≪ストーリー≫
スカイツリーの足下に広がる東京の町。
そこに暮らす坂下親雄と黎子の夫婦は、ある日、厩橋に捨てられていた赤ん坊を拾う。時は穏やかに流れ、「月子」と名付けて育てた娘は16歳になり、老婆のために『たけくらべ』を朗読するアルバイトを始めた。一方、黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識するようになる。
親雄はと言うと、あずきという月子と年の変わらない女と逢瀬を重ねるようになり、そして月子はついに、この街を出る決意をする。
最後まで『たけくらべ』を朗読した月子は、一人街を出ていくのだった――
≪感想≫
ひとつになっていた他人同士の家族が、少しずつバラバラになっていく様を描いた作品。純文学的な作品で、内容はあるような、ないような。盛り上がりも特になく、淡々と進む。