- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041066584
感想・レビュー・書評
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真相に迫る面白さというより、事件に隠された背景や経緯に感情移入させられるような、そんな面白さのある作品で引き込まれた!
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母から借りた本
母から回ってくる本はチョイスを疑う本もあるから初めての作家さんを読む時はドキドキするけど、柚月裕子さんは抜群の安心感があります
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元検事の弁護士、佐方の元に殺人事件の弁護依頼が舞い込む
ホテルの一室で男女の痴情のもつれから起きた刺殺事件だった
状況証拠から被告人の有罪は濃厚と思われていた
しかし、単純な痴情のもつれからくる事件ではなく、7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになっていく
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被告人をずっと「被告人」と表現していて名前を表記していなかったので、ミスリードを誘っているのだろうな…と思っていたら、やっぱり!!
柚月裕子さんだからそう簡単な展開ではないと思ってたんだよねー
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罪が正しく裁かれないことへの怒り、虚無感…
それが子供が犠牲になったなら尚のこと
正に命をかけた復讐に共感する部分も多かった
願いは果たされた…
と思っていいんだよね -
この箇所でこんなに驚いたのは、わたしだけだろうか。
221ページの3行目を読んだときの衝撃。
以前この著者の『慈雨』を読んで、とてもいい作品だと思った。骨太の警察小説でありながら、家族の絆の温かさを描いたとてもよい話だった。
『最後の証人』はそれを遥かに上回るといっても過言ではない、この世で最も難しいテーマのひとつである復讐に纏わるリーガルサスペンスだ。いつもは悪いクセで、ついついセリフを読み飛ばしてストーリーだけを追ってしまいがちなのだが、この本に出てくる登場人物のひと言ひと言の重みがそれを許さなかった。
10歳になる最愛の息子を自動車事故で亡くした高瀬光治とその妻の美津子。事故のとき一緒にいた息子の友だちは、赤信号で車が突っ込んできたこと、降りてきた男性が酒臭かったことを証言するが、加害者不起訴という結果に終わる。加害者の島津という男は建設会社の社長であり、県の公安委員長を務めている。警察が事実を隠蔽し、罪をもみ消したのだと高瀬は確信する。
正しいはずの法が憎むべき罪を裁いてくれず、悪しき罪人に罰が下らないのであれば、被害者は仕方がないと泣き寝入りをしなくてはならないのだろうか。いや、決してそんなことはない。でも、一般人であるわたしたちに一体何ができるのだろうか。
もし、わたしだったら。
もし、わたしがこの親の立場だったら。そう想像することは、胸を掻き毟りたくなるほどの苦しみだった。
息子の七回忌に、この夫婦に2度目の試練が訪れる。それは彼らに復讐を決意させるに充分なものだった。彼らが決意した復讐とは果たしてどのようなものだったのか。
昔、検事だった過去を持つ弁護士佐方と、つらい過去を背負う美しい検事庄司真生。
これほどの哀しい話、そして鮮やか過ぎる展開、救いようがないと思われるラストにあたる微かな光。
そのすべてが素晴らしい。
本当に圧倒された。
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柚月さんの法廷もの初めて読みました。ミステリー仕立てで読みごたえありました。
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面白かった。一気読み。裁判の流れ自体は単調ではあったが、クライマックスの最終弁論は迫力があり引き込まれた。正義を貫く佐方貞人にはまった。
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2018年11月10日読了。宝島社文庫から角川文庫になってまた再読。佐方シリーズをちゃんと読んでみたくて再び手に取りました。佐方さん男前やなぁ。「罪はまっとうに裁かれるべきだ」かー。しびれるー。ただの無罪判決じゃないからねぇ。被告人にとってはたまらないかもしれないけど、結果は被告人を救ったわけじゃないからね。全てお見通しだった佐方さんに拍手です。ここからがスタート。ちゃんとまっとうに裁かれて欲しいです。あとがきでも書かれてたとおり、柚月裕子さんは中年男性を書かせたら右に出るものはいないですね。それもいろんなタイプの男性を書き分けられるのがすごいと思う。
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無罪か有罪かの結論はなんとなく見えていたけど、ここからどーやってその結論にたどり着くんだろうか?とワクワクしながら読み進めた。そして全てを決定づける一文。この一文のための小説なのだと思った。
M・ナイト・シャラマン好きな人にはいいのかも。