フルコースな女たち (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.10
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本棚登録 : 143
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029794

作品紹介・あらすじ

微かに苦いその飲み物を口にした瞬間、わたしの脳裏に走馬燈のようにこれまでの人生が蘇った。ささやかな幸せを母親に邪魔され続けた、私の人生を――。コース仕立ての極上短篇小説を召し上がれ。

感想・レビュー・書評

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  • 最初の万引きの話が生々しくて、怖かった。
    「安い商品をどうして万引きするのかな?」と思ったことあるけど、こういう理由でする人もいるのかな、、、

    犯罪をしてまで、自分を見ていてくれる人がほしいなんて、なんだか悲しい。

    あとは男狩り。
    女3人のきれいな三角関係が実は脆く今にも崩れ落ちそうなところがなんとも言えない。

    秘密を共有し、復讐を遂げた特別な関係ながらも、完全に信用しきれず、いざとなったら簡単に殺してしまいそうなドライさが女のしたたかさでもあり、怖さでもある。

    ゾッとした。

  • 「マタニティ・メニュー」以外の7編は文庫書き下ろし作品です。

    今回の短編集はタイトルにもなっている「フルコース」がテーマです。

    料理の食前酒から始まり最後のデザート・特別料理に至るまでそれらに関連づいた短編が描かれています。

    予想しなかったラストに驚いた「転落」 最後に救いがある「水難の相」 ぞっとさせられる「散骨」など 8編共に様々な味付けが施されたスパイスの効いた味わい深い作品でドキドキしながらも面白く読めて満腹になりました。

    御馳走様でした。

  • 食前酒から始まり、前菜、メイン、デザートなどそれぞれのテーマの短編が読めて、全部合わせてフルコースになる構成が面白かったです

    私は特に前菜とお口直しがおいしかったです

  • 短編集。サクサク読めておもしろい。

  • 男女関係をフルコースに例えて展開する短編小説。とはいってもその意味は見いだせず。新津さんらしいエスプリが効いた短編が並ぶ。さらさらと読めるので待ち時間が発生する時間に最適な本。私はそういう時によく新津さんの本を選ぶ。

  • レビューに“ホラー”と書かれていたので覚悟して読んだが、想像していたよりはホラーではなかった。本のタイトルが過激な感じなので、もっとおどろおどろしいのかと思っていたのだが、そういうのがめっきり苦手な私でも、すんなり読めた方だと思う。
    「ゼンサイのような女ーー前菜」の読了感、余韻が好きだった。全体的にホラーっちゃホラーなんだが、食べ物の描写が上手く、「散骨ーースープ」では温かいスープが飲みたくなったし、「スイーツ・バイキングーーデザート」と「マタニティ・メニューーー特別料理」では超絶スイーツ(特に焼き菓子系)が食べたくなった。「あとがきーープチフール」ですら、美味しそうでお腹鳴りそう(笑)。
    匂い、香ばしさ、風味、食感……。内容はわりと気分が悪くなるものもあるのだが、それらの食べ物・飲み物・お菓子の描写に惹きつけられる部分が大きく、思わずホラーであることを忘れてしまいそうになる短編集だった。

  • 読んだことある気がするなー…と思いながら面白かったので最後まで読んだ。女は怖いわ、と思わされる話満載。

  • ホラーです!!

  • 前回新津さんの本を読み、ドロドロしているようで、さっぱりと味わうことができたので、第二弾として購入。
    短編で読みやすい。
    さっぱりしているが、女の本質というか性質がよく描かれている。

  • フレンチのフルコースを題材に、前菜からメインディッシュを経てデザートまで。様々な趣向の作品が味わえるホラーとミステリ集。

    楽しく読んだ。
    タイトルに偽りありで、男が主人公の物語も含まれているのだが、面白かったので許せてしまう。手を替え品を替え、とにかく飽きさせない。作家の守備範囲の広さと底力を感じさせる。

    水難の相が出ているという女性のミステリや、引きこもりの男が、食べたいデザートについて、あれこれ考える作品が印象的だ。

    新津きよみは、アンソロジーでは良くお目にかかる作家だが、始めてちゃんと読んだ。
    もっと読みたい作家だ。

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著者プロフィール

新津きよみ長野県生まれ。一九八八年『両面テープのお嬢さん』でデビュー。二〇一八年『二年半待て』で徳間文庫大賞を受賞。『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。主な著書に『夫以外』『ただいまつもとの事件簿』『セカンドライフ』『妻の罪状』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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