作品紹介・あらすじ
遺物発掘師・無量が派遣された島原のキリシタン遺跡で、天正遣欧少年使節ゆかりとみられる黄金の十字架が出土する。だがそれは仕込まれた遺物だった。捏造工作の裏に隠された陰謀とは!? シリーズ第3弾。
感想・レビュー・書評
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今のところ、シリーズで一番好きな話かもしれない。どこがどう他と違うのかと言われたら分からないのだけど。話のテンポ…かなぁ?作者の集中力?気力のようなものが、最初から最後まで同じ密度だったというか。長崎は炎ミラでも登場した場所ですね。
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面白かった・・・。
せやけど私はいつもいつも「面白かった」っていうよね。その「面白い」ってどのくらいやねんちゅう話やんね。
ではあれやな。わかりやすく五段階評価くらいで考えるとこの本は
★★★★☆
4くらい・・・?
なんでマイナス1なんかって、難しいから・・・(笑)?
著者の本はミラージュでもそうやけど、ひとつの歴史だけにとどまらないのね。
今回も長崎の天正遣欧少年使節団の話かと思ったら、そこから太平洋戦争のあたりへ話が飛び、さらに昭和40年代の学生闘争にまで至り、最終的なオチは・・・、って、歴史の知識がちゃんとないと、ついていけないのよ!!
とはいえその最終的なオチは、私程度の知識の持ち主でもちょっと震えたし、また歴史というのは繋がっているので、ひとつの時代だけをくり抜いて云々よりも、いろんな時代を経て無量の手元に来たと思えるほうが自然なんやけどね・・・。
ましてや、発掘師の話やもんね・・・。
でもまあ、著者はどこへ向かっているのだと途中で思った。
高村薫氏か。
内容もそうやけど、女性ならではの文章の硬さが、なんか・・・(笑)。
このシリーズは、二時間ドラマにすればいいよ。ほんまにすればいいと思う。
イケメンばっかり登場するかもしれへんけど、気にせんで二時間ドラマにして!
たとえ忍を船越氏が演じることになっても、二時間ドラマにして!!
(無理)
さて、冒頭では萌絵ちゃんがものすごいウキウキと出勤しているので、
「何かいいことあった?」
と、思ったら、なんと、忍がカメケンに入社したのが嬉しいとのこと・・・。
あれっ、この子、無量のことが気になってるんじゃなかったっけ?
と、首をひねりかけて、
ああ・・・、萌絵ちゃんを交えた無量と忍の三角関係は、ナイな・・・
と、思ったよ・・・(笑)。
こういうキャラ設定も著者ならではだよね~。
終章では萌絵ちゃんと無量がたしょうイチャイチャしてたけど、なんだろうここにまったくのキュンがないのは・・・。
いっそ萌絵ちゃんが男子ならよかったのに・・・、とすら思っていたら、いよいよミゲルも準レギュラーなのか。
続きもあるのかな?
そうおいそれと書けなさそうな緻密な話だけに(また著者って遅筆じゃなかった?)あんまし期待はしてへんけど、ますます面白くなってきたね。
・・・忍もな・・・。
やっぱり、アンタのことは信用したらアカンねんな・・・。
なんでこう、心配とか愛情をまっすぐの形で表せないかなー。
相手がどうしてほしいのかがわかってるくせに、何、この屈折具合。
私も「おのれサガラ」と、拳をかためたいわ。まったく敵わんやろうけどな!
人の気持ちは簡潔に考えたほうがいい。
なぜならよく考えようとそうでなかろうと、完全にわからないのは一緒なので。
考えすぎてとる(対人)行動と、考えなしの行動では客観的に見て大差ないのなら、最低限の気遣いだけでいいのではないかと思う。
萌絵ちゃんは、このままずっと簡潔で難しい縛りで、忍と無量をつなぎとめてほしいな。
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■ロビー活動
特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動である。 議会の議員、政府の構成員、公務員などが対象となる。 ロビー活動を行う私的人物・集団はロビイスト(lobbyist)と称される。
■揚陸艦
人員や物資の輸送を目的とした艦船のうち、岸壁などの港湾設備に頼ることなく、自力で揚陸する能力をもった軍艦のこと。
■サルベージ
1.海難救助。
2.沈没船などの引上げ作業。 「―船」
▷ salvage
■粉飾決算
会計用語の一つで、会社が不正な会計処理を行い、内容虚偽の財務諸表を作成し、収支を偽装して行われる虚偽の決算報告を指す。
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屏風って一曲、二曲って数えるのね・・・。
JKは何か、ちゅう話で、萌絵ちゃんも
「女子高生とか」
と、いうていた。発想が同じか(笑)!
無量にびっくりしてもらえたから、ヨシとしたる。
(2016.08.15)
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西原無量のレリック・ファイルシリーズ、3作目。
今回の舞台は長崎。
島原の乱、天正遣欧少年使節団、マグダラのマリア、長崎原爆、、、今回もいろんな歴史ワードが満載。それらと世界遺産登録を巡る陰謀の絡め方が上手くて、ワクワクした。フィクションと分かっていても、やっぱりある程度のリアリティ感を感じられないと興ざめするものだし。
今回は無量とミゲルの関係が良かったかな。ミゲルくんの長崎弁が可愛かった。しかしながら、相変わらず忍さんのキャラが上手く掴めなくて読みづらい。まぁ、裏があるというのは今作を読んで確信できた分、そういうものなのかな、と。
正直なところ、遺跡発掘に関係する歴史陰謀ミステリとしては非常に面白く読めているのだけれど、無量個人の能力に対するあれやこれやにはいまいち興味を持って読むことが出来ず。
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シリーズ3作目一気に読んだけど、パターンがあまりかわらないかなぁ。
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面白かったけど、時代とか色々なシチュエーションは前作のが好きでした。
でも相変わらず楽しい。やっぱり歴史が絡むと色々壮大だね!!
長崎、行ってみたいなぁー。
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西原無量 3
舞台は長崎。
天正遣欧使節団ゆかりの十字架が発見されるが、
それは捏造されたものだった。
3つの十字架、揃えると国を救ってくれるという。
それを狙う、鉄のカラスと呼ばれる集団。
かつて無量の祖父の記事を書いた如月という記者。
発掘隊の千波暁雄、孫のミゲルに自分と祖父をかさねてみる無量。
盛りだくさんでした。
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西原無量のレリック・ファイル シリーズ3作目
うっかり2作目をすっ飛ばしての3作目読みで
もったいないことしたな、と
今回の現場は
長崎県南島原市
日野江城下のキリシタン遺跡
出てきたものが過去から未来まで影響していく背景がおもしろかった
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シリーズ三冊目面白かったです。
個人的には派手なアクションが増えるとライトノベルぽい
作り物くささが出過ぎてしまうので、もっと控えめにして
他の表現で謀略を表現できれば一般読者層でも
読んで貰えるネタなんじゃないかな?と思ったりします。
それにしても表紙の絵にしろ帯にしろ、過去作品ファンを
ひっぱろうと狙い過ぎで微妙に不快です。
編集者はもっと作家を信用してもいいんじゃないでしょうか?
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ラノベっぽい表紙にしなければ、もっと購買層広がるかも、な日本版ダ・ヴィンチコード?
著者プロフィール
千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。
「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」
桑原水菜の作品