鹿の王 2 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055083

感想・レビュー・書評

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  • 医療×ファンタジーだけど、なんかもうファンタジーって思えないほどの世界観に言葉が出ない。病だけではなく、死に対する考えも人によって違う。部族によって違う。当たり前かもしれないけど、すごくリアルに感じて改めて自分の死生観も考えさせられる。

  • 物語が、深い
    病に対する反応が生まれた土地や育った環境、性格によって全く異なるように
    生を捨ててまで貫きたかったそれぞれの想いが見え隠れして、ついそこに思いを馳せてしまう

    登場人物の想い、思惑がとても繊細に描写されていて
    まるで自分もその中の1人かのようにリアルな空気を感じる

  • 東乎瑠帝国の式典で黒い犬が襲ってくるところから、黒狼熱を追ってマコウカンの里に向かうところまで。

    人物が多くて名前もややこしくて関係性が分からなくなってきている。ただ続きは気になる。
    なぜ黒狼熱を発症する人としない人がいるのか、流行病なのか政治的な策略なのか。真相が少しずつ見えてきたところ。

  • 伝説の疫病「黒狼熱」復活の謎をめぐるホッサル、ヴァンという2人の主人公の動きの中で、徐々に複雑な背景が形をなしていく。
    強大な征服者、征服者に恭順した旧王権、更に卓越した文化を持ちながら黒狼熱により国家運営を旧王権に委ねたが強かに立ち位置を確保してきた聖領。
    そして、辺境の民、移住者など、それらに付随する様々な人々の思い。
    物語のディテールが徐々に明らかになるなかで益々面白くなってきました。

  • 次はどうなる? とページをめくる手が止まらなくなってしまいました。
    ファンタジーの中に医療小説っぽくもあり、コロナ禍の中だからこそ共感できる部分が多々ありました。
    次の第3巻をすぐに読み始めています。ワクワクしますね。

  • あらすじ
    この物語は2人の男を中心としてストーリーが展開されていく。
    一人は、飛鹿(ピユイカ)と呼ばれる鹿を操り、故郷を守るために戦った独角(どっかく)という集団の頭だった、ヴァン。しかし戦いに敗れ、地下のアカファ岩塩鉱で働かされていたのだが、ある晩、謎の獣が岩塩鉱を襲撃、獣は人々を次々と噛んでいった。その後、岩塩鉱で謎の病が流行しヴァンだけが生き残った。ヴァンは地上で侵入した家の竃の中からもう一人の生き残った幼児(女の子)を見つけ、ユナと名づけて一緒に生きることになる。
    そして、もう一人の主人公は東乎瑠(ツオル)帝国の医術師ホッサル。ホッサルは病の原因究明のため岩塩鉱に行く。そこで脱走防止の足枷がひとつ外れているのが見つかりヴァンの脱走が発覚。同時に噛まれても病にかからない人もいる事がわかった。この一件でホッサルの従者であるマコウカンは生き延びたヴァンを捜索することになる。また、この病がかつてオタワル王国を滅ぼした黒狼熱(ミッツァル)ではないかとホッサルは疑いはじめる。
    病に関する多くの謎を秘めたまま下巻へと続く。
    何者かにユナを連れ去られその跡を追うヴァン。その先には〈火馬の民〉(アフアル・オマ)の族長のオーファンが待っていた。彼もまたヴァンと同じく故郷を追われた身であり、もう一度故郷を取り戻すためにとヴァンに協力を求める。
    同じ頃、ホッサルの一行は王幡領の山地氏族に捕らえられていた。山地氏族は自分達には無害と思われていた黒狼熱が自分にだけ牙を剥くと知り、ホッサルに特効薬の製作を依頼するために連れ去ったのであった。
    探していたユナは山地氏族の元にいたため、ユナを通じてホッサルとヴァンは出会う。
    黒狼熱をめぐる陰謀、故郷を取り戻すために暴走しだした〈火馬の民〉、帝国に支配される前の国同士の関係性がヴァンやホッサルたちに絡みつく。
    感想
    長編小説、謎の獣、読んでて少し疲れたかな。

  • 黒狼熱の感染拡大やそれに対するホッサルの戦い、この大陸に生きる人々、全てが今のコロナ禍と一致する。油断していると感染が拡大する、抗病素薬を打つかどうか、この2点はまさに今の日本と同じでまるで予言のよう。薬を打つくらいだったら死を選ぶというような清心教徒の言い分は、どのように生きるかという問題に直結する。魂の救済なんて聞くと胡散臭く思えるけど、どうやって生きたいかはとても重要な問題なんだと再認識した。
    まだわからないことは沢山あるけど、黒狼熱やオツファについて近づいていくのがワクワクする!

  • 徐々にこの世界の全貌からの視点に移ってきて、それぞれの人たちのそれぞれの想いが重なったり、ぶつかったりしていることがわかってきました。
    本作品を読み進めて、この物語の世界を知れば知るほど興奮が高まってきてら続きがたのしみになります。

  • 一巻に引き続いて読む。
    今年のお盆休みのお楽しみに取っておいたのだから。

    医師ホッサルは、謎の伝染病が黒狼病であると気づく。

    致死率の高いこの病から奇跡的に回復したヴァンも、体の異変に気づき始める。
    人間としての感覚、理性が失われていくのだ。

    アカファの民にはこの死病が移らないという噂も出て、東乎瑠帝国内部の部族の間の軋みが起こってくる。

    未知の病にどう対するか。
    そこで様々な人の生き方、考え方が炙り出される。
    もはや、物語の中のこととは思えない。

  • 尻上がりに面白くなってく。
    気になるところで場面切り替わるのがまたいい。
    自然、動物の描写が素敵

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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