなかったようだ。

    しかしながら物語にはグイグイ引き込まれてしまい、睡眠時間を削って一気読みをしてしまった。

    それは幕末から明治維新にかけての、矛盾をも含んだ熱量を、独特の静かな筆致で描いていく、葉室麟の力量のなせる技故だろう。

    歴史小説、時代小説問わず、やはり氏の小説は安心して読める。

  • 「最後の仇討ち」をモチーフにしている。半分実話、半分フィクション。
    仇討ちまでがメインで、仇討ちを行うことやその後はあっさりしたものだった。本懐を遂げたかもしれないが、本当にそうなのか、蒼天を見ることはできたのか。主人公自身も悩んでいるし、読者にも疑問を投げかけているように感じた。
    省みるでもなく誇るでもなく、淡々と生きているだけにも見えた。

  • 最後の仇討をした臼井六郎を描いた小説。仇討が是か非かということは、“死刑”について考えることと通じるものがあります。仇討を果たした六郎が感じた虚しさと、父の言葉「蒼天を見よ」が相反するもののように思われ、読後物哀しい気持ちになりました。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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