傷痕のメッセージ

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094099

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のコンビがよい。それと刑事さんも。身体の中にメッセージを刻むっていうのが今までになく、のめり込みました。ただ1点あげるならば、あの子はどうやって火葬したのかなー?という疑問が。検案書も死亡診断書もないから死亡届ができないし、そしたら火葬許可証もとれないから、火葬できないのでは?まぁ、裏ルート使ったのか。

  • 水城千早は医師で、同期の紫織が千早の担当指導医となる。千早の父は末期癌で千早のいる病院で他界するが、自分の体を解剖することを遺言として残す。紫織の解剖で父の胃に暗号が記述されている事が判明する。「血がつながっているからといって家族ではない」と言う父の言葉はキーワードとなる。

    千早を訪ねて来た桜井という男は、父と同僚だった警部だった。父は警備員だと思っていた千早だが、父は28年前に子どもの連続殺人事件があり、遺体の側に千羽鶴が置いてあることから、その事件を折紙殺人事件、犯人は千羽鶴と呼ばれていた。父は千羽鶴を追うために刑事をやめた事がわかる。そして父の死と同時に、影を潜めていた28年前と同じような事件が起こった。
    過去と現在を結ぶものはなんだろう?どんな意味が隠されているのか、わくわくする。

    そんな折、千早が帰っていた実家が放火に遭う。
    放火の目的はなんだろう?一緒にいた紫織と千早は、父の胃に刻まれた暗号を解こうとするが、どんな意味があるのだろう?
    一方で桜井も28年前の千羽鶴が活動を始めたことに気づき、別の角度から追いかける。
    どこかでこの2組が協力するのだろうと思いつつ、読み進める。この辺りから面白さに加速がついてきた。

    千早と紫織は、犯人千羽鶴に目処をつけるが、その仮説は合っているのだろうか?桜井と情報を共有していく。捜査一家の有賀管理官は敵が味方かも気になってくる。今回は知念美希人氏の医師としての側面以上にミステリー作家としての良さが伝わってくる作品だった。最後に真実と暗号の意味がわかる。ただ途中から結末が見えてきてしまうのが残念な点だった。

  • 流れるように読めた。外科や病理って遠い世界まして解剖なんて知らない。コミニュケーションのとれてない親が死んだ時という決して体験出来ないお話は、読み止まらない。28年前の幼女連続殺人事件、もう異常者の仕業。ところが、親の残した常軌を逸するメッセージを解読するとその殺人事件最後の犠牲者の遺骨が埋められていた、、、っておかしいでしょ。親を殺人犯として疑うっておかしいでしょ。
    おかしいけど、読ませる。
    ミステリの嫌いなところはあるけど、亡くなった人の声を聞くための解剖とか、心を救われた感動から仕事を選ぶとか好きだ。

  • プロローグから引き込まれてしまい一気に読んでしまいました。

    知念さんの本を読むのは初めてでした。
    病理解剖医の千早の父親が胃壁に刻んだ暗号を残して亡くなったことから、28年前の連続幼児殺人事件の真相と犯人を物語。
    胃壁の暗号も簡単ですぐ解けてしまって、真相も読み進めているうちに気付いてしまったけれど、犯人は最後まで分からず、面白かった。

    千早と紫織の関係性も好きだし、最後は親子愛に泣けました。

    エピローグも好きです。

  • 凄い!の一言。やはり知念実希人の考えるストーリーは先が読めず、いい意味で裏切られます。
    センセーショナルなオープニングで話が始まり、息付く暇なくストーリーが展開して行きます。
    前半で、もしかしてこう言う事か?!と、想像して読み進めると、やはりそんなに単純じゃないと予想が外れるのですが、最後はまさかの展開でした。
    犯人とそれを追う刑事との因果な関係、その娘が謎を解き明かしていく中で、家族の悲しい過去も明かされるのですが、最後は納得いく結末で、凄く緻密な設計図のもと想像された話でした。
    この作品は何かしらの賞を受賞すると思うなー!
    個人的には、小鳥遊の名前が出てきたのが良かった。

  • 伝言の残し方にひねりがあるミステリ。そうまでする必要性があったとは思えないが。主人公が感情的で暴走体質なので、読んでいてストレスを感じた。ラストの危機はいかにも感があって、そのためのヒロイン造形とすれば一貫している。手っ取り早い解決法ではある。

  • 末期ガンで亡くなった外科医の千早の父。死後、解剖をするよう遺言があり、胃の中に傷でメッセージが残されていた。28年前の連続幼児誘拐殺人事件の犯人、千羽鶴がまた動き出し…。 いろいろ、ドラマみたいな展開だが、なかなか面白いミステリー。暗号の謎とか、お母さんがとっさに丁度よく、そんなことある?みたいな引っかかりもあるかなー。

  • あまりに奇抜な設定に、想像力逞し過ぎる娘、金田一先生もタジタジの推理力発揮するその友人。リアリティ無くなると、怒涛の終盤も頭が拒否してしまう。

  • 一気読み!!眠い!!
    先が知りたくて、読むのを止められませんでした。
    そんなんしたら千羽鶴が襲ってくるんじゃないの⁈とか、そんな秘密にしないで共有してよ!!とか、ずーーーっとら驚かされハラハラしっぱなしで、読後は疲れちゃった。大満足な読み応えでした。
    医療従事者だから描ける臨場感と、信念、想いの強さには、どの作品も引き込まれます。

    さて、と。寝よっと。

  • まず表題が、比喩ではなくあまりにそのままストーリーの内容を示していたので面を食らいました。

    作品の雰囲気はわりと穏やかに進むのに、なぜかなんだかずっとおどろおどろしさと不気味さがまとわりついていた様に感じました。

    主人公の正体はわりと早い段階で予測できる様な描かれ方だとは思いましたが、全真相はやはり気になり一気に読みました。

    犯人については正直???となり、この騙し必要かな?とは思いましたが、この作品の1番の見どころはそこではないと思いましたので、まあいいかなと…

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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