アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題 (oneテーマ21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102619

感想・レビュー・書評

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  • この本の出版は2012年6月。2021年10月の今、「ビルマ」の今の情勢をみると考えさせられることが多い。正直、私は権力を握っていた時代の「ドー・スー」(マダムスー)の少数民族への接し方には裏切られた感が強い。だが、今の状況がほめられたものでもない。感想だけで述べるのは大変な状況にある。大学時代の政治学で東南アジアの歴史をいろいろ勉強した身からするとそう思う。「ビルマ」は東南アジアと分類することもムリがあるところもありますが。

  • 女史の経歴や思想や活動に触れる第一歩に最適という印象。在日ビルマの方々にも書かれているのが私には良。

  • アウンサンスーチーさんの思想や目指すものについて知ることができた。
    「人々が民主主義を求める場合、権利としての民主主義を口先でだけ求めても効果は無い。一人一人が民主主義にふさわしい行動を通じてそれを具体的に求めなければならない」

    日本人も「ちっとも政治が良くならない」と文句を言うのではなく、「日本を変えよう」と一人一人が行動で 示していかないといけない、と思った。

  • スー・チー氏は、ミャンマーの少数民族問題に対処し得ないのではないか、と思っていたが、彼女は浅薄な理想主義者ではないことが読み取れた。
    国民の圧倒的支持を得られていることが、納得出来る。
    前半の理路整然たる根本教授の叙述に対し、後半のジャーナリストによる記述が非常に読み難い。時系列もポンポン飛ぶし、ミクロな知己の話ばかりで(ジャーナリストなので仕方ないが)、扇情的過ぎて本書のサブタイトルにはそぐわない印象を受ける。
    前半部だけなら、星5つ相当の良書。

  • 二部構成でビルマの今を紹介する。前半は、民主化運動の指導者スーチー女史の半生とその歩み、その思想を紹介。後半は太平洋戦争以降のビルマと日本の関係を概観。新書で類書が少ないので貴重かつ簡便な一冊。

  •  上智大学の先生とジャーナリストの共作で、アウンサンスーチー氏を支援する立場からの論考。

     現在のミャンマーの軍事政権が方針を転換して、彼女の軟禁を中止し、NLDの活動を認めるとともに、補欠選挙ではNLDが大勝をした。

     しかし、総選挙はすでに実施されており、そののちに彼女を軟禁から解放したことから、NLDの全体に占める議席はわずかであり、また、憲法上、軍人が一定の議席を常に占めること、主要な大臣は軍人であることなど、非民主的な部分を残す制度の中でのアウンサンスーチー氏の活動開始であることに注意すべきだる。

     また、彼女も2度軟禁を開始してすぐにい軟禁されるという厳しい経験を積んでいることから、対内的には慎重に軍事政権とも妥協を図りつつ、民主化を目指すものと思われる。

     日本人ジャーナリストが殺されたことで、中止していたODAの本格供与を再開した。

     しかし、軍事政権がどこまで民主化を進めていくのかについては、注視が必要だろう。ちなみに、NHKのワールドwaveでは、アウンサンスーチー氏は、ノーベル平和賞の受賞時にできなかったスピーチを行うとともに、パリなどを訪問して、存在感をしてしているが、どのような発言をしているのか、知りたいところだ。

著者プロフィール

フリージャーナリスト。大阪外国語大学ビルマ語学科卒業後、NHK国際放送局で国際放送ビルマ語ラジオ番組の制作を担当した。シュエバ(ビルマ名)として在日ビルマ人の活動に加わっている。主な著書に『ビルマ民主化運動1988』(梨の木舎、1989年)、『ビルマ 「発展」のなかの人びと』(岩波書店、1996年)、『負けるな! 在日ビルマ人』(梨の木舎、2008年)など。

「2016年 『「アウンサンスーチー政権」のミャンマー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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