検事の死命 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2135
感想 : 194
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066607

作品紹介・あらすじ

郵便物紛失事件の謎に迫る「心を掬う」、検事の矜持を描いた「死命を賭ける」ほか、検事・佐方貞人が活躍する、法廷ミステリー第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目、読了。
    面白すぎたー!!!

    検事、佐方貞人が主人公。
    時系列としては、1作目の弁護士時代よりも若い頃の話。

    痴漢を働いたとして会社員が現行犯逮捕。
    資産家の一族の婿。

    佐方は、社内の上司や国会議員から不起訴にするよう圧力が、かかりまくる中どうするんだ??という流れで、無罪か有罪か最後の方までわからぬまま物語が進んでいきます!

    正義感!すごいな!
    出世や保身などに興味が全くない佐方さんがカッコ良すぎて。映画化されてないのかな?

    4作目買いに行かねば!♪( ´θ`)ノ

    私も『ふくろう』でお酒飲みたい。w


    中山七里先生の御子柴シリーズ、柚月さんの佐方シリーズは、同じリーガルミステリーとして新作のたびに購入するだろうなー、それにしてもなぜ2年も積読本だったのか、、、(^◇^;)

  • 最後の証人に続き、佐方貞人【検事】の短編2話、連作2話の法廷ミステリー。

    前回は弁護士で今回は検事。なんとまぁ粋な設定だ。

    個人的に「死命を賭ける」「死命を決する」は読み応えがあった。

    罪をまっとうに裁く。
    そのためなら権力や組織図などお構いなく事実だけを追求する姿に爽快感を得た。

    っていうか読む順番間違えたな。
    これから【検事の本懐】を読むとしよう。

  • 佐方貞人シリーズ 今回も良かったです。
    というか、個人的には一番です。

    陽世の章も素晴らしく、涙腺が崩壊でしたが
    後半二章の『死命』は読み応え充分でした。

    特にクライマックスの佐方が証人を怒涛の様に
    追い詰めるシーンはスカッとしました。

  • シリーズ第3弾!
    「俺の関心はあいにく、出世や保身にないのでね。関心があるのは、罪をいかにまっとうに裁かせるか、それだけです」(文中より、佐方さん談)
    佐方さんの検事としての使命なんやろな。どこの組織にも上しか見ない人はおる。この文中では平目と表現してて笑ける。
    でも、本当に強い組織には、平目ばかりではなく、上など見てんと、自分の本当の職務に真摯に取り組む人が多いんやと思う。
    上にいって、更に大きな事ができるというのもあるし、一概に言えんけど。
    多分に、お父さんの影響もあるんやろな。真実が語れて、今までの誤解も取れてホッとしたわ。
    真実を追求する姿には憧れるけど、浄化槽に入って、ウ◯チにまみれるのは、少し引いてしまう…(−_−;)

  • 届かない手紙
    さらう

    法事
    家柄と人間性
    速記

    手放しで面白い
    前作に『検事の本懐』があります
    登場人物やこれまでの経緯が微妙につながってるので、『検事の本懐』から今作『検事の死命』と読みつなぐことをおすすめします
    恩田陸さんの解説にも「ウンウン」とうなづき、「今後とも、迷わず柚月裕子に付いていくこと」を誓った本でした

  • 佐方貞人シリーズも3冊読むと彼のキャラクターの奥行きもみえてきて、もはや彼のファンになってしまう。彼のお父さんも素敵な人だ。これ一冊だけを読んでもおもしろいとおもうが、検事の本懐を読んでから読むことをおすすめします。

  • 佐方検事、かっこいい!!

  • 佐方検事の人間味が程よく感じられ、一方で罪を厳しく裁く本領を存分に発揮しています。側で支える増田事務官もいい感じですし、筒井副部長、南場署長の男っぷりも清々しいです。

  • 佐方貞人シリーズの第三弾。
    痴漢の容疑者として逮捕された会社員の武本は県内有数の資産家一族の婿で、容疑を否認していた。担当を任された佐方に対して、上司や国会議員から不起訴にするよう圧力がかかるが、佐方は覚悟を決めて起訴に踏み切る。

    前半は佐方と事務官増田の目線で、後半は弁護人井原の視点中心に描かれていたのが面白かったです。
    後半は佐方の考えがわからないので、法廷でどんな弁論が為されるのかドキドキしながら読みました。

    決して圧力に屈しない、強い正義感を持った佐方。
    後半の法廷パートは読んでいてハラハラしながらも、映画のクライマックスのようでとても面白かったです。

  • 検事の死命 柚月裕子さん

    検事のプロ/職責  ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    検事対弁護士の闘い ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    読了/爽快感 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    「明日のきみへ」から始まった柚月さんとの出会いです。

    読みつづける理由は、やはり人間らしさの描写です。
    「  」の会話から、登場人物の感情からこちらに伝わってきます。

    だからでしょうか?
    文字の世界が3次元への世界に豹変していくような、そんな感覚になるのです。

    この「検事の死命」という作品も、いつのまにか三次元の世界へと没入していました。

    ------------
    「死命」とは、死ぬか、生きるかの急所です。
    検事の死命とは、ふたつの意味合いがあります。
    ①検事としてキャリアを積み重ねつづけることができるのか?
    ②検事としての職責を果たしつづけることができるのか?

    ------------
    主人公の検事は、高校生の猥褻事件を担当します。
    被疑者は、地元資産家/名主です。

    したがって、警察や検察の上層部から「不起訴妥当」の圧力を受けます。

    【関心があるのは、罪をいかにまっとうに裁くのか?】

    検事は、①の保身ではなく、②の職責を貫きます。

    ------------
    人生の時間において、仕事に携わる時間は少なくありません。

    主人公のように、仕事において、信念をもち、そして曲げずに取り組む姿勢は、大切な何かを想起させる機会にもなりました。

    柚月裕子さん。
    ありがとうございました。







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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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