事故調 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.38
  • (1)
  • (4)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041093146

作品紹介・あらすじ

人工海岸での陥没事故。9歳の少年が重体となり、事故調査委員会(事故調)が設置される。市から責任隠蔽を命じられた、元刑事で市職員の黒木は事故の関係者の姿に心揺るがされ、組織との戦いを決意する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 指示がなかった、前例がなかった、私は間違ってない、私に責任はない、、、見て見ぬふりの事なかれ主義、お役所仕事の数々にゲンナリしページを捲る手が鈍くなる。
    聞き取り調査を進めるに従って明らかになる市職員の怠慢と腐敗。そんな中、少数でもこれではいけないと行動を起こそうとする者たちがいることに救われる思い。
    もちろん、こんな腐り切った自治体はないと信じたいけど、巨悪とは違って市役所という我々に身近な組織の、それも不作為による問題だけに胸が苦しくなる。

    ラストも爽快感はあまりないかな‥‥。
    いくら元刑事とはいえ、黒木の言動は市職員としては過激すぎて現実味に欠けるものの、周りの心ある者を味方につけてしまう人柄には惹かれるものはあった。

  • 人工海岸を歩いていた子どもが突然砂に埋もれてしまうなんて、恐ろしすぎる事故。市の責任が問われないように巧く工作するよう命じられた役所勤めの元警官。

    興味は引かれましたが、事故調とは離れた部分の話が多くてちょっとハマれず。シリーズものなのかと思うぐらい、周囲の人物の過去にあれこれあったことが匂わされているから、頭の中で整理するのが私には大変でした。

    それにしても、事故発生後に役所に苦情が殺到するばかりか、被害者を責める人がこんなにも多いとは驚きます。きっと本の中だけの話ではなくて、実際そうなのでしょうね。無念。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2015年に『事故調』、2021年に「警視庁監察ファイル」シリーズの『密告はうたう』がドラマ化され話題に。本作は地方検察庁を舞台としたミステリ『地検のS』『地検のS Sが泣いた日』と続く「地検のS」シリーズの最終巻にあたる。他の著作に、『巨悪』『金庫番の娘』『事件持ち』『ぼくらはアン』『祈りも涙も忘れていた』などがある。

「2022年 『地検のS Sの幕引き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊兼源太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×