小学4年生の世界平和 (ノンフィクション単行本)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041107379

感想・レビュー・書評

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  • すごい!
    やっぱり子どもってすごい!
    そして、私もこんな先生になりたい。

  • BISから。TEDも映画もまだ観ていない。
    ワールドピースゲームという、現実世界を模した複数の仮想国の首脳を務める子供達がそれぞれに抱えた課題を解決しつつ最終的に全世界の平和を目指すゲームを通じて、通常のテストに合格するための授業で学べない様々なことを生徒だけでなく教師もまた学んでいく。
    面白い。確かに面白いのだけど、TRPGのプレイログのような楽しみ方を期待していた私としては、その欲求が満たされなかったことに消化不良感が残る。子供達の一連のプレイを眺めることは出来ず、複数のプレイのうちから様々なシーンを抜粋してそこから子供達が学んだことや教育論が説明される。
    教育論をぶつのは構わない。が、ゲームの複雑さ故かも知れぬが何度も同じような説明が挟まれたり、あまりにもその比重が大きかったりして全体のテンポを損ねている。語り方によってはもう少し紙幅を減らすことも出来たろうし、子供達のプレイ自体にそちらを割くことも出来たろう。そこは残念である。
    教育者でなくそれになるつもりもない人間には多少くどいが、教育者並びにそれに準ずる人たちには是非勧めたい一冊。

  • 〈『パブロ!君は見抜いたんだね!』と、私は我を忘れて叫んでいた。
    『ハンター先生、ボクには全部見えてます』と彼は答えた〉

    子どもたちが首相や大臣や武器商人になり、世界を平和にするため外交する–––
    そんなボードゲームを授業に取り入れた先生の話。

    生徒たちがぶつかる問題は、実際に世界が直面しているものばかり。
    子どもたちがゲームの中で成長し、思いやりや想像力を駆使して世界を平和にする姿に感動します。

    教育、子育てに関心がある方へ。

  • そもそもワールドピースゲームとは具体的にどのようなものか?ワールドピースゲームは日本に導入されているんだろうか?日本に馴染みそうな内容なのか?
    に興味があり読んでみることに。

    1枚1.2メートル四方のアクリル板が縦に4層の構造。これが地球全体を表す。
    一番下の層から、海中、陸地と海面、大気圏、宇宙空間。
    4つの異なるタイプの国がある。
    ゲームを始めるにあたり各国の首相を指名する。
    国連や世銀、さらには株式市場や気象といった無作為に変動する要素を決める気象の神を決める。
    指名された首相は外務、国防、財務大臣を指名する。
    他にも数多くの役割があり、誰にどの役割を割り当てるかはまさに教育者の腕の見せどころ。

    このゲームの一番の特徴は冒頭で50もの課題、問題が、与えられること。例えば
    「ある貧しい国家が領有する辺鄙な孤島に絶滅危惧種が生息していて、その島には偶然にも未開拓の油田がある。この石油資源からの収入を得られなければ、飢饉を防ぐことができない。そこで、この国は石油の新たな調達先を確保したいと熱望している経済的に豊かな隣国に油田の採掘権を売却したい。しかし油田開発は絶滅危惧種を危機にさらすからと、生態系保護に強い信念を抱いている第三国が反対している。」
    こんなのが他に49個ある。
    1ゲームデイとして各国に順番が回ってくるまでに各国の中で検討や他との交渉を行い、自国の番が来た時に首相は決めた事を(いくつでも)宣言する。
    1回2時間程度で8〜10タームを1ゲームとし、4国全ての資産がゲーム開始時点より増えていること。がゲームの勝利条件。

    50もの難題を突きつけ、一旦、途方に暮れさせる。無力感を感じさせる。そこがスタート。


    それにしても日本の4年生に出来るのかな?
    日本なら中学1年生くらいが妥当な様な気もするが。
    (本当は電車の中でゲームばかりやってるサラリーマンにまっさきにやらせたいけどね)

    成果の評価が難しいので、文部省が推奨するとは思えないが、自分で考え、周りと議論・交渉してそして決断していくという問題解決のアプローチを教えていく事が、今の教育現場にとってまさに喫緊の課題だと思う。
    日本で普及活動しているのであれば、関わってみたい。調べてみよう。

  • 仮想世界に科された、政治的、軍事的、民族的、環境問題的な各種の問題を、各国の首相、大臣に任命された子どもたちが、交渉によって解決していくワールド・ピース・ゲーム。大人でも一度やってみたいです。
    解決できないように思える重大な問題に直面した時、あえて立ち止まり、時間に追われない「何もない空間」に自分を置き、じっくり考えることが重要。これは共感できます。

  • TEDのプレゼンテーションが非常に良かったので購入。
    敢えて「エンプティ・スペース」を設けて、答えのない問題を考えさせるという著者の方針が印象的であった。
    戦争に関しても、戦争は絶対だめであるという考えを押し付けるだけよりも、戦争を選択肢のひとつとして捉えた上で何故起こしてはならないのかということを理解した方が本当の意味での平和につながるのだろうと思う。
    自分も請うような教育を受けてみたかったし、是非とも一度ワールド・ピースゲームをやってみたい。

  • なんとかしてこれを自分でもやりたい
    相当に感銘をうけた

  • TED見て、なんか気になったから。ESD

  • 分厚くて、結構かたい話かとおもったら、中身は、先生による実体験をまとめられたものでした。これと合わせて、TEDのスピーチをYoutubeで見ると面白いです。
    まず最初に、エンプティスペース、何もないところで、自分に向き合い、戦略を立てる空間の大切さに驚き、あとは、子どもたちの発想の豊かさなどに感心しました。そして、世界平和に向けて、子どもたちにゲームを通じて、孫子の兵法のエッセンスも伝えていらっしゃるというジョンハンター先生に脱帽です!
    ドキュメンタリー映画にもなった話題の、35年以上の実績が詰まった本です。

  • 自分もゲームの一員になったかのように、ハラハラして時に涙しながら読みました。
    小学4年生の子供たちが先生の作ったワールドピースゲームという世界平和を達成するボードゲームに挑むノンフィクションです。
    子供たちは4つの架空の国、2つの少数民族、国連の首相、国務長官、外相、国務長官、財務大臣となりゲームに参加。その他に自然災害や紛争を左右する女神、武器商人、破壊工作員もいます。教師が与える50件の危機を克服し全ての国の資産を増やし平和であることがゴールです。独裁者がいたり、クーデターが起こったり、裏取引や駆け引きといった様々なドラマがあり、子供たちの成長と思いやりの心に胸が打たれました。
    最後に生徒たちとペンタゴンを訪れるのですが、それも感動的でした。

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