去年の雪

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1449
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089842

感想・レビュー・書評

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  • 100人を超える登場人物
    それは家々にその数だけひとが生活しているように
    たまに交差しながら時代背景が変わっても続いている
    死者となり魂だけが存在したり、生きていながらちがう時代の声が聞こえたり、不思議な宝を運んでくるカラスがいたり、無数の人間の生活が混ざり合っている

    物語ではなく、誰かの生活のひとときを見る作品

  • なんと登場人物の多いことよ・・・。物語の途中で繋がる人が居たりいなかったり。過去と現在、死者と生者、夢とうつつ。最後にアッと驚く仕掛けがあると思いきや、特に何も起こらず。印象に残る人物も思いつかない。読み終わった後の不完全燃焼感がハンパなし。あえて言えば、自転車で疾走する老女のハナシがもっと読みたかったかな。

  • 生きていること死ぬこと、男女、老いと若さ今と昔、様々な人間模様。
    超ショートショートで完結もせず長編小説のほんの一部分だけのパツチワークのような、おもちゃ箱をひっくり返したようなそんな文章たち。だから一気読みせずにはいられなかった。どの彼(彼女)に感情移入しようとしても現れてはすぐ消えるシャボン玉を追いかけてるみたいな印象。だからこそまた追いかけるのだけれど。

    江國さんの本領発揮のような~久々に読んだのですが、エンドレスで読んでいたいような気になる気になる小説です。

  • 天晴れ江國さん
    新作はこう来ましたか

    これはちょっとファースト江國の人には何じゃこれという感じだろうなぁ、でもなんかマニアックでなかなかいい感じです。

    たくさんのたくさんの人が登場し、関係があったりなかったり、時空も超えていて、死者や動物の視点もあって、とにかく何もかもがあるのだ。

    自分と同じ名前が、文字も同じで登場するとかびっくりだけど、キャラはやばかったな。

    何度も読み返して、あーなるほどね、と思う部分が発見できるんだろうと想像がつく。

    クスッと笑える箇所もあったりして、なかなかに新鮮でした。

    どんなワールドでも、江國ワールドは絶対的に永遠に大好きだと確信した作品。

  • 100人以上の生活の断片を覗く感じ。
    所々張ってある伏線も面白かったし、再登場する人物には「あ!あの時の!」と道端で知り合いに遭遇した時のような気持ちになった。
    でもこの本の目的がよくわからなかったから評価は1.5くらい。焦って読む本じゃない。

  • 100人以上のそれぞれの、様々なお話。
    繋がりが有るようで無い、時空が連続しているようでしていない、何処かで何かの接点が有るようで無い、不思議な話。全然読了の開放感は無いけれど、取り敢えず一気読み。なんかずるい。とても卑怯な短編集。

  • 沢山の登場人物たちの人生の(死後の世界の)断片。
    作品として描かれることはなくても、それぞれに過去があったし未来があるであろうことが感じられる。
    それは各登場人物の間に何らかのつながりがあったからなのだと思う。
    そのつながりは現実の人間関係であったり超常現象であったり色々で、そのつながりに気付くことも読み進める楽しみのひとつだった。

    そして、こういう表現は失礼かも知れないけれど、きちんと江國香織さんの作品だった。
    最後の断片は江國さんとお父さまとのエピソードだったと記憶しているのだけれど、もしそうならこのエピソードを最後にしたことに何か意味があるのかもと考えてしまう。

    私が今置かれている立場から、真織の断片が印象的だった。
    私はそう思えているだろうか。
    そうではないといけないのか。
    しかも「真」「織」だなんて。

    そしてもうひとつ、糸井武男の断片。
    それをしたのは自分ではないのに、自分とつながりのある人がしたことによって、自分の立場やものの見方が変わってしまうかも知れないということを、ずっと怖いと思ってきたから。

    色々な断片に共感したり反感を持ったりして、だから読み進めるの他の小説と比べてほんの少し労力が要った。

  • 1番大好きな江國香織さんの新書。長い時間をかけてちびちび読み進めたけれど、いつでもすぐ世界観に浸れて素敵な体験でした。100人以上の登場人物がいるストーリーでは、すごく共感できる人もいれば、全然できない人もいて。それは現実世界そのものだと感じた。どうかこの物語のように美しい世の中であることを願うばかりです。

  • 読み終える直前まではおもしろく読んでいたけど、最後読み終えた時、さらっと終わってしまい、ちょっと疲れました。最後これがどうまとまるのだろうかって気持ちで読んでしまうと面食らう内容だなと思った。

  • とにかく読み疲れました。
    途中で「そういうことか」と気付いて、肩の力を抜いて読み進めていきましたが、最後まで少し落ち着かない気持ちでいました。

    読みながらボリスヴィアンの「日々の泡」(うたかたの日々)が思い浮かんでいました。なんだかよくわからない不思議な世界に紛れ込んでしまいました。全く関係ありませんが。

    時空がどこか変なところでつながっているような、そういうことって、あってもおかしくないと私は思います。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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