夏だけが知っている (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 66
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041081921

作品紹介・あらすじ

父親と二人暮らしの高校二年生の航一のもとに、腹違いの妹がやってきた。素直で一生懸命な彼女を見守るうち、兄の心は揺れ動きはじめる……海辺の町を舞台に描く、限りなくピュアでせつないラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に恋愛小説というものを読んだ。

    私に他人のようないい感想は書けない。

    ただ、最後に良かったと思えるだけで十分だ。

  • 葉山で小さな釣り船屋を営む父と二人で暮らす高校2年生の航一

    「お前になんと言われてもいいが、実は、私には隠し子がいたんだ」

    父にそう告げられ一緒に住むことになった一歳違いのその妹凜は、泣き虫でどんくさい〈漁村の小娘〉だった

    しかし、凜の釣りの才能が業界の人の目に止まり、名人との釣り対決、雑誌やテレビ番組での特集、CM出演と露出が増え、騒ぎが広がっていく

    醒めた目でこの状況を受けとめていた航一だが、凜の素朴でひたむきな姿に接するうちに心が揺れはじめる

    《血の繋がった妹を抱きしめキスをしている。これから、僕らはどうなるのだろう……》

    喜多嶋隆の新作は湘南の港町を舞台にしたピュアで切ないラブストーリー、2019年7月刊

    〈この作品を書くために、僕は作家になった〉となるのだろうか……。
    そのような思いを抱かざるを得ない作品が、作家人生の中で時にはあるものだ。
    そして、僕にとって、今回の小説がそんな一作であった事をいま確信している。──「あとがき」より

  • 【あらすじ】
    高校生1年生の航一は、二人暮らしの父親から腹違いの妹の存在を聞かされる。
    妹の母親が他界したため、その妹を養女にしたいという父親の話をさして抵抗もなっく受け入れる航一だったが、妹の凜との出会いが少しずつ航一を変えていく。
    【感想】
    久々の角川文庫からの新刊は恋愛長編です。
    今までの喜多嶋さんの扱うテーマや文体とは違っていて、青春小説という感じ。
    一時期、コバルト文庫でも恋愛小説や青春小説を書かれていて、あの頃はリズムと軽快さが目立ちましたが、あの頃とは明らかに違っています。
    リズムだけでなく行間にも思いを。いつかのあとがきでそんなことを書かれていましたが、それが顕著に表れてきている作品になっています。
    こういうのも悪くない。けど、いつもの爽快さも好きなので、両方が交互だと嬉しいですね。

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著者プロフィール

5月10日東京生まれ。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に。スピード感溢れる映像的な文体で、リリカルな物語を描き、多くの熱烈なファンを獲得している。近作は『地図を捨てた彼女たち』『みんな孤独だけど』『かもめ達のホテル』『恋を、29粒』『Missハーバー・マスター』(すべて角川文庫)、『海よ、やすらかに』(株式会社KADOKAWA)など。湘南・葉山に居を構え執筆と趣味の海釣りに励む。

「2022年 『潮風メニュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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