- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041085592
作品紹介・あらすじ
4年の沈黙を破り、『図書館の魔女』の著者が描く驚天動地のミステリ
「まほり」とは何か?
蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
『図書館の魔女』の著者が放つ、初の長篇民俗学ミステリ!
感想・レビュー・書評
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本格的な民俗学ミステリ。
実際に読者に資料を見せて(本に写真がたびたび出てきました)、説明をし、一緒に考えていくタイプのミステリだととらえました。
ゴリゴリの民俗学かと思いきや、都市伝説に言語学も入ってきて、いやあー、むずかしかった!
読みながら、気づくと貧乏ゆすりしていましたよ。
読む人を選ぶ小説だと思いますが、自分は選ばれなかった(´ཀ`)
ただ、めちゃくちゃ怖いんですよね。
昔の日本の、現代とは違う倫理観をまざまざと見せつけられて。息が詰まりました。
タイトルの「まほり」
意味がわかるとゾッとします。
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脳内は熱く、背筋はゾクッとくる。
都市伝説に興味を持った主人公 裕と、村の少女に興味惹かれた少年 淳が出会い、蛇の目紋、まほりに迫る民俗学ミステリ。
じっくり読みたい気分なのに一気に読まずにはいられない、そんな面白さだった。
史料から村の歴史を紐解いていく過程は興奮と、理解処理する作業で脳内は熱を帯びてくる。
なのに所々に散りばめられた負の歴史、キーワードに背筋がゾクッとくる。
この温度差を楽しめた。
主人公 裕のキャラも惹かれる。村での対峙する姿はキュンときた。
そんな気分からのラスト…すごいものを読んだ感に一気に襲われた。-
くるたんさん
こんにちは。
フォローの登録ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
やま
くるたんさん
こんにちは。
フォローの登録ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
やま
2019/12/07 -
またまたこんにちは(^-^)/
やっぱり民俗学面白そう♪
ドキドキするね。
裕のキャラにきゅんなんだ。
どんなタイプだろう(*...またまたこんにちは(^-^)/
やっぱり民俗学面白そう♪
ドキドキするね。
裕のキャラにきゅんなんだ。
どんなタイプだろう(*≧艸≦)
図書館の魔女の作者さんなんだね!
2019/12/12 -
けいたん♪こちらもありがとう♡
そうそう!これは面白かった!
古文書とかははっきり言って意味不だけど、そう、裕のキャラがいいのよー!
純粋と...けいたん♪こちらもありがとう♡
そうそう!これは面白かった!
古文書とかははっきり言って意味不だけど、そう、裕のキャラがいいのよー!
純粋というか、女性に対しで慣れてないし…。
好青年なのよ♡
ちょっぴりゾクッとくるミステリ、今年の上位作品♡
私は図書館の魔女より読みやすかったかな♪2019/12/12
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以下、序盤ストーリーを少し追ってます。
注意!
た、高田大介の新刊出たよ……!
と、電車の中で衝撃を受け、数時間後には貪るように読んでいました。
きっと、この作品を書き上げるのに、多くの時間をかけられたのだろうと思いながら、それを無体にもガツガツ一気読みしてしまうことを、勿体なくも、申し訳なくも感じました。
ミステリーだけど、ホラーです。いや、サスペンスか?
もうね、蛇目模様が怖くて、ほんとゾッとする。
ああ、ここってなんか分からないけど、嫌な場所だ、と直感するような、あの感じがね、もう文章から、ぶわあっと来るんですよ。
冒頭、幼い頃に、ふと至る所に蛇目の模様が貼られていて、それがどんな分布になっているのか気になって調べだした……という話の中で。
その蛇目の模様がどんな意味を持つのか、また、どこに貼られているのか、友達と和気藹々としながら一枚一枚、追っていく中で、橋の下の祠に行き着きます……。
青いビニールシートが被せられ、人が生活したような跡もある。
ここに浮浪者か誰か暮らしていたんだろうか?そう思って祠を見ると、なんと橋脚から橋桁までびっしりと、およそ百枚は貼られていた、蛇目模様。
パッと映像が浮かび、鳥肌が立ちました。
うわ、これ禁忌だ。ダメなやつだ、と(笑)
以降、主人公は自分のルーツに重なるらしい、この蛇目模様の謎に迫っていきます。
フィールドワーク、史料調査、分析と、人文学系統の大学生に向けた学びがあるんじゃないかと思うほど詳し過ぎて、小説というより学術書か?と言っても言い過ぎではない、はず。
その中で、主人公が調べてきたことのピースが当てはまっていく毎に、それを「真の発見」のように思ってはいけない、憶測で断定するのは危険だ、と諭す研究者の言葉が良かったです。
ミステリーって、解き手がガンガン謎を暴いていくことが、そんな快感なんですか?ってほど、勢いで終わらせていく作品も割とあると思うのです。
でも、この作品では、そういう暴走を止めよう、止めようと、上手くセーブをかけてゆく。
その焦らし方が、事態をより現実的に感じさせて、見てはいけないものを明かされていくように感じて、怖くなる。
でも一方で、止まりきれるはずもない主人公が、次にどんな痕跡を見出すのか、ドキドキしながら読んでしまう。
正直、読み終えて、もっかい読めるかと言われたら、今はなぁ。
表紙に触るのも、ちょっと怖いです。
初読では気付かなかった怖さが、まだ実は潜んでいるような気がして……。 -
まほり読み終わりました。
いや〜ほんっとなんなんですかね?
笑笑
いやもう〜色々と疲れました笑笑
いい意味でね!
もう〜とにかく!鳥肌が止まらない
(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ヤバいの一言に尽きました
このままだとヤバいしか言わなくなるので笑笑
よし!とりあえず!あらすじを言っていきまーす
蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
と言う事です。( ・∇・)
読み終えた感想は
主人公が秀才なだけに
めっちゃ難しい史料を調べていくんですが何のこっちゃ訳わかりません笑笑笑笑
一瞬挫折しかけましたが笑笑
が!徐々にですが頭の悪い自分でも
話の内容が分かり、少しずつ村に伝わる因習が理解できたので安心してください(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
あ、理解し始めたら
安心しないでください
そこからまほりの沼にハマっていきます(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
ガチでゾッとしまくります(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
そしていざっ!ラストが始まると
村に伝わる恐ろしいぃぃ〜
因習が解き明かされていきまっ、、、
イヤァァァー!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3
すいません。取り乱しました。
最後まで鳥肌が止まらなかったです
読み終えた後もゾッとしてしまいました。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
読み終えて思った事はやっぱ!人間ってこえぇぇぇ〜人怖っっ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
と思いながらも合間、合間の主人公とヒロインのやり取りに笑わせてくれるシーンなどもあるので色々と楽しめる作品だと思いました!
とても面白かったです!!
機会があれば是非是非是非っ!!
読んでみてください!
ありがとうございますʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
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最初の部分は、方言もよく分からずなかなか入っていけないが、気がついたら夢中になってラストのドキドキ。
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ラスト一行に背筋が凍り、表紙を見直す。そこに彩られる弦巻紋(蛇の目紋)に恐怖する。
「図書館の魔女」作者による現代ミステリーは、とある山奥の集落にいる秘密めいた少女と、出生の秘密を求める青年を軸に、隠された歴史を詳らかにする悲哀の物語だった。
ミステリーと言っても対象は民俗学、宗教学であり、膨大な知識と調査に裏付けられた著者の良さが出ている。史科とその分析への警鐘が鳴らされるのも面白い。
凄惨な歴史へのアプローチをしつつ色恋を混ぜ、学術書のようでありながら小説として成立させている。言葉の恐怖が染みる読書だった。 -
「図書館の魔女」を初めて読んだとき、先ずその「文章」の虜となった。
自分は物書きではないし、「文章」というものを専門的に学んだこともない。
ただ、「本を読む」ことが好きな、どこにでもいる本好きでしかない。
なので、高田大介氏の「文章」が、技巧的にどうなのかは正直な所わからない。
ただ、その「文章」が、心を捉えて離さなかった。
難解な言葉遣いが羅列され、くどくどと婉曲な言い回しが頻発する。
しかし、「読みづらさ」というものは微塵も感じなかった。
その入り組んだ文体に抱かれ、物語の奥底へと誘ってくれているように感じた。
「文章を読む」という行為が、ただ心地よかった。
読みながら、自分はこの著者の紡ぐ文章の虜になったんだな、としみじみ思った。
そして、それは本作においても同様だった。
「文章を読む」ことが、こんなにも心地良い作品はそうそうない。
本作では、上州弁が駆使されていることもポイント。
自分は上州弁話者ではないけれど、自然なんだろうなと思う。
ネイティブな人に実際のところを聞いてみたいところ。
本作は、「図書館の魔女」の続編ではない。
マツリカ様もキリヒトも登場しない。
高い塔もなければ、ニザマもない。
物語も、ハイ・ファンタジィではない。
日本のどこか(たぶん群馬県)を舞台にした、伝奇サスペンスという感じ。
「図書館の魔女」とは、そのテイストはまったく異なる。
しかし、共通する部分も多い。
その一つが、圧倒的な薀蓄であることは間違いない。
本作で詳らかに語られるのは、民俗学というか、歴史の表と裏というか。
これが滅法おもしろい。
「謎」の解答にも繋がっていくので、二重、三重に面白い。
メインストーリィは、先にも書いたように伝奇サスペンス。
あらすじ書こうかと思ったけど、
何を書いてもネタバレになりそうなのでやめときます。
特徴的なのは、まるで学術書と錯覚するかのような描写。
実際の資料の写真まで載っています。
フィクションではあるものの、9割がたノンフィクションじゃないかと。
キャラ的には、メインのキャラがみんな立っているのが流石。
個人的には、ほんのちょい役の「桐生先生」がとても良かった。
実際には、
「本旨の3倍ほどの量の無内容な躊躇いの文言と吃音を前後に纏ったもの」
とのことだけど、書かれているテンポの良さが最高。
図書館の魔女もそうだけど、会話シーンが本当に素敵。
鸚鵡返しで繋がっていく感じが微笑ましいというか。
「はあ、そうなんですか」「はあ、そうなんです」みたいな。
話している内容は決して微笑ましいなんてものじゃないのだけど。
主人公とヒロインの関係性も素敵。
桐生先生以外の学者先生たちも素敵。
ラストは想像通りではあった。
けれど、その想像のさらにひとつ上だった。
そういうことだったのかあ……。
あと、杉本くんと桐生先生で作品いけると思うので期待したい。
……無理かな。3倍だしな。 -
骨太・・という表現がぴったりの、読み応え抜群のミステリ。
物語のリアリティを支えるバックボーン…その膨大な史料の厚みと深さに驚く。
そして、その史料と言うものの持つ不確かさや恣意性を、当の本人達によって詳らかにして行く…という、何やらマッチポンプの様なやり口がとても面白い。
「残っている」という事が既に「普通ではない」という考え方。存在するというまさにその事に既に虚実が孕まれている…
宗教を語れば
『宗教ってものは解釈のアクロバットで、教義と現世(うきよ)との齟齬をなんとか繰り込んでしまうもんです。むしろそれこそが宗教の役割なのかも知れません』
『歴史の理不尽に翻弄される人々に、合理化した縁起、分かりやすい事の次第を説いてやる。欺瞞ではあるかもしれないが筋の通った一つの説明、一つの解決をもたらす訳です。理不尽を、理に落とす。-中略-
言ってみれば宗教というもは、人心の集合意識の防衛規制の現れみたいなもの、それ自体が一種の集団的説話療法なんです』
自らの研究を語れば
『歴史学は廉潔であろうとすればするだけ、客観性という幻想に対して慎重であらねばならない』
と、その客観性を幻想とまで言い切ってしまう痛快さ!
ともすれば・・
(というよりも寧ろ、そっちがミステリとしての本流だろうと思われる)常に不協和音が不安を煽るような暗く重たい臨場感を、敢えて主人公の不器用な恋愛で壊し、そして、まさに謎を解き明かす「最後のピース」は、超変わり者の学者(最高のキャラ)によって漫才の掛け合いの如き会話の中で齎される…
そんな遊び心がたまらなく心地よい
いみじくも、物語の序盤で主人公に語らせている「説話が広く伝播して行く主要な動因」・・・
三つともこの物語そのものやんかーい❗️(笑)
都会から妹の療養の為に上州の村へ越して来た淳は、山女魚を求め分け入った山奥で、真紅の和装に身を包み凄絶とも言うべき美貌を持つ少女と遭遇する。
その眼前で、悪戯を楽しむかの様に放尿する少女を呆然と見つめる淳だったが、程なくして少女は探しに来た男達によって乱暴に連れ帰られる。
以降、片時も頭から離れなくなった少女をもとめ、幾度となく深山の沢へと赴く淳だったが…
一方、自分の戸籍上に理解不能な母親との関係を持つ大学生・裕は、卒研グループの飲み会で女学生から聴いた都市伝説(自分の故郷、そして母親へと繋がる)に心を奪われる。
夏休みを利用し伝説を調べに帰郷した裕は、図書館で非常勤の司書をしている中学時代の友人・飯山香織と出会い協力を得る。
調査を進めるほどに、歴史学と言うものの想像を絶する深淵に触れ混迷を極める二人だったが、調査で訪れた、外部との接触を異常に拒む村落・巣守郷で、何かに導かれる様に淳と遭遇する。
膨大な史料から少しずつ読み解かれて行く歴史の暗部…そして巣守郷の抱える驚愕の真実。
伝説のキーワード・二重丸(蛇の目)の意味するものとは、そして淳の出会った少女の正体は…
果たしてこの道行は母親へと繋がって行くのか・・
◯勝山裕
大学院を目指し社会学の研究を続ける学生。
戸籍上の母親は「不詳」。確かに生活を共にした「母」が戸籍上は存在しなかった。
◯飯山香織
裕が中学時代通っていた塾の友人。
裕が人生で唯一普通に話せる女性。
変体仮名の解読に長け、碑文、拓本の理解に大いに助力。やがて、彼女そのものが目的に…
◯長谷川淳
深山の沢で遭遇した少女を救うべく一人で捜索を続ける中学生。
◯朝倉
歴史民族博物館の学芸員。
香織の紹介。史料の客観性にすこぶる懐疑的。
古賀を紹介する。
◯古賀
郷土資料館員で「神社の由来」の専門家。
膨大な知識を持つ。研究者として朝倉の対局を標榜するが実は…
◯桐生朗
言語学が専門の講師。
超がつく変人。思わぬ角度から問題の核心に…。
著者プロフィール
高田大介の作品






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