見えざる網 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 86
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034590

作品紹介・あらすじ

「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで異論を呈した今光。お盆休みで混雑した駅のホームから、何者かに押されて落ちかけた。その後も次々に迫る危険、事件の意外な黒幕とは――!?

感想・レビュー・書評

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  • 設定に無理がある。ネットで出来ることとできないことがあるのだけど、どうみても出来ないことをやっているので、ザラツキを感じてしまう。
    早々に黒幕が分る(それでも2択になっている)が、どんな手口を使っているのは興味あったのだけど、種明かしがあれでは、あかんだろと思う。が、書かれた当時(2010年ごろ)は斬新だったのかもしれない。
    黒幕の動機も「善悪は表裏一体」とか東洋哲学の入門書に影響された高校生みたいで、とてもアメリカの名門大学を卒業し、一流企業のTOPになった人間と思えないのが難点。
    ただ、読みやすいといえば、読みやすかった。

  • 「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで否定的に答えた、平凡なサラリーマンの今光。その姿が朝のニュースで放送されてから、彼の身に偶然とは言いがたい危険が次々に襲いかかる。混み合う駅のホームで押され落ちかけたり、頭上に鉢植えが落とされたり。今光は、中学時代の同級生の女性刑事と真相を追うが、背後には得体の知れない巨大な黒幕が迫ってきて―。第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

  • 第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

    街頭インタビューでSNSに対して否定的な意見を述べた平凡なサラリーマンの今光は、それが放送されてから身の危険を感じるような事象に度々襲われる。誰が、なんの目的で自分を襲うのか?中学時代の同級生で杉並署刑事の千春と真相を追い始めた今光だが、調査を進めるにつれて事故と処理された被害者が何人もいることに気がつく。
    背後にあるのは情報通信システムを利用した巨大な悪意だった。


    伊兼さんの作品は読み出したら止まらない。この作品も冒頭からの背中を押されるような不安感と、真相に近づくにつれてエスカレートする恐怖感から緊張のまま読み進めノンストップで読了。

    普通のサラリーマンが主人公だけど、相変わらずハードボイルドの匂いがするのもいい。
    ミステリとしては、ネット社会とはいえ本当にここまでできるの?という疑問があるのと、犯人がここまでのことをした動機に今ひとつ納得がいかなかったのが残念。

    だけど、誤情報を仕込んで勝手に拡散させたり作為的に流行りを作り出すことの容易さ、それが悪用されることの危険性は常に存在するし、誰かの悪意によって誰かの善意が暴走してしまうことの怖さは、常日頃から感じている。
    そのような危険性を描き、警鐘を鳴らす社会派ミステリとしての面白さを十分堪能しました。

  • 最後まで面白く読めました。正直、SNSとかよくわからないけど関係なく面白かった。今光は何故狙われているのか?青春時代の思い出や今光の実家がお寺であるという事も加わり物語の層が厚くなっている。

  • SNSという現代社会の流行をテーマにしながらも、今ひとつ煮え切らないままに結末を迎えたミステリー。これで第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作とは、驚くばかり。

    街頭インタビューでSNSに否定的な意見を述べたサラリーマンの今光は何者かに命を狙われる。

    ハードボイルドのような匂いをさせながら、ホラーのような雰囲気も少し漂わせ、はたまた社会派ミステリーのような描写もあるのだが、結局は立ち位置が曖昧な作品だった。せっかく登場させた今光の同級生の女性刑事の千春の活躍も無く、何故か平凡なサラリーマンの今光が少林寺拳法の達人だったりと、付け足し、継接ぎで、話を膨らませつつも、消化不良のままに終わる。

  • 主人公がフツーのサラリーマンと思いきや、
    だんだんアクションスター顔負けの八面六臂の活躍! …なんだそりゃ笑 くさい台詞も吐きまくりだし。ラスボスとの会話も長い長い…なので
    読み飛ばし! そして、倒したはずの巨漢が復活! 最期に海がみたいというラスボス…。えーと、RPGのクライマックスくらいベタベタで、泣けてきた。前半のテンションで進んだら、面白買ったのにね。ガックシ(T_T)

  • あまり大きな期待はせずに読み始めましたが、なかなかどうして面白かったです。中盤までは起きている事態がもやもやとしていて、流れに乗りきれませんでしたが、中盤以降道が拓けていくに従って、加速度的に面白くなりました。
    ここまで極端な事態はなかなか起こらないと思いますが、ネット社会に潜むリスクを見せつけられました。

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著者プロフィール

1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2015年に『事故調』、2021年に「警視庁監察ファイル」シリーズの『密告はうたう』がドラマ化され話題に。本作は地方検察庁を舞台としたミステリ『地検のS』『地検のS Sが泣いた日』と続く「地検のS」シリーズの最終巻にあたる。他の著作に、『巨悪』『金庫番の娘』『事件持ち』『ぼくらはアン』『祈りも涙も忘れていた』などがある。

「2022年 『地検のS Sの幕引き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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