村上世彰、高校生に投資を教える。

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041088715

作品紹介・あらすじ

「君たちには、まず、『怖さ』を知ってほしいんです」
N高等学校に、新たに発足した「投資部」の特別顧問に就任した村上世彰。
彼が高校生に伝えたかった投資の心構え、投資家の思考法とは。
一連の講義と、高校生との対話を収録する。

●N高投資部とは
通信制高校「N高等学校」に発足した部活動。
全部員に20万円が提供され、村上氏によるフィードバックを受けつつ、半年間株の売買を経験しながら、お金について学ぶ。

感想・レビュー・書評

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  • 儲かるための投資ではなく、社会を良くするための投資マインドが語られていて、とても共感した。 
    特に第8章は、投資をしていない人も含めて日本に住む人すべてに読んでもらいたい。貯金を懐に貯めておくのではなく、投資に回すことで経済は良くなっていくということを一人でも多くの人に知ってもらいたい。

    株の始め方や、株の買い方の手解き本ではなく、投資するにあたってのマインドを学ぶことができる素晴らしい本です!

  • 少額でも身銭をきって投資の
    勉強する事が大事ですね。

  • 2022.14

    ・ゼロサムゲーム、プラスサムゲーム、マイナスサムゲーム
    ・ROEが日本は世界的に見て低調。日本の平均は10%、欧米は30%以上が有料企業。ROEが低いのは資本効率が悪い。
    ・PER、PBRを意識する
    ・株の選定に際して、自分が購入した理由を主観で説明できるようにしてから購入する

  • 村上ファンドの際の報道から良い印象を持っていない人が多いと思われる方だが、私欲ではなく非常に大きな視点で、一貫した考えに基づいて行動されていることがよくわかる。
    投資のあるべき姿勢と、実践的な方法論の両方がわかりやすく書かれており、全ての人が読むべきと感じた。
    手元に置いておきたい。

  • 日本で株式投資をしているのは、人口の10%である。
    今後、経済の血液であるお金を循環させるには、早い段階での金融教育が必要。

    自身としては、「投資の本質である長期的な視点で考えること」を大事にしたい。

  • JK1年の娘に与える為に購入。
    自分にとって改めて投資の基本を教えられてしまい、ワイのやってる事は高校生レベルの投資なんやな…と自問自答する、そう正にワイの様な欲の塊りである中年オッサンには自戒の書となってしまいました。本当にありがとうございます。
    色々失敗した挙げ句、漸く分かってきたのが企業分析による長期投資。それに気付くまで長かった…どれだけ損をしてきたか…なんてワイはアホなんやと…
    ローリスクローリターンのインデックス投資はしつつ、四季報読み込んで面白そうな会社を見つける投資でいつか億り人になり、松竹梅なら迷わず松を頼める立派な大人になりたいと思いました、まる。

    因みに娘は全く興味がないとの事で返本しに来ました。
    パパ頑張るでー。

  • 投資かー。既に個別株式投資から、もう長期インデックス投資に切り替えたんだよなー。そんな時に、この本を読んでみました。「投資に興味を持つと意識的に世の中の経済活動に興味もつから大事なんだよねー」と思いつつ。。
    この本は、N高等学校(N校)の投資部に株式投資を解説した書籍です。(※N高等学校について知らない方はググってね。)正直、良くまとまっており自分も個別株式を継続するなら是非、頭に叩きいれたい内容だと思う。今となっては一般常識レベルに知るべきと思います。
    書籍内容は9講にわけて、投資をする上で必要な考え方を伝えてくれます。
    また、村上ファンドの考え方もなる程と思いました。
    具体的には、"お金を貯め込んで資本効率が悪くて株価が低迷している会社は、貯め込んでいるお金を有効活用すれば株価が大きく上がる可能性を秘めている。村上ファンドではそうした会社を見つけて投資し大株主として経営陣に直接提案しながら経営改善を求め資本効率の良い会社にしていく活動をしている。"とのこと。ニュースで時々村上ファンドが話題になりますね。村上ファンドの活動が基本的に上記の考え方に沿っているのかチェックしてみたくなりました。
    また、僕みたいな対人援助職にとって言葉は大事です。当たり前の事ですが、以下の点は使いやすい言葉なので記憶しておきたい。
    ●「お金の必要性の4段階」を認識する。
    「何のために、どのくらいお金が必要なのか、まずは目的・目標をはっきりさせる」ということ。
    1つ目の段階:日々、自立した生活を送るための最低限度のお金の必要性。
    2つ目の段階:病気や怪我をするなど不測の事態に備えるお金の必要性。
    3つ目の段階:以上のためを踏まえて趣味や夢の実現のためのお金の必要性。
    4つ目の段階:他人や社会のために使うお金の必要性。
    当たり前なんだけど、たまにこの認識がすっぽり抜けている人って確かにいるんです。良くまとまって助かります。著者の基本的考え方は、1つ目と2つ目をしっかりさせるために投資の考え方が大事で、さらに3つ目と4つ目に繋がっていく。
    村上世彰氏は、83年に(現.経済産業省)に入省。コーポレート・ガバナンスの普及に従事する。後に独立し、99年ファンド会社を設立。現在はシンガポールに拠点を移して投資を行っています。
    著者は「はじめに」で「まだ投資をされていない方はは、少しの少額でいいですから、実際に投資を体験していただきたい」と語っています。僕もその点については賛成です。やる場合はネット証券でやるべきだと思っています。話しはそれますが、電子申請を体験する事やネットを介してのやり取りに慣れる事が大切です。ネット通販以外の個人情報に関わる"やり取り"を行う事で行政の不親切なネットでの申請にも対応が出来ますし、ネットでの申請方法をより良い方法にする方法を考える"きっかけ"になりますね。




  • 村上世彰さん、高校生に投資を教えるの本を読みました。
    投資は必ずしもお金だけが投資ではなく、健康になるために、運動した事もリッパな投資だと思いました。

  • 著者の村上世彰さんは、日本の企業や投資家、これからの学生に投資の必要性、投資の怖さ、投資の楽しさについて述べていた。
    投資の方法は、PBR、PERが低い株を見つける。ただ安いのではなく、なんで安く売られているかを考え、本来の価値より安くなっていることが大切❗️
    そのために、四季報やIR担当者に電話をしたり、損益対照表で情報を集める。

    投資とは❓
    少し先の未来において大きな利益が得られるように今コストを支払うこと。
    FXは、ゼロサムゲーム
    ギャンブルは、マイナスサムゲーム
    株式投資は、プラスサムゲーム
     長期で見るとプラス。皆んなで富を生み出し分け与えるもの
    投資で大切なこと
    ①投資の本質をしっかり理解いた上で
    ②期待ちを考えて投資判断をして
    ③リスク管理を考えて投資

    IR情報から期待値を判断する
     IR担当者に電話して可能なら見学する
      ・企業全体の業績の動向
      ・主力の商品、新規展開で期待が持てるサービス
      ・株価に対する考え方
      ・目標とするROE
      ・将来のビジョン

    PBR 株価➗1株純資産  1倍未満の銘柄に目をつける

    ROE 純資産➗自己資本 値が高いほど、資本効率が良い会社 日本は約10%

    PER 株価➗1株益 15倍が平均で、7〜8倍が割安

  • 著名投資家である村上ファンドの村上世彰氏が、高校生に対し実施た投資教育の内容をまとめたもの。村上氏が資金を提供してN高投資部特別顧問として行った10ヶ月に及ぶ投資教育の模様を簡潔にまとめている。学生は高校生44名であるが、その積極的な姿勢に驚かされる。すばらしい教育だと思った。大きな資金を投じ、学生に真剣に向き合う村上氏の姿勢にも感動した。勉強になった。
    「投資の本質をきちんと理解した上で、自分の投資している会社が社会にどう役立つのか、あるいは自分の投資行動が社会にどう役立つのか、という社会的な視点を見失わないで投資と続けることが、結果的には投資で資産を増やすことにもつながります」p2
    「私は優れた投資家になるためには「怖さ」を知ることが大切だと考えています。ただお金を減らす怖さだけではありません。失敗したとき、自分の描いたシナリオ通りにならないときには、自分自身を否定したくなるような、そんな思いに駆られます。そうした挑戦に伴う怖さを知っていただくことで、一つひとつの投資に真摯に向き合い、たくさんのことを学べるようになります。失敗をしなかった投資家はいません。ぜひたくさん失敗をして、人間としても大きく成長してほしいと願っています」p5
    「(父の教え「お金はさみしがりや」)お金は、仲間がいるところにどんどん集まってくるものです。仲間がいなければ、なかなかとどまってくれません。お金が集まる循環とは、「稼いで、貯めて、回して増やして、また回して増やす」というものです。お金を作るための基本は、やはり働いて稼ぐということになります。「稼ぐ」→「貯める」→「回す」」p46
    「やはりお金は儲けた方が良いです。お金が手元にあったら、いろんなことができます。寄付もできる。勉強もできる。消費が悪いとは思いませんが、消費をしたらなくなってしまいます」p52
    「私が投資判断で一番重視しているのは、企業資産です。会社四季報では、自己資本比率が高くて有利子負債が少ないものに注目します。現金、預金、有価証券、不動産などをたくさん持っていて、一方で銀行借入などの負債が少ない、要するに資本効率の悪い会社です。そして、借金を全部返した後に残る資産が、時価総額を下回っているような企業を投資対象として検討することが多いです」p70
    「(ROE)日本企業の平均的なROEは、この10年間で4%から10%近くまで上がってきましたが、欧米の平均的なROEは15%程度ですし、欧米で優良企業と言われるところは30%以上のところも多い」p102
    「株式市場の平均PERはだいたい10倍から20倍程度の範囲で推移しており、15倍前後が平均的。ですからPERが7倍とか8倍のように低ければ割安なのではないかと考えられます」p104
    「(利益剰余金)内部留保の蓄積された金額は利益剰余金として財務諸表の貸借対照表に掲載されています。この利益剰余金が、理由があって一時留保されているものであればいいのですが、その大半が明確な使途もないままに現預金として眠っているケースが多々あります。あるいは、遊休資産と呼ばれますが、昔から所有している広大な土地が有効活用されないままで保有されているケースもあります」p126
    「「投資には常に失敗はつきものだ」ということを前提にすることです。リスクを取ってお金を投じるのが投資ですから、失敗することも当然あります」p134
    「景気や相場が良くなって調子よく儲かることが続いてくると「投資なんて怖くない」と怖さを忘れがちになります。しかし、自動車の運転でも、包丁の使用でも、株の取引でも、怖さを忘れてしまったときに本当の失敗が訪れるものです」p135
    「投資で成功できる人とできない人の大きな違いは、失敗した時にそれをきちんと認めて迅速に損切り処理できるかどうかです」p139
    「落ちてくるナイフはつかむな」p142
    「日本経済を停滞させてきた大きな原因というのは、お金の流れが病的なまでに滞っているという問題です。お金というのは社会の血液であり、お金の流れが活発になることによって、人やモノも活発になり経済が活性化します。しかし、このお金の流れが滞っているために経済の動きが停滞し続けているというのがこれまでの日本経済の状況です」p160
    「人は好きなことに没頭している時に幸福感を感じますし、好きなことに関して能力を伸ばしている時には、さらに幸福感を感じるものだ、といえると思います。究極的に幸福を感じることができるのは、人のために何かをして役に立てた時、そして喜んでもらえた時だと思います」p177
    「生活のために働く場合でも、せっかく働く以上は、学べることは可能な限り学び、工夫できるところはできるだけ工夫するなど、できる限りの取り組みをしてみましょう。そうすることによって、能力が高まり、奥深さも理解できるようになると思います」p181
    「日本の中で株式投資をしているのは、人口の10%いないぐらいで、1000万人もいません」p190

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著者プロフィール

村上 世彰(ムラカミ ヨシアキ)
投資家・N/S投資部特別顧問
1959年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。日本経済の持続的な成長のためにはコーポレート・ガバナンスの普及が重要であることを実感し、40歳を目前にファンド会社を設立。現在はシンガポールに拠点を移して投資を行う。また、日本の社会的課題の解決に寄付を通じて貢献したいという想いが募り、村上財団を創設。働く女性の労働・生活環境のサポート、未来の日本を創る中高生の金融教育や社会支援に積極的に取り組んでいる。

「2021年 『読んだら一生お金に困らない N/S高投資部の教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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