- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041084328
感想・レビュー・書評
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「今の自分は仮の姿だ。6年生の杏美は、おとなしい友人に紛れて学級崩壊気味のクラスをやりすごし、私立中学に進学する日を心待ちにしている。宿題を写したいときだけ都合よく話しかけてくる“女王”香奈枝のことも諦めているが、彼女と親友同士だった幼い記憶に苦しめられ…。学校も家庭も、生きる世界を選べない子どもたちの葛藤と希望を描く」
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重い
小学生のあるあるなんだけど、文章にしてしまうとこんなに重いものなのかと
読み進めるのが苦しかった。 -
文体もテーマも内容もすごく好き
サクサク読み進めた
だけど最後だけどうしても納得いかない
こんなうまくまとまる訳なくない? -
教室という世界がすべての子どもたちにとって、
先生という存在がもつ意味とその大きさ。
一面で決めつけてしまうことの
なんと危険なことよ。
先生という職業の苦しみと、誓い。 -
ずっと読んでみたかった作品でした。
純粋さゆえに子供は傷つけてしまうことがある、というような綺麗事はきれいサッパリ消し飛ぶ。
純粋さ故に真っすぐでピュアだから傷つけてしまうのではない。悪意に基づいてちゃんと動くことのできる存在である。
ピュアで真っすぐなら陰湿ないじめはおきない。
そもそもこの世でピュアで真っすぐな人がいないから、ずっといじめはあるし弱い者いじめがあり仲間外れも存在する。
とにかく得体のしれない生温さの中で漂うことだけが無難に生き残る術であり、そこから抜けるということは危険な世界にぶち込まれるということ。
大人になって住処が変わるとまた新しいルールを覚えて生きている。
それを繰り返すうちにあの頃その世界が全てを浸していると思っていたのに浸っていたのは自分だけだったと、小さくてちっぽけだったと気づくまでそこのルールは絶対だった。
残念ながらそれに気づける人もいればそうじゃない人もいる。それが今の世界なのかもしれない。
人は人をハブりハブられ、人になつき、甘え、徒党を組む。
時がすぎると自分のしたことを仕方なかったと美化して形の良い想い出にして語って分かり会えると思っている生き物だ。
何にも染まっていないしどの世界にも属してこなかったから大丈夫だとまともだと思っていてもそれもまた違う。
何にも染まっていないし教に染まっているのだ。
それはあの頃の私もきっとそうだった。
なにかに染まっていなければ何者かわかることさえ、出来なかったのが私だからだ。
がしかし、狭い世界でいじめをくらった人には向かない。
古傷をいじられるような嫌な感じが残ります。
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途中でやめられず一気読みしました。
リアルすぎる…
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学校に通っていた当時の自分を少し思い出すような作品だった。
思っていても周りの目が怖い。
自分を出すのが難しい。
嫌われたくない。
そんな思いと戦いながら子どもたちは毎日学校に通っているのかなと思った。
見えている表面的な部分だけではなく、心に向き合える教師でありたいと思った。 -
ポップな表紙とタイトルから想像していたものとは真逆な、息苦しさを感じる作品だった。
主人公は6年3組の生徒達。
教室という狭い世界の中で、自分のポジションを確保する為に無理に周りに合わせ、嘘を吐く。
調理実習中に起きた、洗剤混入事件。
担任の幾田先生が放った言葉は残酷なものだったが、それを聞いても素直に受け止める事が出来ない生徒達に集団心理の怖さや、子供ゆえの悪意、残忍さ、想像力の欠如を感じる。
間違う事は誰にでもある。
良心の呵責を感じたなら、そこからやり直して行けば良い。
きっと、その苦悩した時間は人生の糧となる。 -
居場所をしっかり作って、そんなに好きな人達でもないグループでも離れないように思う小学生の葛藤を感じさせてくれました。そういう年代もたしかにあったなぁ〜。
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全ての子ども達のもどかしさや言いたくても言えない、伝わらなくて救えない感じとかが歯痒くて辛い。
この子ども達が幸せな大人になっていて欲しいと願う。