- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041083017
感想・レビュー・書評
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もし自分が不治の病になったらどうしよう、という不安はふとした時によぎるのでないでしょうか。まだまだやりたいことがあって、できるはずなのに、社会から放り出されるのは心と体を引き剥がされるようなもの。それはハンセン病でなくても同じだろうなぁ。隔離された病院はひとつの村のようで生活がそこにあるというのが意外で自分の無知を知る。
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ハンセン病を通して、生命とは…人間とは…と、語りかけてくるような作品。静かで、穏やかな哀しみと絶望。生きること…生きているということの意味を、かんがえた。
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勉強になりました。
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昔、19才でハンセン(らい)病発病して、らい療養所で苦しみながら生活して、らいで死んだ文士。生きるということは過酷。今は治るが、昔のハンセン病は不治の病。忌み嫌われ、親兄弟から縁を切られ、社会から排除されて、とても衛生的とはいえない、らい療養所で苦しみながら死んでゆく。
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不治の病・癩病を煩った青年が癩院で見たものは、もはや人間とは思えない重病患者たちの姿だった。
『火花/北条民雄の生涯』(高山文彦/飛鳥新社)も併せて読んで頂きたいです。作者の北条民雄は癩病患者で、23で亡くなってしまいます。『いのちの初夜』はまだ癩病が死病と思われていた時代の話で、その間違った知識に翻弄される人々が悲しい。ちょっと昔のエイズみたいなものかと。そのために『いのちの初夜』は芥川賞を逃してしまいます。…残念といえば残念なのは北条民雄の顔…。(中島敦+堀辰雄)÷2+横光利一みたいな顔してる。これが萩原朔太郎とか志賀直哉みたいな顔なら更に萌えたのに(コラ)。いや。それでもすばらしい文学であるのは確かですが!