影の斜塔 警視庁文書捜査官 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 320
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041080481

作品紹介・あらすじ

ある殺人事件に関わる男の行方と所有する文書を入手せよ――。文書解読班の班長、鳴海理沙の元へ、機密命令が下された。手掛かりは1件の目撃情報のみ。班解散の危機と聞き、理沙は全力で事件解明に挑む!

感想・レビュー・書評

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  • 麻見和史『影の斜塔 警視庁文書捜査官』角川文庫。

    警視庁文書捜査官シリーズ。今回は文書解読班主任の鳴海理紗が岩下管理官から、とある失踪人物から文書を回収せよという謎に満ちた指令を受けるところから物語が始まる。警察という巨大組織の中で窓際扱いを受ける文書解読班の存続を賭けた捜査の行方は……

    殺人事件と暗号解読、文書解読班存続の危機、警察組織トップの思惑とが渾然一体となった物語を形成しており、いずれの結果も非常に気になり、最後まで面白く読むことが出来た。

    本体価格680円
    ★★★★★

  • 文章心理学に精通し、文字をこよなく愛する鳴海理沙警部補。シリーズ第5巻。

    財津係長が九州に出張で不在の中、上司の岩下管理官から、密命が下される。
    ある人物を探し出し、彼が所有する文書を探せ、とのあやふやな指令で、ヒントは『月、寺、百貫』の3文字のみ。

    文書解読班の存続や、捜査一課の2人の理事官の葛藤も見え隠れし、事態は混迷を深める。

    やがて明らかになる真実、いったい何が嘘で、何が真実なのか?
    二転三転する真実に翻弄される鳴海たち。

    そして、最後に、財津係長の力技が、事態を収束させる。そのための九州出張だったんですね。

    まだまだ内部のゴタゴタは、しばらく続きそうです。
    仮に、今後、富野さんが文書解読班に異動すると、より面白くなりそうですね。

  • 文書解読班主任・鳴海理沙の下へ、管理官から機密命令が下された。ある殺人事件に関して、失踪した男性を捜索し、その人物が所持する文書を入手せよというのだ。手がかりは顔写真とほぼ黒塗りの文書、不確かな目撃情報のみ。上司の財津が出張で不在のため、全ての判断は理沙の手に委ねられた。理沙は謎の文書解読に成功するも、更なる殺人事件が起きてしまう。失敗したら、文書解読班存続は危うい―。理沙は全力で事件解明に挑む!

  • 文書捜査官鳴海理沙が上司からの謎めいた命を受けて動き出す…ドラマが面白くて本も読みたいと思ったのがきっかけだが、本のほうが内容が重いというか…でも引き込まれるので読みたくなります。

  • 警視庁文書捜査官シリーズ、5作目。

    鳴海率いる文書解読班のチーム力がいい感じに上がっていて、シリーズ当初よりも格段に読みやすくなったように思う。当初の鳴海と夏目に対する苦手感が見事に消え失せ、好感を持てるようにまでなった。IT担当の谷崎も含めて、キャラにそれぞれ愛着を持てるようになると、やはり読んでいて楽しさがある。
    肝心の事件のほうは、文書解読班ならではの暗号解読から始まり、このシリーズの醍醐味的なものを味わえたのであるが、何せ警視庁内の無駄なゴタゴタ抗争が背景にあるので、変にまどろっこしいというか不快というか、、、。私の個人的な好みではあるが、あまり好きじゃない事件の流れだったかな。

  • 当初から出ていた富野が犯人でないことは展開で予想できる。背景に起きていた殺人事件とどう絡んでくるのかがポイントで読み進める。
    最後は様々な伏線が回収される技法は作者の巧さを感じるが、色々な要素を詰め過ぎた感は残る。
    何故に文書捜査班があそこまで嫌われるのかが良くわかならない、良い働きしてるとは思うのですがね

  • 7月-15。3.0点。
    文書捜査官シリーズ。犬猿の仲の岩下管理官から、特命捜査を命じられた文書班。ある男を捜す。ヒントは手帳の一部。

    相変わらず、文書から探っていく。毎回順調に行き過ぎな感じが。。。
    財津係長が重要な動きを。まあまあ。
    次作も期待。

  •  文字オタクの鳴海理沙率いる文書捜査班シリーズ。タイトルの「影の斜塔」ってどういう意味なんだろう?

    あらすじ
     文書捜査班は、小野塚理事官、岩下管理官からよく思われていないようだ。ある日、岩下から、ある人物を探し、その人物が持っている文書を取り返すように指示される。手がかりは3つのキーワードと名前だけ。とにかく情報を隠したがる岩下に不信感を抱きつつ、科捜研の谷崎も巻き込んで捜査を進めて行く。
     そのころ、殺人事件が起きていた。現場には革手袋が残されていた。そして、文書班も捜査の過程で死体を発見する。どうやら、文書班の捜査も、殺人事件も20年前の事件に関係するらしい。

     岩下捜査官の立ち位置がわからない。でも内容は安定して読める。今回は内部の闇っていうことで、全然ヒントがない中、捜査本部の知り合いを頼ったり、谷崎を連れ出したり、これまで築き上げてきた人間関係を使って捜査する。肝心の課長がいないから、チーム3人で頑張ろうっていう雰囲気も良かった。部下の夏目の「意見具申!」っていうところが好きだ。

  • 面白かった。シリーズ5作目にして財津さんの切れ者ぶりが見えてきてワクワクした。

  • 僅かな文書から手掛かりを見つけるという趣向は面白い。
    ただ、その手掛かりの推理や、それを元に操作する時の展開は都合が良すぎる面が多く、もう少しだけ深く作り込んで欲しいところです。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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