鉄道の未来学 (角川oneテーマ21 B 150)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100233

作品紹介・あらすじ

鉄道と経済のギモンをわかりやすく解説。新幹線延伸やリニア建設で読む日本の社会と経済のあり方。

感想・レビュー・書評

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  • 社会
    鉄道

  • 文字通り、日本の鉄道の未来について記述した一冊。

    いわゆる乗り鉄向けの鉄道紹介とは違い、日本の鉄道の歴史、そして海外の鉄道との比較、そして今後目指すべき日本の鉄道の方向性などについて書かれている。
    鉄道ジャーナリストの第一人者の著者だけあり、さすがに説得力があった。

  • 現状・課題・それに対する対処法が整理されてあり、非常に分かりやすい。が、数字が間違っていると思われる箇所が多すぎる。もったいない。

  • 鉄道の経営と未来を整理してある点がよい。「新幹線がスピードアップしたら本数が増やせる」など、技術面は理解していないところもある。相鉄が通勤客の減少で乗車率140%を保つよう減車しているという指摘は貴重だが、政策提言にも結び付けないし、経済も専門でないと言うので、主張がわからない本であった。

  • 鉄道の現在と未来について情報をまとめた一冊。
    推測レベルのものも多いけど、震災後に出されているだけあってそのへんの事実にも触れられている。
    全般的には都市圏と新幹線の話だけですが、都市圏の電車の不経済性が非常によくわかるという点では価値があったかな。

  • 新幹線延伸やリニアモーターカーの建設など鉄道の未来について書かれた本。作者はこの本を書いた時点で経済の発展の材料もないことからリニア建設に関しては否定的であったが今年になって東京オリンピックも開催されることが決定したのでまた変わってくることは大いにあるかなと思う。本書では随所随所で売上のお金の話や全国の路線の名前などが出てきたがはっきり言って身近でないところはどうでもよかった。

  • 鉄道業界の現状について,新幹線,大都市鉄道,幹線,ローカル線,貨物,リニアなど,それぞれについてまんべんなく述べられており,鉄道業界全般の知識が得られる.数値で具体的に書かれている箇所が多く,説得力がありわかりやすかった.

    鉄道を現状に近い形で将来まで継続していこうという著者の具体的な提案が各所に書かれているが,裏を返せば今後鉄道に大きな発展はないと述べられており,今後の厳しい状況が伝わってくる.

    固定費が高く,わずかに利用者が減るだけで利益に大きな影響が出る鉄道業界がこれからの人口減の問題に対してどう対処していくべきか.
    業界再編などを含めた大きな変化が起こるかもしれないと書かれていることは興味深かった.

    また,1章ではJR3社が国鉄から新幹線をどのような形で引き継いだのか,国との関係やそれに伴う借金などが詳しく書かれており,勉強になった.
    北陸新幹線等の新しい線路の建設に関しても色々な思惑があるようだ.

    あと4章で著者がリニアをそこはかとなく否定している気がして面白かった.

  • 2012.11.18 鉄道好きな人にとってはとても面白いのかもしれないが、普通の人はこれを読んでどう思うのか?鉄道に関する造詣が深まることは間違いありません。

  • 鉄道の未来は明るいのか? 梅原淳さんはどうやら厳しい将来を予測してゐるやうです。
    まづ、やたらと長いプロローグ「日本の鉄道の現状」では冷静に現実を概観します。こんなに長いなら、もはやプロローグではなく、独立した一章とすれば好いのに。

    続いて第一章「新幹線の未来」。建設中・予定の新幹線を紹介し、LCCに対抗するための方策を提言してゐます。本書の刊行後に増税法案が通り、直後に整備新幹線の建設にゴーサインが出ました。北陸と九州長崎ルートは要らないよね。一方、札幌までは早く開通させるべきだと愚考いたします。

    第二章は「大都市の鉄道の未来」。少子化の影響はすでに出てゐますが、今後一層加速するでせう。通勤ラッシュがいつまでも解消しないのはなぜか、そして今後も解決しないだらう理由を述べてゐます。読みながら俯き加減になつてきます。

    第三章は「幹線の鉄道の未来」です。JR各社の再編に言及してゐます。JR西が中国地方をJR四国に譲渡すれば、お互ひにとつてメリットがあると述べるのですが、さうですかね。
    むしろ苦しい三島会社を本州会社が吸収合併の方が現実味があるやうな...
    即ちJR東+北海道、JR西+四国。東海と九州は我が道を行くといふことで。

    第四章では「超電導リニアの未来」。JR海が独自で作ると息巻いてをります。ライバルは高速道路とJR海は見てゐますが、著者はLCC対策を打たないと、このままでは「競争力はほとんどないに等しい」と指摘します。

    最後の第五章は「2011年の鉄道とその未来」。震災を経験した後の鉄道はどうあるべきかを語ります。明るい話は少ないのであります。ますます前屈みになります。
    地方交通線(いはゆるローカル線)に関する未来は書かれてゐません。未来はないといふことでせうか。LRTやDMVも救世主の役目を負はせるには、ちと荷が重いでせうね。

    漠然と、日本の鉄道の将来は明るいなどと浮かれてはゐられないといふことですな。まづは足元を見つめて、現状認識を共有したいところであります。

    http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11406906149.html

  • JR東海は大阪東京間のドル箱路線を持っており、非常に悠々自適な経理状況かと思っていたところ、現実はなかなか厳しいとのこと。
    近々東海道新幹線の大規模改修が待ち受けていたり、また、リニアの必要性も経済的な観点ではなく、もはや違う崇高な目的を目指しているのかとするような、と勘繰りたくなるような採算性のなさ。

    一国民としては、東京大阪間が短縮されることは喜ばしいことだが。。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ。鉄道ジャーナリスト。『鉄道ファン』編集部などを経て、2000年に独立。執筆活動を中心に、マスメディアでの解説や講演、鉄道に関して行政が実施する調査等にも識者として参画している。

「2021年 『JR貨物の魅力を探る本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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