- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041091197
作品紹介・あらすじ
日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートするが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。
感想・レビュー・書評
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Amazonオーディブルにて読了。 3.3
1984、三体、プロジェクトヘイルメアリーとSFがマイブームになったので日本のSFもと思い1番有名?な日本沈没を読んだ。これまでのSFは宇宙や近未来の話だったが、この作品はほぼ現代の話でテーマも自分の専攻の地球物理ということもあり、没入感を持って読むことができた。物理モデルは難しくて理解怪しいけど。
基本的には日本沈没に向けて、さまざまな人間が日本人を助けるために働く物語で、研究者、政治家、技術員などに焦点が当てられる。新社会人となる上で、理想的な日本人の職業人としてのあり方というもの感じれる素晴らしい作品だった。
ワクワク感は上記のSF作品には及ばないが、リアルな怖さや働き方という面では良かったのでこの評価。日本人万歳!!!笑笑 -
もし国が消滅したら・・・敗戦の意味問い続ける
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地殻変動により日本列島で地震や火山の噴火が相次ぎ、最後には海面下に沈没してしまうというシナリオに突き進んでいく。
・不確定な未来に向き合うリーダーシップ
・社会情勢に興味を持たず、日常の延長が続くと信じたい心理
・国が何とかしてくれるだろうという無知な人達の環境依存
・有事の際における優先順位(命の選択)
・単一民族国家
これらの要素は、コロナ禍&地政学リスクが向上している
現代にも当てはめて考えることができる。
「他国の侵略を受けにくい」「島国の閉鎖的で自己完結するマーケット」
という歴史的に恵まれた環境に身を置いてきた日本人たちが、
日本沈没により海外へ集団意味を余儀なくされ、将来どうなっていくのか
とても興味がある。日本沈没第2部の続編も楽しみである。 -
当たり前のようにある大地が無くなってしまうという現実がきた時、自分だったらどうするか。
準備する間もなく選択を迫られる日がいきなりやってくる。考えただけでも恐ろしい。
けれど沈没しないにしても地震や災害で住む場所が無くなったり、戦争などで、故郷が無くなり移民する人達など、今同じ時代にたくさんいる。
50年前の本だけど今読めて良かった。 -
本作品が出版されてちょうど50年とのこと。完全なるフィクション、とあるが、そうとは思えない読後感です。
相当科学は進歩したんでしょう。でも「日本沈没」が起こらないなんて言えない。
自分が突然難民になったら、なんて想像をしたことがない。そんな必要もなかった。ホント自分のいるところは平和なんだ。
著者の息子さんによる「文庫版にあたって」に、執筆動機は「戦争」だったと。「日本」を愛しているがゆえ、叱咤を込めて、日本人とは何か、日本とは何かを考え直したと。
天災も怖いが、人災も怖い。
長らく執筆をためらわれた『第二部』をしばらくしたら読んでみよう。 -
富士火山帯が火を噴きまくり、中央構造線(九州東部から関東へ横断する断層)に沿って大地震が頻発、日本の国土は崩壊の一途をたどります。諸外国への避難民受け入れ交渉に各国の思惑が入り乱れ、東西世界の緊張が高まっていきます。祖国を失い難民となった日本人が自我同一性を保てるのかということが下巻の主題だと思いました。
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言葉を失う展開
悲しみと絶望が錯綜する中、それでも日本人としての誇りを持って生き延びようとする者、沈みゆく大地と心中する者、様々な人間模様が垣間見れる
それらは全て「日本人」であるからこその行動である
アイデンティティの本質を考えさせられる気がした -
日本という島が沈む時、「日本」は消え去ってしまうのか。この作品を通して、歴史や文化という側面から改めて日本を見つめ直したと思う。
私はこの作品は地震という自然災害をテーマにした科学ドラマのように思えるが、この作品が描くのは、日本人の内面に焦点を当てた、文化的要素が強いと思う。
科学的根拠に基づいて描き出される地震のリアリティはもちろん圧倒されるが、それ以上に主人公を含めた様々日本人の心が生み出す描写に、自分自身の心境を重ねてみたくなる。
・もし、日本が沈むとしたら、あなたはどうしますか?
作品を通して、骨格にあるのは、この問いかけなのではないか、と私は思う。