縁切寺お助け帖 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041077931

作品紹介・あらすじ

鎌倉・東慶寺は、縁切寺法を公儀より許された「縁切り寺」だ。寺の警護を担う女剣士の茜は、尼僧の秋と桂、寺飛脚の梅次郎らとともに、離縁を望み駆け込む女子の幸せの為に奔走する。優しく爽快な時代小説!

感想・レビュー・書評

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  • 鎌倉の〈東慶寺〉は幕府公認の由緒正しきお寺であると同時に日本には二つしかない縁切寺のうちの一つ。
    警護役である女剣士の茜、時に皮肉や毒舌を混ぜながらお説教をする秋山尼(しゅうざんに)を始めとする尼僧たち、寺一番の韋駄天飛脚の梅次郎らが今日も様々な理由で駆け込んでくる女たちのために奔走する。

    あちこちに妾を作った上に本妻に出来た子供を跡継ぎにはしないと宣言した役者の夫に愛想を尽かした女、お店乗っ取りを企む親類たちに無理やり縁切寺に追いやられた女、夫の暴力に耐えかねてやってきた二人の女。

    駆け込んできた理由にはそれぞれあり、離縁すればそれで良しではない。
    その裏に何があるのか、どうすれば女たちが幸せになれるのか、それらを警護だけでなく探索も得意な茜が探り、院代の法秀尼らが解決策をともに導き出す。

    アクションあり、ドラマあり、センチメンタルありと田牧さんお得意の物語が展開する。
    第一話の役者の話では森田座や中村座という名前が出てきたので、〈役者双六〉シリーズの面々がちらっと出てくるのでは…と期待したが、時代が違うのかどうなのか出てこなかった。

    茜自身の過去も絡ませつつ、単純に女性=弱き者、虐げられる者ではなく、どうすれば男女ともに平等に尊重し合えるのか、前向きに生きていけるのかということを考える。ただ時代が時代だけにそう簡単ではなさそうだが。
    シリーズ化を考えているのか、サクッとした印象。今後更に深掘りがあるのか。

  • 夫婦の縁を切るという縁切り寺、鎌倉の東慶寺の尼さんたちが解決していく物語。長編と書いてあるが、連続短編集と言った方が良いと思います。
    登場人物がまた面白い!特に茜さんが活躍していますが、主人の尼僧も謎がありそうです。
    一応の解決をみているが、続きがありそうな感じです。
    ぜひ続きも読みたいです。

  • かわいらしい尼僧たちの奮闘記。
    縁切りを手助けする寺で起きる物騒なやりとり。
    茜と主人のきづなの力強さに励まされる。
    力をどう使うか。
    楽しめた。

  • 縁切り寺に女がたどり着いたら、離縁を手助けしてくれる。協議離婚の手伝いもしていたようで、いろいろなパターンに読めて面白かった。続編も読みたいです。

  • 続きあるかな?

    また読みたいです。

  • 2022.05.10

  • そう安堵するのは、卑怯だろうか。

  • 鎌倉 東慶寺。
    江戸時代に唯一、女人から離縁をするのに用いられた手段。
    これ、想像ではなくて、実在するお寺かつ、実在する制度なんですよね。
    以前、「駆け込み女と駆け出し男」という映画でそれを知り、このタイトルを図書館で見かけて、懐かしくて借りた本。

    とてもテンポ良く書かれているので読みやすい。
    そして、ストーリー展開も「お、そうくるか」という感じがするのが、また面白い。

  • 実在した縁切寺をモチーフにし、夫婦をとりまく人間関係が描かれる

    警護役の茜と寺飛脚の梅次郎が探偵役となり、縁切寺の駆け込んできた女たちのため、その裏にある謎を解き明かす。

    茜だけでなく、梅次郎、秋山尼、桂泉尼などキャラクタと役割が明確で読みやすく、楽々と読み終わってしまった。

  • 縁切の裏にいろいろ。尼僧たちのキャラがかわいい。田牧さん、はずさないな。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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