「嫌な取引先は切ってよい」 楽しさを追求する社長の非常識な働き方 (ノンフィクション単行本)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105863

作品紹介・あらすじ

「嫌な取引先は切ってよい」で知られる中里スプリングは、従業員20数人の会社ながら、47都道府県1600社以上のお客様がいる優良企業。同社社長の中里氏が実践する、「好き嫌い」を基準とする働き方を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすいです。こういう考え方もあるんだなーって感じでした。

  • 刺激的なタイトルに惹かれて選んだ本。著者は従業員20数名の町工場の経営者です。

    「多くのことは好き嫌いで考えるんだから、ビジネスだって同じ考えをすればうまくいくんじゃない?」これが、嫌な取引先は切っていいと考えるようになったきっかけだといいます。

    なるほど僕たちは、食べるものも着るものも住むところも自分が心地いいと思うものを選んでいる。

    ところが。ひとたび仕事となると、自分にとって心地よいものを選ぶという感覚は忘れさられてしまうようです。

    心地よさを得ることと経済的利益を得ることは、背反するものである。金銭的価値は、我慢の上に成り立っている。こうした常識に対するアンチテーゼが、本書の主張なのでしょう。

    とはいえ、好きなことばかりやっていては仕事にならぬ。これは事実でしょう。そんな時はどうするべきか。

    著者は「ぜんぶ私が請け負う」といいます。契約解除の通告も、切った取引先の残務処理も、切った取引先数以上の(1件切ったら10件獲得するという!)新規取引先の獲得も。

    好き=楽ではない。好きだから頑張れるし、相手を尊敬できるし、他に負けたくないと思える。自社の経営に対する覚悟があらわれているようで、好感が持てました。

    好きな仕事をしながら、その仕事についての責任も同時に背負っている。非常識なようで、まっとうな経営哲学のように思います。

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  • あっさり読めた。あとでブログ記事を書きます。

    <目次>
    序章/わが社が「嫌な取引先」を切ってよい理由
    1章/気持ちが貧しくなる仕事はしない
    2章/会社は下請けでも、心は下請けになってはいけない
    3章/社員に好きなようにやらせれば社員も会社ものびる
    4章/「優秀な社員」はいらない。「好きな社員」だけいればいい
    5章/組織や役職も「好き嫌い」で決める
    6章/ものづくりは「自由な発想」と「愛情」でうまくいく
    7章/月1回の「夢会議」で自分の夢を飛躍させる

    <メモ>
    私は、会社の規模は「経営者が幸せにしてやりたい人数」で決めればいいというのが持論だ。(80)
    利益は「会社存続費」と考える。(100)
    一番の評価を取った社員が、ごほうびとして「嫌いな取引先を打ち切る権利」か「社内の設備や材料を使って好きなものを作れる権利」のいずれかをもらえる制度がある。(106)
    「社員旅行がつまらない」というのが、「他の人におもしろくしてもらおう」という試行からくる考えだと思う。(129)
    「自分は仕事ができるんだ」と思う人は、自分より仕事ができない人を基準にして自分を上に置く見方をしているだけだ。(145)
    既婚の男性社員には、給料日に家に帰ったら、ちゃんと奥さんに渡すように言っている。
    「その背中を、ちゃんと子どもたちに見せろ」(154)
    どんな社員にも良いところがあるが、なかには、ほかの社員に対して劣等感を持っている社員もいる。そんな場合は、その社員の良いところに注目して基準を決めれば、ベスト10の1番に名前を書くことができる。(156)
    係長以下の役職は「立候補制」(162)
    自分の意思で立候補し、自分で自分のやったことを評価するとなれば、自分でちゃんと責任を認識して頑張れる。(164)
    商品の種類が多ければお客様は値段に納得してくれる。
    ⇔効率を考え種類を少なくすると、お客様は「選んだ」という満足感を得ることができず、どうしても値段に興味が向いてしまう。(188)


    2013.10.17 あゆみ書店で見つける。
    2014.01.19 予約
    2014.03.13 借りる。読書開始・読了

    読書時間 95分

  • 最近よく取り上げられている中里スプリング製作所社長の非常識な経営の紹介。
    取引先との関係のあり方、営業組織等についてのヒントを得た。(ただし、表面的な活用・導入には要注意)

    <備忘録メモ>
    会社は下請けでも心は下請けになってはいけない
    お客様の「ベスト30」と「ワースト10」をみんなで決める
    「好きな社員ベスト10」を掲示する(複数基準)
    ★上司と部下は投票で決める
    ★月1回は「夢会議」~必ず全員発言、何かを決める
    係長以下の役職は「立候補制」
    社内の担当の組み合わせはお客様で決める
    「儲かる、儲からない」で仕事は選ばない
    「地縁」「血縁」「コネ」に頼らない
    社員研修を外部に頼むのはありえない(本来、経営者がやるべきこと)
    利益は「会社存続費」と考える
    応接室を居心地良くすると社員に自信が生まれる
    採用の決め手は「笑顔で来てくれるか」
    リストラはしないが、うぬぼれる社員は辞めてもらう
    社員の提案はとりあえず何でも採用する

  • 実際に中小企業を経営する側に立っているので、とても参考になりました。勇気づけられた感じです。
    取引先や従業員との付き合い方も「好きなものとだけすればよい」という概念がすごい。
    出来るようでなかなかできないのが世ですが、そうすればストレスが少なく、結果的に良い結果を生むのだろう。
    今まさに実行に移しているところです(笑)

  • 群馬県は中里スプリング製作所の社長による一冊。そりゃー取引先切るだけだったら会社は立ち行かないワケで。社員が自尊心を犠牲にしてまで働くと「日本一楽しい町工場を目指す」の会社理念に沿わないので切りますが、その場合は社長が飛び込み営業の鬼と化し、10社の新規を取ってきますという…

    動詞で掲げた理念があって、だからこういう評価になるってトコに論理があって、そーゆー訳でコレするね、が予見可能な会社は、楽しいから人が集まるのだと思う。謝礼こそあれど無償でテレビ・新聞・雑誌に掲載されること655回も頷ける。

    28名という、これまたユニークな社員数上限が設定されている同社。社内結婚したカップルに社長が大喜びし、異例の厚遇を展開するも、どんどん社内カップルが誕生すると、結婚退職と女性の産休で社内の切実な戦力ダウンが発生することに気づいた社長の苦悩は計り知れない。中里社長に思わずエールを送りたくなりました。

  • 経営者、経営者になりたいかたのみオススメ

    ・全体通して、斬新な考え方と思ったが、
    よくよく考えると、至極当然のルールに従って仕事をしているだけ
    (それが、なかなか出来ないのだが)

    ・夢会議について

    など、大変勉強になりました。
    私個人が「なるほど」と思ったところは、付箋、折り曲げがあります。

  • 日経産業かMJの書評で見て。タイトルに惹かれた。それをするためにどんな努力をしているのか。経営の方法も独特。中小企業だからできると思うが、大きな組織の中の小さな部署でも応用はできると思う。

  •  題名からしてあまり共感できない本だと思っていたが読んでみたらそうでもない、いやそれ以上にもっともなことを言っていると感じた。

     だが、あくまでもこの主張が通るのは社長である本人の人柄とモノづくりとして得られる技術の中の完成度が高いからであろう。すべてがすべてこのようにうまくいくと思わない方がよい。

     また、あまり大きくない会社で良いと割り切っていることが成功への近道だったのではないかと感じる。このような小さな会社がたくさんありそれを統括する大企業がもっと中立公平な取引をすればこの世の中はまた違った社会になる気がする。

     人が人を作るといわれるがその人は自分の意志を持っているわけでうまくいくわけがない、そして自分という意思があるのならばもっと自らが想像し作り出せる力をつけなければいけないことに違いはない。それを温かく見守るのがこれからの経営者の仕事なのだろう。

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